Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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今年も三万人
今年も自殺者数は三万人を超える見込みだそうですね。 ちょっと気になったので役所のホームページからちゃっとまとめてみました。

Shibo.jpg

男性の自殺者は、女性のそれの2倍強になるんですね。。 もし自殺がストレスによるものが大きいとしたら、男性が多くのストレスにさらされているのか、はたまた男性のストレス耐性が弱いのか。 (こういった一般論には意味がないのかもしれません。)

キエルケゴールが「死に至る病とは絶望のことである」と指摘したように、社会における閉塞感が一つの要因だと思います。 単純な解決策はないかもしれませんが、皆が希望を持てる社会にならないかぎり、この高止まりは続くのかもしれません。



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パートタイムNPOの組織運営:その3
三つめは、組織の効率化の話。

パートタイムで組織を作るときは、皆の不要な労働時間を減らし、各人の細切れの労働時間を大きな流れにできる仕組みが必要です。

僕たちもまだ試行錯誤中なのですが、現時点で学んだことは、こういうものです。


1.良いチームを作る
組織の非効率の大きな理由は、情報伝達の非効率に起因します。これは、チームがよくまとまっていれば回避できるものです。相互理解と尊重をし、同じコンセプトを持っている組織であれば、情報伝達の非効率は大きく下がります。

逆に、チームがよくまとまっていないと、メンバーはお互いに対して疑心暗鬼に陥り、不必要な手間や非効率が生じることになります。このような、組織の悪さが人間の防衛本能に働きかける(よって疑心暗鬼が生じる)ことによるコストを、防衛コストと呼びますが、相互を理解・尊重し、事業のコンセプトを共有したチームはこの防衛コストを下げることができます。
(ちなみに、「防衛コスト」の考え方は、結構組織がもめていた時期に、LIPメンバーの一人のコンサルタントの方に教えてもらいました)



2.水平組織を作る
一人の決済範囲が一定量を超えることになるピラミッド組織は、パートタイム組織ではまず機能しません。タスクベースで業務とその権限を割り振るシステムでないと、誰か一人がパンクしてしまいます。

ただし、単にタスク性を引くと、二つの懸念があります。
(1)タスクに張り付いている人が急に忙しくなると回らなくなる
(2)タスクの進捗状況が全体としてよく把握できないので、タスク別に暴走が始まる

これらについては、次のように対応しています。
(1)タスクには、タスクリーダーの元に複数人がつく
(2)タスクの進捗状況を把握する、タスク管理者を設ける。タスク管理者は、5~10くらいのタスクの進捗を管理して、朝のスカイプ会議で報告する。 その報告内容は毎回まとめられ、朝にメールとして送られる



3.技術の活用
今になって考えると、10年前には僕たちのような活動はかなり困難を伴ったのかもしれません。ですが、今はできます。僕たちが普段用いている技術は、たとえばこういうものです。

・メーリングリストで議論のやり取り
・スカイプでのタスク進捗会議
・Google Docsで出欠管理、アンケート
・SkyDriveで書類管理
・Google Calendarで予定管理
・ノートPC持ち歩き(+Emobile)



と、こんなのが、今の僕たちの組織運営の内情です。
まだ、実際に組織として動き始めてからは1年くらいなので、試行錯誤も多く存在しますが、1年で、いろいろと勉強させてもらったんだなー、と思うことしきりです。 

でも、まだまだもっと良い組織を作っていけると思うので、これからも頑張りたいと思います。

パートタイムNPOの組織運営:その2
遅れてしまいました。 パートタイムNPOの組織運営について、残り二つを書きます。

人は、自らが一定時間をある活動に費やすとき、何らかの形で自己実現欲求を満たしているのだと思います。パートタイムNPOとしては(というか会社でもそうなのですが)、そういった欲求を満たすための組織づくりを考えるべきだと思います。

そのために、僕たちが行っていることは、三つ。

1.やりたい仕事をする
常にそういくとは限らないのですが、タスクは決して人に押し付けたりはせず、出来る人に立候補してもらうことにしています。人間は、ある行動をするときにおいても、それを自分で選んだ人と相手から受け取った人では、行動に対する態度が全く違うと思います。

もちろん、すべての仕事が魅力的なわけではなく、地道な作業もありますが、誰かに命令してやってもらうということはありません。(というか、そんなこと出来るわけもなく。。) 地道な作業にやる意義を見出すためには、何よりも自分たちの行っている事業の意義をみなで共有することが大切なのだと思います。

タスクを受け持った人には、権限が完全に委譲されます。お願いしていることは二つだけ。
・タスクチームの作業が周りから見えるように、やり取りは全体のメーリングリスト上で行う
・組織全体にとってリスクが存在する場合には、全体に相談すること


2.周囲からの感謝・仲間からの信頼
 貢献してくれた人にはしっかりと、「ありがとう」と感謝の意を伝える。単純なことではあるのですが、これを怠ってはいけないと思います。特にお互いの顔を毎日見れるわけではない活動においては、メールの上でも感謝の意を伝えることはとても重要です。
 そして、周りから貢献が認められている人には、活躍の場に出てもらうようにする。具体的にはセミナーでの発表などです。


3.自分たちが意味のある活動をしているという実感
 使命感は何にも代えがたいインセンティヴになると思います。私たちのマイクロファイナンスファンドのプロジェクトでは、メンバーは、機会の平等を少しでも達成する&日本で誰もやったことがないものを作っている、という矜持のようなものがありました。 そして今は、日本で一番マイクロファイナンス投資に詳しい団体を目指そうという目的とともに活動しています。
 活動の意義を見出し、それを共有するように努めるのは、リーダーの役割のうちでもっとも重要なものの一つなのだと思います。


パートタイムNPOの組織運営:その1
別にNPOのマネジメントの本を読んだわけでもないのですが、これまでの経験を通じて感じたことは多いので、備忘録代りに。

パートタイムでNPOの組織運営は、ある意味で会社運営よりも難易度が高いと思います。 運営が難しい理由は、主に二つ。

第一に、パートタイムで運営していると、メンバーはその組織に完全に従属しているわけではないので、メンバーに命令することは不可能です。また、それぞれが本業を持ちながら活動をしているので、その持ち時間も常に不確実です。本業が忙しくなって、なかなかパートタイムの活動ができないような場合は、よくあります。

