Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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デザインの構造化
デザインは急速に構造化されてきている。良いデザイン・悪いデザインが、色々なフレームワークにはめられ、「このデザインがなぜ良いのか」が言葉で説明されるようになってきた。こういった構造化は、異なる見解を持つ人々とのコミュニケーションを可能にするだろう。

でも、それだけでは多分終わらない。

言語の獲得によって、人は物事を説明する能力を高めただけでなく、創造力も高めたのだと思う。その理由は、言語は記憶と概念の結合を助けたからだろう。それと同じことが、デザインの構造化にも起こるのかもしれない。

(でも、なんとなく直感的にそううまくはいかない気もしている。それはなぜなんだろう)
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イノベーションにおける教養について
イノベーションはもともと集団的な行為だ。イノベーションは個人の発想のように見えるかもしれないが、大抵の場合それは純粋な個人の発想の産物ではなく、彼・彼女が色々な分野にいる人々の知見に触れることによって生じるものだ。特に、全ての分野において専門分化が進んだ現代においては、共同体に根付いた集合的な実践知が求められている。

このようなCollectiveなイノベーションを起こす人に求められるのは、プロデューサーとしての資質だ。技術者、職人、専門家らをまとめて一つの成果物を創りだすプロジェクトリーダー的な能力が必要とされている。

異なる分野にいる人々の知見をまとめて新しいものを作り出すためには、当然ながら、各分野の専門家の言うことを理解できるだけの知見を持つ必要がある。しかし、各分野の専門分化がかように甚だしい現状において、どのようにしたらそのような「どんな分野の人のいうことであっても、その本質を理解できる能力」を身につけられるだろう。

イノベーション研究の泰斗である野中郁次郎先生は、このような能力を身につけるためにこそ教養が必要であると説く。具体的には、古典、歴史、芸術などに関する知見が必要となる。教養とは多様な知の共通項であり、言うなれば、すべての学問分野の根っこのようなものだ。それがあってこそ、様々な専門家らの言うことを理解できるようになる。

野中先生のこの一言を聞いた時に、我が意を得たりと思った。18歳の頃から何となく直感的に続けてきたことに、今になって意味を見出すことはうれしいことだ。これからも、黙々と古典を読み、色々な芸術に触れ、人の歴史を読み沈思黙考していこうと思う。
創造性の技法の考察#1
30歳の学びのテーマはイノベーションとアート。それをテーマに、関連書籍を読みあさっている今日この頃。

人間ができることをコンピューターやロボットが大部分代替できるようになる社会はすでに始まっていて、価値のある仕事というのは人間にしかできない仕事になる。では、より具体的にどのようなものが人間にしかできないことなのだろう。

一つは、思想、信条、信念や礼節といった、人間が人間である以上陳腐化することがない要素だろう。感情を有した人の心を動かしてこそできる事業は多く、その人の心を動かす要素はなんとなくコンピューターには複製できない気がする。今はこういったものすらも過小評価されている気もしないではないが、いつか必ずゆり戻しがやってくるだろう。

もう一つは、今日のテーマである創造性だ。Steve Jobsに代表されるように、個人の創造性のつくりだす価値が、大勢の人々の努力が生み出す価値よりも上回ることが近年において増えているし、技術進歩にともないこの傾向はさらに続くだろう。


そんな中でデザインのコンサルティング会社(という表現すら陳腐なのだが)であるIDEOはトップランナーの地位にある。デザイナーの目線を有したIDEOのコンサルタントたちは、新規商品の開発から開発途上国でのプロジェクトのデザインまで幅広い分野で活躍している。おそらく、イノベーションの技法を形式知化しているレベルにおいてIDEOを上回る会社はさほど無いだろう。

IDEOのイノベーションの技法は、それ自体はそんなにウルトラCのようなものではない。彼らは次の5つのことを徹底しているが、それが創造性の源泉になっているという。備忘録としてまとめておく。


