Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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社会をドライブする制度設計。
 更新が遅れてごめんなさい。
 
 土曜日は午後の授業中に偏頭痛×発熱×嘔吐がやってくるという最悪の事態が起こり、12時間くらい昏々と眠っていました。
 そして、日曜日は、勉強会。 
 小学生のころから、僕の試験勉強は友達に教えることで成立していたので、こういう機会はとてもありがたいです。 ちょっと忘れかけていた推定量に関する定義、カイ二乗分布、t分布がきっちりと頭の中に戻ってきてくれました。
 
 さらに、いまグーグルブログへの移転を準備中で、どたばたしています。 今のところ、Blogger(グーグルのブログです)の操作性はいいとは言えない(例えばカテゴリ機能がない←ブログ内に検索エンジンがあるから問題ない?)のですが、将来、もっと面白いことができそうな気がしているので、思い切って移転を考えました。 


 と、まあ、近況報告はこんなところにしておいて、今日は、法制がビジネスをドライブする事例について。


 アメリカ系の企業に勤めている人や、金融関係の人には周知のことだと思うのですが、アメリカの企業には、デラウェア法人が圧倒的に多いんですよね。 デラウェア州は、アメリカの全州の中でも小さな州で、人口も多くありません。 大学院の友達と「なんでだろうねえ」と先日話し合っていたのですが、ふと、調べてみようという気が起こった次第です。

 
 デラウェアにフォーチュン500掲載社中45%が置かれる理由は大きく3つのようです:
 ・法的予測可能性の高さ
 ・明確な役員の責任規定
 ・安い法人税

 
 ・法的予測可能性の高さ
  デラウェア州では、今からさかのぼること100年以上となる1903年にDelaware General Corporation Lawを制定します。 この会社法は、法人にとってかなり有利なものであったため、制定後10年を待たずして、当時法人設立数トップであったニュージャージーを追い抜くことになります。
 
 現在でもそうですが、人やモノが集中するところにおいて、多くのものが急激な発展を遂げます。
 デラウェア衡平裁判所では、他州と比較にならないほどのスピードで判例が蓄積されていきました。 判例の蓄積は、同時に、裁判官をはじめとする法律関係者と判決の質の向上も意味します。 

 アメリカのように訴訟がビジネスに多大な影響を与える国において、法的予測可能性(法律に触れそうなことがあったらどういう事になるのか予測できること)が高い水準で保証されていることは、企業にとって非常に有利だったのでした。


 ・明確な役員の責任規定
  1985年のSmith vs Van Gorkomにおいて、経営者の責任についての基準として、「重大過失(gross negligence)」が設けられました。 ここで、「与えられた情報に従って誠実に行動すること」が役員の責任と定められました。
  法的トラブルによって企業の経営者がいきなり退陣の憂き目を見るような状況において、これも非常にありがたいことでした。 


 ・安い法人税
 デラウェア州の法人税は8.7%だそうです。 ちなみに、日本の法人税は30%、実効税率は約40%。
 この税率は、全州で最も低く、このことも企業を誘致する大きな要因となっています。 
 ただし、デラウェア州以外での所得についてはその州の所得税が課せられる(らしい)です。
 
 じゃあ、デラウェア州のファンドが海外に投資した場合はどうなるんでしょうね。 租税条約などで、課税権がアメリカにある、とされる場合なら、デラウェア州の税率がそのまま適用になるのかなあ。 国際課税の講義は来期にとる予定なので、まだよくわかりません。 ごめんなさい。
 


 先見の明をもって会社法を改正して100年、デラウェア州のこの点における優位は、もはや揺るがないものになっているようです。


 こういう、ある制度変更が、その後の社会のあり方を大きく変えた事例などは、とても興味深いものですよね。
 制度設計においては、現実問題を踏まえつつも、100年200年先を見据えて制度を考えていく必要があることを痛感せずにいられません。

 
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