第二に、特に初期においては、NPOの活動を通じて金銭的な報酬を担保するのはかなり難しいです。となると、人の働く動機の一つである金銭的な要求をあまり満たすことができません。


そんなパートタイムのNPOが機能するためには、少なくとも、次の三つの要件が満たされていないといけないと思います。

1.居心地のよいチーム
2.本人の自己実現を尊重
3.参加者の時間を有効活用

結構長いので、まずはその1であるチーム作りについて紹介しようと思います。


1.居心地のよいチーム作り
1.1.仲間選び

基本ですが、仲間は自分と異質な人を集めるべきです。似た者同士があつまることで、組織のリスクは高まります。僕は何かのコンセプトを打ち出したり、事業を前に進めるのは得意ですが、細かい面を詰めるのは得意な方ではありません。だから、それを埋め合わせてくれる仲間が必要。

また、パートタイムだと特に、一人でも嫌な人がいると、組織からは一瞬で人が引いていきます。そういう人が入らないためのチェックは(もちろん常にできるわけではありませんが)、重要だと考えています。たとえば、長い時間付き合っている友達が一人もいない人は、何らかの問題を抱えている場合が多いです。


1.2.ルビコンを渡る
最初のうちは単に弱いつながりで人が集まって創造的な議論をしていくのはよいのですが、それは人の集まりではあってもチームにはなりえないと思います。ひとつの目的を達成するために団結するチームを作るためには、どこかのポイントで、みんながコミットメントを示す必要があります。

マイクロファイナンスのプロジェクトでは、実行委員希望者には、最低三年間続けることを約束してもらっています。ファンドの投資期間は3年なので、それくらいの期間を一緒にするつもりがないと、なかなかチームとしての結束を保てないからです。




1.3.相互理解
意見の対立が人格の対立とならないためには、相互理解が重要です。そのために重要なことの一つは、相手の歴史を理解することだと考えています。

他のメンバーが自分と違う意見を持っているとき、その違いにだけ意識が行ってしまうと、対立は深まってしまいます。しかし、メンバーがこれまで歩いてきた歴史を理解すると、意見の対立を何らかの文脈にのせて考えられるようになります。 これは、意見の対立を乗り越えるためにとても大切なことだと思います。

僕たちは、チームの合宿をたまに行っています。今まで2回行ってきた合宿では、皆が自分のこれまでの歴史を15分~20分くらいで話すようにしています。隠し事は基本的にしないで。 これをすると最初はみんな面喰いますが、結構盛り上がり、相互理解に基づいてチームの結束力は確実に強くなります。


1.4.相互尊重
プロジェクトが難局に差し掛かってくると、意見の対立が激化することになります。そういうときに、お互いを尊重して、前向きな議論を行うように全体を誘導することはとても重要です。

もともと、ウェブの議論というのは、意見の対立には向いていないものだと思います。長ーいメールをかいてやり取りしていると、揚げ足のとりあいは容易で、どんどんムードは険悪になっていきます。 特に自分の思いが強い人は、そうなりがちのようです。

議論が変な方向に行きそうだとおもったら、常にだれかが前向きに考えるように誘導することは、常に気をつけようとしています。


1.5.公開性と透明性
密室の意思決定や、ひそひそ話による論調の形成がされると、メンバーのモチベーションは著しく下がります。そんな組織では働きたくないと思う人が増えると、メンバーはどんどん減ってしまいます。

だから、大変ではあるけれど、僕たちは、全ての意思決定と業務連絡をオープンにするように呼び掛けています。具体的には、仕事の進捗はすべてメーリングリストを通じて行うこと、何か問題があるときにはミーティングで、対立する相手がいるのならその人がいる場で意見を言うことを再三強調しています。


こういった組織作りについての学びをまとめたのが、Living in Peace Code of Conductです。
そこには次のように明記されています。



Leadership Code of Conduct

オープンであること
私たちはオープンな場で議論を行い、本人の前で行わない異議申し立ては禁止します。
私たちは全ての意思決定は公開の場で行うことにより、ポリティクスを排除し、偏った意見形成を行わないこととします。
私たちは意見の表出は建設的な提案として行い、反対意見がある場合は代替案を提示します。


多様性を尊重すること
私たちは組織発展の不可欠な要素として多様性が必要であることを深く認識し、多様な属性をもつ人の参加や多様な貢献の仕方を受け入れ、推進します。


前向きであること
私たちは出来ないことについて後ろ向きの言動を行わず、出来ることで最善のことを考え、実行します。
私たちは明るく・元気よく・楽しく、をモットーに行動します。


大志を持つこと
私たちは高い志を持ち、その実現に向けて地道な努力も厭わずに取り組みます。
私たちは初心を忘れることなく、原理原則にぶれることのない行動を取ります。


謙虚であること
私たちは相手を思いやり、敬う気持ちを持って他者と接します。
私たちは常に内省に努めることで、自分を客観視します。
私たちは好奇心を持って自らに不足する知識や経験の吸収に努めます。
私たちは自分の行動に誤りがあり、またはそれを指摘された場合には素直にそれを認め、速やかに訂正します。


仕事に責任を持つこと
私たちはLIPにおける自身の役割・仕事について責任感を持ち、最後までやり遂げます。


本業/学業を大切にすること
私たちは、本業/学業に重く価値をおき、そこにおいて秀でることができるよう最大限の努力をします。
私たちは、LIPの活動によって本業/学業を犠牲にしません。

パートタイム活動のコツ
本業とNPOとさらにいろいろあり、なかなか更新が出来ずにいてすみません。。

10月25日日曜日に、Living in Peace設立二周年のイベントがあるのですが、ファンド設立までの過程を通じて、パートタイムでもいろんなことが出来ることをお伝えしようと思っています。

いまプレゼンを作成中なのですが、何か知りたい点があったら教えてください! 必ずできるかはわかりませんが、カバーできるように努めます。






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◆Living in Peace 2nd Anniversary Special Event◆

マイクロファイナンスファンドが出来るまで × カンボジアへの応援リレートーク
― 誰にだって出来る、ちょっとした世界の変え方 ―

◆10/25(日) 14:30~@カンボジア料理レストラン『アンコール・ワット』(代々木)◆

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2007年10月28日、「貧困の終焉」(ジェフリー・サックス著)に影響を受けた
数人の若者が始めたLiving in Peace(LIP)の活動も、間もなく丸2年を迎えます。
2009年9月7日には、カンボジアのマイクロファイナンス機関CHCを支援する
日本初のマイクロファイナンスファンド『カンボジアONE』を、私たちLIPのファンド
企画パートナーのミュージックセキュリティーズ社から募集することができました。
この節目の時に、LIPを応援して下さる方や出資者の方、カンボジア支援に
関わっている方に向け、下記のイベントを企画しました。

