Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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人間の尊厳について考える三作品。
先日お茶をした後輩に約束していたエントリー。
一冊はBook Loversでも紹介しましたが、それ以外にも人にとって大切なものは何なのか、という問いにヒントを与えてくれる本はたくさんあると思います。そのうち、特にお勧めしたい3冊を紹介します。



君たちはどう生きるか (岩波文庫)

タイトルの通り、人間はどう生きるか、という問いに対する哲学者吉野源三郎のの考えが、コペル君とおじさんとのやり取りを通じて書かれています。子供にも理解できる平易な内容ながら、大人も深い感動とともに読むことができる本です。

紹介したいページは山ほどあるのですが、特に僕が何度も読むのは、人間の悩みと過ちと偉大さについて書かれている部分です。
人間は自らを決定できる力を持っている。だからこそ過ちを犯し、深く悩むことがある。
しかし、同時に人間は自らを決定できる力を持っているので、このような過ちから立ち直り、また進んでいくことができる。ここにこそ、人間の偉大さがあるのだと、著者は喝破します。

この本は日本が戦争に突入し、徐々に言論の統制がおこなわれてきた時期に著された本で、著者が自らのメッセージにどれだけの想いをこめていたのだろうと考えさせられます。





夜と霧 新版

ナチスドイツの強制収容所の生き残りである著者(心理学者)が、自らの体験を深い人間に対するまなざしとともに綴った本です。

極限状況においても、人間としての尊厳を守り抜き、正しい行いを続けることができた人々(そういった人の多くは生き残ることはできませんでしたが)の姿に、人の偉大さを考えさせられます。

しかし著者が説きたかったことは、このような極限状態で火花のように煌めく生き様への賛美では決してないと思います。むしろ、人生の一つ一つの局面において、人間は常に「どのように生きるのか」という問いに立たされている、という事実こそが、著者の指摘したかったことなのだと思います。強制収容所の習慣に自らの人格を焼き直してしまうことも、現代社会で自らの信条に反し周囲に同化してしまうことも、同じことなのではないでしょうか。

この指摘こそが、強制収容所の一見限定された物語を、より一般性を持った人生論へと昇華させているのだと感じます。




橋のない川 (新潮文庫)

被差別部落における人々の姿を描いた作品です。
子供の心にまで根深く潜む差別の暴力性や、人々の暮らしの貧しさとそれ故の悲しい出来事たちの中でも燦然と輝くのは、著者が描き出す自然の美しさ、大和ことばの美しさ、そして何よりも人間の尊厳の美しさ。

人間にとって何が大切なのか、ということを考えるときに、いつも感動とともに読み返すことになる本です。
大部の本ではありますが、はまると止まらなくなります。


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