Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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上級クレジットリスクモデリングのメモ
企業の倒産確率を推定するクレジットリスクモデリングは、今ファイナンス理論の応用分野においてもっともホットなものの一つといえます。今聴講させて頂いている森平先生のクレジットリスクモデリングは、たくさんのStreet Smartにあふれていてなかなか楽しい授業です。まるで落語家のような絶妙な間と抑揚で講義は進められます(ちなみに先生は落語が大好きだそうです)。

今日は特に3つ、個人的に非常に有用な3つの学びがあったので、書きとめておきます。 (メモ代わりなので、あまり丁寧ではないです)


・連続型の確率変数を想定すると、解析解は離散型のそれよりも求めやすいが、実際にシミュレーションを行う時にはかなりの不便が伴う。 そこで推奨されている方法は、確率分布について、±4σまでが分布の端から端と仮定して、この区間を20分割して、あたかも離散型のように取り扱う、というもの。 確かにこれを行うと、エクセル+VBAプログラムで走らせるシミュレーションがかなり楽になりそう。近似の程度は時と場合によって選ぶ必要があるかもしれないが、今度ぜひ試してみよう。


・デフォルト相関(企業の倒産率の相関)の共通要因を二つ以上にするモデルの先行研究は多い。しかし先生曰く、これらの拡張において計算はかなり複雑になるものの、説明力は大して上昇していないとのこと。モデルにおける真理だと思うのだけれど、堅牢なモデルほどシンプルだ。


・そもそも論として、デフォルト相関の共通要因はいまだに知られていない。もちろん、いくつかのマクロ変数の候補はあるのかもしれないけれど、まだ確たる答えはない。デフォルト相関を求める問題は、「神のみぞ知る企業のデフォルトの共通要因があるという仮定のもとに、ある企業とある企業のデフォルト率の相関を求める問題」である。

個人的には、「具体的な仕組みはよく分からないけれど、でも実際はこうなんだ」という類の思考が結構苦手で、まだいま一つ納得できずにいる。ファマ・フレンチの3ファクターモデルがそうであったように、ロジックは良く分からない、けれど実際に現実をよく記述出来るモデルは、比較的短命な気がする。レジームが変わっている場合には特に。もう少し、現実の問題にもかなり合致した形でのクレジットリスクモデリングを考えられないだろうか。(月次のマクロ経済データと四半期の企業財務諸表を用いたロジット分析は、なかなかの成果をあげている。)

自分で納得いくまで思想を信じるな、と言ったのは誰だったか、モデリングにおいても、「当たればいいんだよ」という姿勢を捨てたい。だって、最初の1年間だけは有効だけど、その年からとたんに説明力が落ちて、3年で投げ捨てられると予想できるようなものに時間を費やすには、人生はあまりにも短いからだ。






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