第1部では、LIPがマイクロファイナンスの活動に集中してから1年間、
マイクロファイナンスフォーラムの開催から『カンボジアONE』の募集に至るまで、
どのような軌跡を経てきたのか、どのような困難が立ちはだかったのか、
今まで伝えきれなかった私たちの「これまで」と「これから」を詳しくお話しします。

一方で、私たちはマイクロファイナンスだけで全ての問題が解決するとは
考えていません。カンボジアには人身売買やHIV/AIDS、ストリートチルドレンや
栄養不良、教育機会の不足、人権侵害、法整備や社会インフラの不備等、
マイクロファイナンスだけでは及ばない多くの課題があります。
しかし幸いなことに、日本にはそれらの解決に向け取り組んでいる方がたくさん
いらっしゃいます。第2部では、それらの解決のために取り組んでいるNGO・NPOの方
から活動内容や思いを紹介していただきます。

『カンボジアONE』への投資では、カンボジアと3年以上お付き合いしていただくこと
になります。これまでカンボジアのことをよく知らなかった方も、この投資を通じて、
これからはカンボジアのことを『自分事』として見ていただきたいと思っています。
まずは日曜日の午後、美味しいカンボジア料理を楽しみながら、
そのきっかけをつくってみませんか。皆さまのご参加をお待ちしております。

*第2部で活動を紹介いただける方は是非ご連絡下さい。(各5分程度)
*出資者の方で、出資の動機や思いをご紹介いただける方も是非ご連絡下さい。
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【開催概要】

●日時 10/25(日) 14:30~(受付14:15~)
●会場 カンボジア料理レストラン『アンコール・ワット』
アクセス:http://r.tabelog.com/tokyo/A1304/A130403/13001035/
●内容
第1部:マイクロファイナンスファンドが出来るまで
― 誰にだって出来る、ちょっとした世界の変え方 ― 慎泰俊(Living in Peace代表)
第2部:カンボジアへの応援リレートーク
*適宜、歓談時間を設けます。

●定員 60名
●参加料 1,500円(ソフトドリンクと軽食をご用意いたします)
●参加申込方法
氏名(ふりがな)、所属、参加人数、本セミナーを知ったきっかけを
明記の上、以下のメールあて先にてお申込ください。

⇒lip@securite.jp

※定員に達した場合はお断りさせて頂く場合がございます。
あらかじめご了承ください。

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つれづれ
同時並行タスクが結構多くて、若干戸惑い気味の今日この頃です。 
さらに、LIPの二つのプロジェクトともにかなり盛り上がっています。。。! 

最近うれしかったのは、エクセルとかで作業をしながら、関数を打ち込むのと同じノリでささっと簡単なプログラムを書けるようになったこと。 なんか、ちょっとした魔法使い気分です^^。

近いうちに、プログラムで簡単な効用関数を持つ主体を何人か作ってみて、取引させてみたいんですよね。Sharpe先生がやっていたことなのですが、自分でやってみると、たくさんの知見がありそうです。

そんなマニアックなファイナンスの勉強会も、近々開催するので、もし興味のある方はご連絡ください。

ココ・アヴァン・シャネル
見てからだいぶ経ってしまいましたが、備忘録。
coco.jpg 母親を亡くし、父から捨てられ、孤児院に育ったシャネルが自らの衣服を立ち上げるまでの過程を描いています。 

この映画を見ていて、改めて感じるのは次の三点。


1.服装の本質は機能にある

映画に登場する女性たちの中では、シャネルの服装だけが現代です。 なぜシャネルだけが現代たり得たのかというと、彼女の服装に対する考え方の土台に機能性があったからだと思います。 無理に締め上げるコルセットや、動きが著しく制限される服装をシャネルは嫌いました。 

もちろん、機能性、という言葉の意味することは、時代によって変わります。旧来の階級社会においては、派手な服装はその地位を示すことでコミュニケーションのコストを下げるという効果があったのかもしれません。その意味で、ある時代までにおいては、従来の西洋の女性の服装は機能的といえたのでしょう。 

しかし、身分制度が徐々に失われつつある当時の社会において、過飾は桎梏となりつつありました。それにいち早く気づいたのがシャネルだったのだと思います。

ちなみに、男性のスーツスタイルはその時から今までほとんど変わっていません。 スーツはかなり機能的な服装らしいです。



2.働くことの意義

映画の中のシャネルは、働くことを望みます。周囲の女性が、そんなことを考えていない時代にです。シャネルは、働くことにこそ自立があると考えていたように思えます。 映画中では、シャネルのデザインする帽子や服が他人から受け入れられるにつれて、シャネルは誰にも依らずに生きていくスタイルを確立していくプロセスが描かれています。

働くということは、価値を創造するです。それは、他者から認められることをも意味するのだと思います。働くことの意味を、改めて考えさせられます。



3.自分の信条に忠実であること

デザインにおいても、働き方においても、シャネルは自分の考えることを貫き通しました。 周囲からは、奇妙奇天烈な人間と思われても、そんなことはお構いなし。 そんな彼女の姿を見ていると、周囲から変だとか思われることなんて、あまり大した問題ではないように思われてきます。 (もちろん、ただ単に「変であること」を志向するのは馬鹿げていますが)

時代を追いかける人間になるか、時代をつくる人間になるか。 どちらを選ぶのかは個々人の自由ですが、後者の人間にとっては、周囲の視線はどうでもよいものなのかもしれません。


映画中のシャネルはとっても輝いていて、かっこいいです。 どこかで見たことあるなー、と思ったら、アメリの俳優さんだったのですね。 ものづくりをしている人には、ぜひ見てもらいたい映画です。



Keep Walking
裸でも生きる2
裸でも生きる2 Keep Walking私は歩き続ける (講談社BIZ)

この人すごい!とたまたまyoutubeで情熱大陸を見たときから思っていた山口絵理子さんの新著、裸でも生きる2。この2年間のマザーハウスの軌跡が鮮やかに描かれています。台風の前日の午前2時から読んで、興奮してなかなか寝付けませんでした。