第一に、観察して洞察を得ることだ。
顧客が既存の製品を使っている様子をとことん観察する。時には、彼らは一週間以上をかけて、顧客がどのように製品を用いているのかを観察し、そこから意味のある洞察を得ようとする。観察を観察で終わらせてはいけない。観察の結果得られるインプリケーションが重要だ。ヘンリー・フォードやスティーブ・ジョブズの例をまたず、単に顧客が明示的に求めているものをもたらすだけではイノベーションとはならない。顧客が本当に求めているものは何か、というのをとことん観察することによって洞察することだ。


第二に、多くのアイディアを生み出し、それを収斂させることだ。
アイディアを生み出すための手法はブレインストーミングだ。ブレインストーミングという言葉は大分ビジネスの世界でも浸透しているが、IDEOは、多く人々は単にブレインストーミングをしていると「思い込んでいる」と指摘する。

良いブレインストーミングをするには、いくつかの決まりがある。それは、こういったことだ。
(0)時間は60分以内
(1)開始前にアイスブレーキングをわすれずに
(2)ホワイトボードなどで壁を囲み、アイディアの出やすい場所をつくる
(3)論点設定をしっかり行う(論点がずれると生み出されるアイディアもずれる)
(4)遊び心を忘れない
(5)とにかく多くのアイディアを出す(良いブレストでは100以上のアイディアがでる)
(6)アイディアが蓄積されたら議論の段階を引き上げる(例えば、論点をより具体化する、発展させるなど)
(7)手だけでなく身体を使う(例えば、製品のカタチを身体で表現してみる)


第三に、なるべく早くプロトタイプを作り出すことだ。
アイディアをものにしてみることによって分かることは多い。カタチにすることによって、頭の中で思い描いていただけでは分からない気付きがたくさんある。平たく言うと、「とにかくやってみる」「走りながら考える」ということだ。

気付きには大きく2つがある。一つ目は、その製品の課題点・改善余地を知ることができるようになることだ。これはモノづくりにおいては基本であって、コンピューターのシミュレーション能力がどんなに高まっても変わらない。二つ目は、その製品の更なる可能性についての知見だ。プロトタイプとなった製品を実際に使い回してみると、その製品の更なる可能性に気付くことがある。


第四に、いいチームを作ることだ。
イノベーションはチームの産物だ。三人寄れば文殊の知恵、Steve Jobsもエジソンも一人で多くのプロダクトを作ったわけではない。一人の発明家の裏にはチームがあった。

チームのパフォーマンスを高める上で必要なのは、多様性とチームワークだ。

一つの分野の専門家だけでチームを組んでもイノベーションはおこらない。現代の多くのイノベーションは組み合わせによって生じることからも、チームは様々なバックグラウンドを有した人々で構成されることが望ましい。

そして、そのチームの間には敬意とフランクさがいい具合に同居する必要がある。チームメイトから敬意をもって遇されないメンバーがいいパフォーマンスを出せないことは疑いの余地がない。また、敬意が邪魔になってフランクな意見交換を阻害してもいけない。タブーのない議論の積み重ねがよいアイディアを創りだす。重要なことは、敬意と率直にものを言う文化は両立しうるし、どちらかが欠けてもいいチームは作れないということだ。


最後は、いい場所をつくることだ。
20090402-2.jpg人は、本人が思っている以上に環境の影響を受ける。統制された秩序が必要であればきれいに整列された机と椅子が無駄なく配列されているようなオフィススペースのスタイルもありかもしれないが、イノベーションが必要であればそれ相応の場所づくりが肝要となる。IDEOのオフィスほどではないにせよ、自分たちが発想をしやすいような作りにすることは、お金がなくてもちょっとした工夫で作ることができる。そして、その場所にいたら「発想することができる」というマインドセットが刷り込まれるようになったら完璧だ。(別にこれは発想に関することだけじゃなく、「ここにいるときは勉強する」「ここにいると、考え事ができる」という場所を持つことはとても大切だと個人的には思う)



写真は下記ウェブサイトより。
http://do-gugan.com/~okuizumi/blog/2009/04/ideo.html

参考文献:「発想する会社」
http://ow.ly/7BHvQ
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