まず、何も前提知識のない人は、この情熱大陸を見て、出来れば「裸でも生きる」を先に読みましょう。



僕は「続編系の本は元の本を超えることができない」と考えていますし、多くの続編においてそれは事実なのだと思います。その理由は、続編は元の本の焼き直しで終わる場合が多く、最初の作品ほどのインパクトを人々に与えることができないからです。しかし、本書はちょっと例外でした。理由も、読んでいるとすぐに分かります。

前作を書いていた時から比べると、著者の成長が著しいのです。 元からすごいのですが、さらにすごくなっている。 多くのことを経験して、その一つ一つに対して常に深く考え、学んできたからなのだと思います。

本書では、ネパールで著者が経験した様々な出来事が描かれていますが、途上国で仕事をすることの大変さを改めて思い知らされます。こういう大変な状況でこそ、人の信条は試され、底が深くなっていくのでしょう。

著者は自分を普通の人だと語っています。 僕も、非凡と平凡の違いというのはそんなに大きなものではないと思います。 自分が決めたことを何があってもやりぬけるかどうか、本書のタイトル通り、Keep walkingできるかどうかが、分水嶺になるのでしょう。

自分の信じることをするべきか悩んでいる人や、人を信じられない人にお勧めです。清冽な感動を与えてくれるはずです。 迷ってばかりの僕も、歩き続けないと。

Living in Peace教育プロジェクトの活動開始
Living in Peace教育プロジェクトも、いよいよ実際に動き始めます。

これまで、勉強やディスカッションを色々としてきたのですが、案ずるより横山生むがやすし、ということで、三つのチームを作って、それぞれ試運転することにしました。チームの分離の仕方が完全なMECEではないので、かぶる部分については、お互い協力しながら進めていこうと思っています。


一つ目のチームは、児童養護施設に通う子供や、マイノリティ、障害を持った子供などを対象にした活動を考えていきます。施設と提携をして、子供たちのきっかけ作りを出来ることを目指したいです。個人的な問題意識は国内の子供の貧困にあり、一番大変な子供たちに出来ることをしたいと考えていたので、僕は全体を見ながらもこのチームに所属しています。

二つ目のチームは、もっと広い範囲の中高生を対象にして、彼・彼女らが学びに対してより意欲を高めていく仕組みを作るための活動を行います。Teach for America、カタリバ、Blast Beatといった団体と問題意識が近いので、これらの団体とも一緒に何かしていければと考えています。

三つ目のチームは、教育に携わっているNPOらとの提携していくための活動を考えていきます。現時点でも教育に関与しているNPOはたくさんあり、みんなが力を合わせたら、もっといろんなことができると思うんですよね。 ちょっとした意見の対立は、全体の方向感を合わせれば、克服できる気がしています。


平日はメールとスカイプでやりとりをして、毎週日曜日には全体会議をして、情報の共有と活動内容の修練を目指していこうと思います。

こちらはまだ始まったばかりですが、何人かの本気でやろうとしている仲間がいる限り、必ず形になっていくと思います。 これからが楽しみです。

今は自由に参加者を募っている状況なので、参加したい方はいつでも気軽にお声掛けください。
taejun.shin@gmail.comまで。

マイクロファイナンスプロジェクトのこれから
現在週末のうち、土曜日の夕方はLiving in Peaceのマイクロファイナンス会議、日曜日は教育プロジェクト会議で、土日両方を使っています。 休まないといけないときは休んでいるし、やりたいからやっているので、大して圧迫感はないのですが。


マイクロファイナンスプロジェクトは、次の段階を迎えようとしています。


イベントも目白押し。

11月15日の日曜日には、マイクロファイナンスフォーラム2009を行う予定です。 マイクロファイナンスの現状と将来を、私たちの今後とあわせてお知らせしていく予定です。 ファンドのプロジェクトでは、次から次へと新しい、クールなことが起こっています。 たぶんこの日には、会場の皆さんを驚かせる報告ができると思います。 現時点ですでに楽しみです。


10月25日には、単独のセミナーを行います。
これまで長い間、このファンドプロジェクトの舞台裏を詳細にお話しできなかったのですが、今回初めてお話しします。9ヶ月間は長いようで短かったのですが、いろんなことがありました。その出来事を、僕が60分くらいかけてお伝えします。

また、このセミナーでは、ずっと僕たちが話してきた、「ビジネスパーソンや学生でも、仲間とやる気さえあれば結構いろんなことができる」、ということを伝えられたらと思っています。


さらに11月1日、19日にも外部の講師を招いてセミナーをする予定。 

四六時中忙しい本業も、10月後半から佳境に入ります。全部気持ちよく乗り切ったら、また自分が一歩先に進めている気がします。

ガイ・カワサキのプレゼン
今日はあと80分後にLiving in Peaceの教育プロジェクトの勉強会なのですが、今日の勉強会で取り上げる、ガイ・カワサキ本人のプレゼンテーション。 



話す内容がすべて見事なストレートで、笑えます。 




就職希望者のつく10のうそ
今日ちょっと報告することになる、The Art of the Startにあった、就職志望者がよくつく10のうそ、を紹介します。 半分本気、半分冗談で書いたんだと思われますが、面白いのでご紹介。

うそ:ほかにも内定を三つもらっていますので、決定はどうかお早めに
→真実:他にも面接を三つ受けて、むげに断られたケースはまだありません

うそ:マイクロソフトとの戦略的提携を担当していました
→真実:ビル・ゲイツがサインした文書をファックスで受け取りました

うそ:今の会社にはたった数カ月いただけです。CEOが話したような会社ではなかったからです。
→真実:デューディリジェンスのやり方がわかりません

うそ:すぐに退屈するので、ひとつの会社に1年以上いたことがありません
→真実:一年たつと無能であることがばれます

うそ:以前の会社では上司と呼べる人がいませんでした
→真実:どの部署にも入れてもらえませんでした

うそ:身元照会者のほとんどは友人です。私のことを一番よくわかっているからです
→真実:これまで勤めたどの会社も身元照会者になってくれません

うそ:私が勤めた三つの会社をご存じないのは、三社とも「ステルスモード」で活動していたからです
→真実:どの会社も内部破綻してしまいました

うそ:会社をやめても、そこの人たちとはよい関係が続いています
→真実:解雇手当をもらう条件として、会社を誹謗中傷しない旨の契約を結ばされました

うそ:副社長ですが、部下はいません
→真実:うちの会社ではどんな能無しでも副社長になれます

うそ:少なくとも前の報酬の倍はもらいたい
→真実:前はもらいすぎていたので、いい仕事を得るためには報酬が減っても仕方ありません

ドラクエ的な特殊能力
ほかの誰も代用できないような素晴らしい特殊能力を持つキャラクターはとても重宝されます。 このあたりの感覚は、RPGのゲームで連れていく仲間選びにも似ていると思います。 

たとえばこんな感じ。


スーパーレビュアー
何かを作ったりするのかは苦手だが、出てきた情報の正しさを検証することにかけては右に出るものはいない。間違い探しが得意で、ミスが発生する可能性を大きく下げてくれる。


ヒューマンラバー
とにかく人間が大好きなので、すぐに他人と友達になれる。人間の観察力にすぐれ、交渉その他人間関係の調整において、多大な貢献をしてくれる。


計算式マスター
あらゆる種類の財務モデルを作ることが出来、プログラム作りや統計パッケージの利用もお手のもの。処理能力も高く、ひとりで大量の作業をこなすことができる。


スター段取りびと
実務能力が非常に高く、手続き等を非常に高い効率でこなすことができる。大きなプロジェクトのロジスティック管理や、日々のオペレーションの積み重ねなどで高い能力を発揮する。



こういうのをうまく使いこなした人生ゲームとか、流行らないのかなあ。

歴史哲学講義―2/2
(つづき。ちなみにこの記事は、先週末にストックしておいたものです。)

2.3.自由の実現体たる国家

世界史とは、ヘーゲルによれば、有限である認識しか持ちえない人間と、絶対的なものである一般理念との、無限なつながりによって構築されているものです。

限界を有する人間がもつ自己意識と、絶対的な一般理念の間の統一が国家です。この統一にこそ、共同体の真理が存在するとヘーゲルは考えました。

国家に存在するさまざまな規範や制度は、人々の有している共通精神を体現します。個々人は自らの認識の限界上、自らに存する共通精神を自己の中で認識することができませんが、国家を通じてそれを認識できるようになるとヘーゲルは考えました。「精神の現実性とは、人間の本質である理性的なものを対象として知ることであり、理性的なものが、客観的な、形のある存在として目の前にあることです。そのときはじめて人間は共同体を意識し、人とつながり、法と道徳にかなった国家生活を送ることになります。」

個人は共通精神の体現者である国家を通じて自由を所有し享受することになるのであり、国家は神の理念が地上に姿を現したものだとヘーゲルは考えたようです。だからと言って、彼が国家に対して無条件の称賛をしているわけではないようです。本書では、次のようなヘーゲルの言葉を見ることができます。

「個人や国家や世界支配の欠点を見つけることは、その真の内実を認識することよりも簡単です。」

これは組織や国家の性格を考える上で非常に重要な視点だと思います。組織は何らかの形で個人の権利を侵害する場合があります。これは非常に深刻な問題であり、解決をするべきものです。しかし、だからといって、組織の存在の意義や理念が存しないとは決して言えないのだと思います。



3.世界史の歩み

ここまで述べてきたように、ヘーゲルは世界の歩みを精神の自己克服の過程であると考えました。この克服は、自己否定を繰り返すものです。 自分を対象化し、自分のありかたを思考する精神が、一方で自分の限定されたありかたを破壊するとともに、他方で、精神の一般理念をとらえ、その原理に新たな定義を与えること、それが歴史の発展の過程です。

その段階として、最初には、自然のままに埋没した状態の精神があり、それが徐々に自由を限定的な形で認識し、ついには、普遍的な意味での自由を認識するに至ります。

本書は、このヘーゲルの歴史認識に基づき、精神の少年期である東洋、青年期であるギリシャ、壮年期であるローマ、老年期であるゲルマンと分けて記述を展開していきます。 

このあたりの記述においては、サイードの言うところの「オリエンタリズム」がかなり前面に出ている感があります。ヘーゲルは本書において、人間は時代を超えることができないと説いていますが、まさに本人がそれを示す形となっています。ヘーゲルほどの天才でさえこうなのですから、ある過去の人物を現代におけるものさしを用いて断ずることは、いかに容易なことでしょうか。



感想

国家の一部の側面をとりあげてそれを批判するのは簡単だとヘーゲルが話したように、そこに内在するオリエンタリズムを理由に本書を批判するのは容易です。しかし、本書から得られる洞察は非常に重要だと思います。

僕が本書から学んだ一番のことは、時代精神を意識するということです。 ある時代にはその根底を流れる精神が存在し、それは決して過去と断絶されているものではなく、自己否定を繰り返しながら連続しているものです。 ちょっとした出来事などでは変わらない時代の魂である時代精神について考え、そこから得られた知見に基づいてさまざまな事象に対する考察を行うことは、世相を理解するにおいて非常に重要なことであると改めて思いました。 

さらにヘーゲルの考察を敷衍すると、私たちの活動が真に歴史に残る意味のある事業となるかどうかは、自らの活動が時代精神を反映しているのかにかかっているのでしょう。ヘーゲルが話したように、情熱とともに活動する人々は自らが時代精神を代表していることを認識していませんし、出来ないのかもしれません。 それでも、自らの人生を賭けて行う活動を選ぶ時には、この時代精神を意識しようと思います。
マイクロファイナンスファンドの今後
Living in Peaceの恒例の勉強会は、今週の金曜日です。

今回のゲストは、ライフネット生命の岩瀬大輔さんです。 ちなみに、その次は11月1日、19日に開催されます。

まだ席に余りがありますので、興味のある方はご連絡ください^^。



日 時:   10月9日(金)19:00-20:30(受付18:30~)
会 場:   日本財団ビル-会議室A(赤坂)
        http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html
内 容:   第1部:岩瀬大輔氏×慎泰俊によるトークセッション第2部:参加者も交えたディスカッション
定 員:   100名
参加料:   1,000円
参加申込方法:氏名(ふりがな)、所属、参加人数、本セミナーを知ったきっかけを
       明記の上、以下のメールあて先にてお申込ください。
       =>lip@securite.jp
       定員に達した場合はお断りさせて頂く場合がございます。
       あらかじめご了承ください。

------------------------ (金曜日以降にこの上は削除します)


大和証券のマイクロファイナンスボンドの組成の担当者の方とランチミーティングして、色々とお話を伺いました。

思ったことは、マイクロファイナンス機関(MFI)そのものに投資するファンドを、法人相手にサイズをとってビジネスとして行うことの難しさ。 日本で法人投資家向けにファンドを組成するとしたら、年金基金から資金調達をするのが肝要ですが、海外の、しかもエマージングマーケットとなると、ハードルとなるリターンは非常に高い。 (トラックレコードが示すボラティリティの低さがあったとしても)


MFIは基本的に借り入れを通じて資金調達をします。金利は年率で10%前後で、国によって異なります。 (株式は、特定の利害関係にある人が持つことがほとんど。)

マイクロファイナンス機関への投資は基本的に相対で行われるので、一案件をこなすのにかなりコストがかかってしまう現状があります。このことが、投資資金のほとんどが大手のMFIに集中してしまう理由ともなっています。

こういったことを考えると、MFIへの投資におけるイノベーションの方向性は、一案件当たりのコストを抑えることに見つけられるのかもしれません。 1000万円から1億円くらいの投資において、精査、クロージング、その後のモニタリングのコストを、調達金額の1%以内に抑えられるのなら、投資のリターンにおいても、社会的意義においても、素晴らしい投資ファンドを組成することができるようになりそうです。


言うは易いのですが、なかなか難しい。誰かが、MFIのための資本市場を作ったら、少しは実現が近付くのかもしれません。 どうすればいいのか、たまに考えています。

歴史哲学講義―1/2
歴史哲学講義歴史哲学講義 (上) (岩波文庫)


ヘーゲルの実際の講義録を本にしたものとされる本書は、ヘーゲルの直接の著作ではなく、ヘーゲルの弟子たちによるものと言われています。講義録ということもあり、ヘーゲルの本の中では比較的分かりやすい分類に入る本書ですが、分かりやすさゆえに生じる誤解も少なくないそうです。

本書は200ページ弱の序論があり、本書のエッセンスはここにあるようです。その後は各国の歴史をヘーゲルの歴史観に基づき述べるという方針をとっています。


1.世界史の区切り方

ヘーゲルによると、世界史とされるものには、三種類があります。

第一が、単に事実そのままの歴史。あったことを、淡々と記述する歴史です。しかし、この方法によって事実のすべてを見渡すということは不可能です。さらに、「上にたってはじめて、ものごとを公平に満遍なく見渡せるのだから、下の小さい窓口から見上げているだけでは事実の全体はとらえることはできない」、とヘーゲルはコメントします。

第二が、反省を加えた歴史というものです。これには、通史や、実用的な歴史(歴史から何らかの教訓を見出そうとするもの)、批判を主眼とした歴史、個別的な分野を扱った歴史が含まれます。これら歴史の共通点は、単なる事実を記述するのではなく、その記述において著者の何らかの考えが反省されるという点にあります。

ヘーゲルのこれら歴史に対する批判、特に実用的な歴史に対する批判には瞠目する価値があります。それぞれの時代は、その時代に特有な、発展し続ける精神の体現でしかなく、一般精神が過去よりも発展した現代と過去を比較しても、それは全く違ったものの比較でしかなく、有用なものとはなりえない、とヘーゲルは喝破します。

「君主や政治家や民衆に向かって、歴史の経験に学ぶべきだ、と説く人はよくいますが、経験と歴史が教えてくれるのは、民衆や政府が歴史から何かを学ぶといったことは一度たりともなく、歴史から引き出された教訓に従って行動したことなどまったくない、ということです。
・・・ギリシャやローマをひきあいに出すという、史上にくりかえされ、フランス革命の際にもよく見られた試みほど、無意味なものはない。古代のギリシャ・ローマと近代人とはその性格がまったく異なるのです。」

そして、第三が、哲学的な歴史であり、本書の主眼となるものです。ヘーゲルは、歴史を考察する際には、その外面的な特徴を見るのでは十分でなく、ある事件や行為の内側にあってそれらを導く歴史の魂というものを考察しなければいけないと考えました。この魂とは、ヘーゲルによれば理性です。 ヘーゲルは、世界史とは自由を本質とする精神の絶え間ない自己実現の過程であると考えました。



2.歴史における理性とはなにか

2.1.精神の定義
ヘーゲルによれば、精神とは内部に中心をもち、自由を本質としています。彼は、歴史とは、精神が本来の自己を次第に正確に知っていく過程を叙述するものだと考えました。たとえば、東洋人(おそらく中国の古代史の時代を指しています)はひとりが自由だと知るだけであり、ギリシャとローマの世界は特定の人々が自由だと知り、ゲルマン人はすべての人間が人間それ自体として自由だと知っているとして、ヘーゲルは、時代の変遷とともに自由の概念がより本来あるべきものに近づいてきたと考えました。


2.2.自由を実現する手段
ここで、多くの場所で(しばしば文脈を無視され)紹介されるヘーゲルの名言が登場します。

「一個人が、現に自分がもち、またもちうるかもしれぬ全ての関心や目的を無視して、自分に内在する意思の血潮のすべてをある対象にそそぎこみ、この目的にむかってすべての欲望と力を集中させるとき、個人の全重量の込められたこの関心を情熱と名付けることができますが、そう名づけたとき、世の大事業は情熱なくしては成就されない、といわねばなりません。(下線は著者による傍点部)」

世界史を貫徹する精神の目的である自由は何によって達成されてきたのか、という問いに対するヘーゲルの答えは、「人々の情熱」でした。ある事業に全精力を傾けて没入し完遂していく人々は、自らが理性の導きによって行為していることを意識はしません。しかし理性は貫徹されている。このような、人々の目に見えぬ導きの糸として理性が存在するとヘーゲルは考えました。

この理念が貫徹される世界史において、大きく時代をドライブするのが偉人です。ヘーゲルによれば、「歴史上の偉人とは、自分のめざす特殊な目的が、世界精神の意思に合致するような実体的内容をもつ人のことです。偉人が英雄とよばれるのは、その目的や使命を、現存体制によって正当化されるような、安定した秩序のある事態の動きから汲み取るばかりでなく、内容が隠されて目に見える形をとらないような源泉からも汲みとってくる場合にかぎられます。」言い換えると、人々にとって認識されつつも体現されてこなかった理念を言語化し、それを貫徹し、時代の精神を、次の時代のものへと変革する人のことを、偉人と呼ぶのだとヘーゲルは考えました。

人々が偉人に共感し従っていくのは、偉人個人の性質がそうさせるのではなく、偉人の体現する一般理念が、とりもなおさず民衆自身から生み出されたものだからでしょう。人は自分の中から生み出されたものには従うものです。

このようにして、ある時代において、人々の中から生まれた理念は変革者の行動を通じて、既存の体制を打ち壊していくことになります。つまり、人は自分たちが生み出した理念によって、自分たちが過去に生み出した理念の対現物を打ち壊していくのです。 世界史とはこのような絶え間ない自己の克服の過程であり、ここにこそ、精神を有する人間とそれを有しない動植物との違いがあります。

(つづく)
児童養護施設訪問録
Living in Peaceの教育プロジェクトは地道に進行中で、今日はある養護施設に行ってきました。そこで学んだこと、感じたことを書き留めておこうと思います。

1.児童養護施設の変遷
2.今回訪問した養護施設について
3.子供たちの生活
4.財政と人員不足
5.出所後の子供たちの生活の苦しさ
6.自分たちができること



1.児童養護施設の変遷

児童養護施設の役割は時代とともに変遷してきた。昭和中期までは戦災孤児を養うのが主要な目的だった。昭和後期において自立に対する取組がとくに強調されるようになり、高校進学などが主な課題となるように。

平成に入ると児童虐待防止法も導入され、児童養護施設の役割は家庭内で虐待を受けた子供の内面と付き合うことになってきた。心理療法担当職員が6年前から入るようになり、最近では、家庭支援専門相談員も入るようになった。 

施設に対する全国的なガイドラインは非常にベーシックなもの。施設ごとにレベル感はまちまち。注力している分野も異なる。

日本全国の施設(570)全体のキャパシティが3万人なのに対し、虐待につての報告は全体で8万件(報告ベースなので実数はさらに多いと思われる)。結果的に、虐待の中でも重度のケースの子供が入ってくることが多い。 



2.今回訪問した養護施設について

この施設には、東京都に住む子供たちが来ている。財政的にも東京都の管轄下にある。東京都の子供が東京都の外にある施設に来るようになった背景には、地方の施設に入る子供の数が相対的に少なくなったのに対し、都市部では逆のことが起こっていることがある。

この施設の目的と使命は三つ。
①個人の意志の尊重
②社会的自立に向けた発達の援助
③養護の継続と自立支援

②について、職業指導ボランティアを行っている。子供が自立するための職業訓練等を行う人たちが多い。

この養護施設の子供のうち7割が、何らかの虐待を受けて育っている。身体的暴力(50%)、ネグレクト(40%)、性的虐待などがその内容。 日本全体として今一番増えているのがネグレクト。 これらは連鎖する。 暴力を受けて育ったこどもの3割は、大人になって子供に暴力を振るうようになるといわれている。



3.子供たちの生活

スケジュールに従って子供たちは行動する。このスケジュールは生活日課とは呼ばず、生活時間と呼んでいる。自由時間には、遊びにいく子供が多い。高校生には、アルバイトをすることを積極的に呼び掛けている。アルバイトを通じて職場体験すると同時に、この養護施設を出る前の貯蓄を促すため。(18歳を超えると、この施設を出ていかないといかない) 

入ってくる子供ごとに色合いが違うので、事前に心理テストをして、子供別にどういうアドバイスをすればいいか考えるようにしている。全体的に子供のためを考えて、可能なかぎり細かい気配りを出来るようにしている。

より少人数で、家庭と似たような感じで育てることを考えている。 なので、部屋には普通の家にあるように冷蔵庫、調理器具を準備している。 でないと、家庭を作るときに、大変な苦労をする。 たとえば、大食堂でしか食事をした経験がないと、普通の家庭の食卓での食事がどういうものか分からない。 家庭を知らない人が、結婚して家庭を作る、というのは大変なこと。

子供の入所の経緯のために、学校でトラブルが起こりやすい。暴力や盗みなど。そういうことを事前に見越して、養護施設としても学校にあらかじめ連絡をするようにしてみる。




4.財政と人員不足

子供一人に対し、年間150万円の措置費があるが、これは先進国では相対的に低い。たとえばイギリスでは1000万円相当が充てられている。これは、養護施設に通う子供たちが引け目を感じたりせず、大切にされているという感を持てるように(これが人格形成には非常に重要)、との趣旨からである。

児童養護施設の財政状況は非常に厳しい。職員の人件費については、学童(小学生以上)に対しては6人に1人、小学生未満4歳以上なら4人に一人、3歳以下なら2人に1人分として計算された分しか出ない。その比率で職員を雇うと、職員一人の負担が非常に大きくなる。行政が進学保証をしてくれれば、より可能性が広がる可能性がある。習い事の支援もできない。

夢を語るのが職員の仕事だが、この負担状況の中ではそれも難しい(一緒に生活をしている親が、なかなか子供に頻繁に夢を語るのが難しいのと似ているのかもしれない)。 なので、夢を語る、何か新しい視点を開く、という点については、外部の人が来てくれるととても助かる。



5.出所後の子供たちの生活の苦しさ

退所する子供は、家庭に戻ったり、自分で仕事をしはじめる。子供たちも生きるのに精一杯。20万円が卒施設時にもらえるが、それじゃ足りない。中卒・高卒が多く、生活水準は非常に苦しい。

中学生以上の子供は、政府のお金で塾に通うことができるにもかかわらず、大学に通う子供は全体の2,3割。大学進学するケースのほとんどは、親が学費を出してくれる場合。

子供達には、自分自身を否定的にとらえてしまい、諦めがちになってしまう心理的傾向がある。それが高校中退をしてしまう大きな理由の一つ。強い内面を育てるのが施設の課題。成功体験の積み重ねが重要だと考え、子供が何かできたときに積極的に褒めるように心がけている。

多くの感情の土台となるものに愛着がある。それが土台となって、さびしい、悲しい、などの感情が発達していく。施設に来る子供たちの中には、愛着という感情が足りない場合が多い。感情がゆがんでしまったり、諦めがちになってしまう。

子供たちが変わるためには、最低その育った環境と同じくらいの年月が必要。最初入ってくるときは緊張しているので「いい子」でいる場合が多いが、少し経つと地が出てくる。なので、事前にアセスメントをしていくことにより、子供たちの間での問題を少し下げることができる。




6.自分たちができること

一度関わったからには、これからも継続的に活動をしていこうと思い、約束をして帰ってきました。ちょうど自分が書いた本があるので、それを用いて子供たちに生きるために必要なファイナンス理論的な知恵を伝えようと思っています。何回かのセッションに分けて伝えていこうと考えています。

園の職員の人たちが話していたのは、きっかけ作り。子供たちが興味を持って熱中できることを見つけ、同時に人と人とのつながりを実感することができ、何かを成し遂げる成功体験を勝ち取っていくことができるのなら、それは生きる力につながります。きっかけを作るためのマッチングのシステムを全国に作っていくのは、一つの方向性なのかもしれないと感じました。

ただ、こういうミクロの問題も重要ですが、全国に3万人の子供がいる児童養護施設の現状は、システマティックな問題という側面があり、制度的な解決が達成されるための土台作りが非常に重要だと感じました。僕たちが何を出来るのか、すればよいのか、まだ見極められていませんが、日本においてほとんど注目をされていないこの問題について、より多くの人に認知してもらう活動は非常に重要だと感じています。

教育プロジェクトも、少し前に進んできた気がします。 これから、自分たちが何をすれば一番価値のある仕事ができるのか、これから地道に児童養護施設に通いながら、勉強しながら、考えていこうと思います。

貴重なきっかけをくださった、後藤さん、堀さん、そして職員のみなさん、有難うございました。



同窓会
朝からバタバタとあわただしく色々なことを終えたのちに、高校のクラスの同窓会。

2年生の時の担任の先生は数学の先生だったのですが、その先生に「お前の証明はたんなる数式の羅列であって、証明ではない」と言われ、大きなバッテンを付けられたのを、今も強烈に覚えています。 先生から受けた強烈なコメントは、最近になってやっとその意味を噛みしめるようになりました。 経済学をもう少し深い次元で勉強したり、プログラムを書いたりするためには数学の公理論的な論理展開がほんとうに大切なんですよね。 感謝の言葉を伝えたら、先生はとても喜んでいました。

小学校と高校の同級生である、唐紙とも久々の対面。ブログのある記事のことを色々と話しながら、中国の歴史の話で盛り上がり。 (そして周りの人が少し引いていた)

10年間が経っても、この仲間で会うときは時間が結構戻ってしまって、昔のことを色々と思い出します。自分たちがいつの間にか27、28になったという実感がなかなか湧かず、戸惑うばかり。

次の同窓会は、高校全体のもので、来年の5月にやる予定。幹事なので、そろそろはがきを書き始めないと。。



大和のマイクロファイナンスボンド
遅れてしまいましたが、大和証券のマイクロファイナンスボンドを発行したそうです!
http://www.daiwa-grp.jp/data/current/press-2603-attachment.pdf

PDFの情報を引用。

このたび、大和証券グループおよび国際金融公社は、国際金融公社のグローバル・ミディアム・
ターム・ノート・プログラムに基づく、同公社のマイクロファイナンス関連事業に必要な資金を調達す
るための債券(マイクロファイナンス・ボンド)の発行予定についてお知らせいたします。世界銀行グ
ループのメンバーである国際金融公社は、貧困削減と人々の生活水準向上に役立つことを使命と
して、経済開発に寄与する多様な方策を提供しています。



国際金融公社(International Finance Corporation)は世銀のメンバーで、主に開発途上国の私企業に対する投資、コンサルティング等を行っている団体です。今回のマイクロファイナンスボンドは、国際金融公社のマイクロファイナンス関連事業における資金調達であるということ。

「関連事業」の定義についは、今後のレポート等を通じて分かってくると思います。調達された資金のどの程度のお金が、現地のマイクロファイナンス機関に回ることになるのかは、多くの人が注目するところでしょう。


これはすごく喜ばしいことだと思っています。大和のような大手証券がマイクロファイナンス関連商品を取り扱うことにより、日本国内におけるマイクロファイナンスの知名度が高まればいいと思います。

LIPが取り組んでいるファンドの活動とかぶるのでは、という意見も聞きましたが、個人的にはあまり競合することはないのかな、と感じています。 大きく違いは2点あります。

1.投資対象の違い。マイクロファイナンスボンドの投資対象は、マイクロファイナンス機関ではなく、それに間接的に投資等を行う資金調達です。 これに対して、LIP×MSのファンドは現地で実際にマイクロファイナンス事業を行っている金融機関への直接の投資です。 イメージとしては、IT系の企業に投資する投資ファンドに出資するのと、一つの(自分がいいと思う)IT企業に投資するのの違い、というと分かりやすいのでしょうか。

2.投資規模の違い。私たちのファンドはとても小規模です。この理由の一つには、マイクロファイナンス投資において、大規模のマイクロファイナンス機関にはお金がたくさん集まる一方で、中小規模のマイクロファイナンス機関にはなかなか集まらないという現状があります。小さいながらも地道に活動を行っている金融機関を支援するというのが私たちの趣旨で、今回のマイクロファイナンスボンドのような大規模の資金調達とは少し色合いが違うのだと思います。

今度担当の方ともお会いできるので、お話しできるのが楽しみです^^。


男の服装術
ある日、服装を指摘されたときに購入して、もう何回も読んでいる本。

Hukuso.jpg[新版]男の服装術 スーツの着こなしから靴の手入れまで

スーツが仕事着の人は多いと思いますが、服装の基本がわからないという全ての方にお勧めできる良書です。

本書の言うとおりの服や靴を買っていたら、僕を含む多くの人が破産すると思いますが、本書から学ぶべきポイントはそこではありません。

本書から学ぶべきことは、スーツスタイルの基本原則です。本書の説くスタイルをとりあえず実践すれば、大失敗はしなくなります。(そして、ある程度基本を忠実に守れるようになってから個性に走れば良い)。

その鉄則は、例えばこういうものです。

・スーツの袖とシャツの白い部分はちょうど1インチシャツが出るようにする
・スーツの袖に名前を入れるのは下品(半袖シャツはスーツスタイルとしては論外)
・ネクタイは大剣がベルトのバックル部分に来るようにする
・お金がない場合には、まず靴にお金をかける
・ストライプのネクタイは避けるのが無難。 ドットのネクタイが正解
・決して足の地肌を見せてはいけない(そうなるのなら、ズボンの丈が間違えている)

(ちなみに僕がいま明らかに違反しているのはリュックサックのみです。)


スーツをびしっと決めたいけれど、何から手をつければよいのか分からない場合に、読んでみるといいかもしれません。

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