Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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Macデビュー
ついにiMacを購入!

アップルストアでいろいろと悩みました。ウィンドウズをかなり使い込んできたので、乗り換えには結構コストがかかるんですよね。。 それでも、買う前に考えたことは、買わずに後悔するのなら、買ってみて後悔した方がよい、ということ。人生の方針でもあるのですが、「やってみればよかった」とい後悔するのはなるべく少なくしたいです。

ウィンドウズはエクセル専用で残す予定です(MacのOfficeだと、VBAが使えないのがどうしても厳しいです)。
画面二つを並べると、すごい迫力です(真ん中にある缶ビール参照)。
1350675413_190.jpg


初日はかなり不便を感じましたが、本を買って勉強するうちに結構なれてきました。さらに、Macにしかないかっこいい/便利な機能もたくさんあって、一気にMacが好きになりそうです。

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Black-Litterman型最適化とグローバルアルファ-2
そういえば、久々のガチンコファイナンスネタ。


数週間に一度のペースで、ファイナンス理論勉強会をしています。今日は記念すべき第一回でした。
次回は、12月13日の夕方です。参加は自由ですが、唯一の参加要件は、論文を読んでくることです。(次回はこれ。)
http://faculty.chicagobooth.edu/john.cochrane/research/papers/Campbell_Cochrane_By_Force_of_Habit_(JPE).pdf


前回のエントリーからかなり時間が経ってしまいましたが、Black-Littermanの最適化について。

前回のエントリーでは、何の制約もおかずに過去の実績値その他の方法で設定したリスクとリターン等をもとにした最小分散ポートフォリオの構成比率は、かなりいびつなものになってしまうことを書きました。 たとえば、日本株+300%、アメリカ株-200%のような、投資比率が、何の制約もなしに最適化計算を行うと普通に計算結果として出てきます。

いびつな解は、リスクとリターンの設定によるものですが、この設定が問題です。リスクとリターンを任意に理屈なしに任意に設定するのは、ロジカルではなく、運用の方法として適切ではないでしょう。

そこでBlackとLittermanが考えた出発点は、マーケットポートフォリオでした。各アセットクラスの時価総額で加重平均したポートフォリオを均衡ポートフォリオと考え、そこから逆算する形で分散共分散行列を求めたわけです。

ただ、これだけでは単なる市場の後追いに過ぎず、超過リターンを得るためにはさらに一工夫が必要です。具体的には、各アセットクラスに対する(他の投資家とは異なる)シナリオ予測を織りこんでいきたいわけです。

この予測をどのようにして織り込むか、がこのBlack-Littermanモデルの肝です。
その予測を織りこんだ投資比率は、次のように表現されます。(最適化計算の後の解析解です)

W* = Weq + P’([Ω + PΣP’] ^-1) [Q/δ - PΣWeq]

ここで、
W* :予測織り込み後の投資比率
Weq:均衡点における投資比率
P:予測リターンのマトリックス
Ω:予測分散共分散行列
Σ:均衡分散共分散行列
δ:リスク回避係数

です。
(本当はもう一つ調整項のτが入り、今日のEquilibristaさんの発表で取扱われたのですが、本質をもう少し鮮明にするために捨象しています)


第二項の([Ω + PΣP’] -1) [Q/δ - PΣWeq]は、将来に対するView(これをこのエントリーでは「予測」と訳しています)を投資比率に織り込む際のウェイトになっています。

このウェイトの中身をもう少し分解してみましょう。


まず、
[Ω + PΣP’]

は、予測を織りこんだリスクになっています。具体的には、第一項が予測分散共分散行列であり、第二項が予測ベース投資比率と均衡分散共分散行列に基づいたポートフォリオのリスクになっています。


次に、
[Q/δ - PΣWeq]
は、超過リターンの形になっています。第一項が予測に基づくリターンであり、第二項がベータ調整分です。(PΣWeqが予測リターンと均衡リターンとの間の共分散をつくるわけですが、共分散こそがベータの本質です。)

すなわち、予測を投資比率に組み込む場合には、その予測に基づくリスクに対する超過リターンでウェイトをとる、というのが、このポートフォリオ設計のポイントになります。

ここで、δは、あらかじめ天下り式に決定していおいて、予測リターンと分散共分散行列はマーケットから入手できる何かの数値から自動的に計算できるようにしておけば、グローバルに最適化したポートフォリオが再現可能になります。別にむずかしい統計パッケージがなくても、誰でもエクセルとネット上の情報を使って計算することが可能です。

こういった「決め」とそれに基づいた計算は難しいことではなく、このモデルの素晴らしいところは、将来に対するViewをアセットアロケーションに応用するための手続きを示した点にあると思います。

もちろん、均衡モデルに個々人の予測を含めるというのは、代表的投資家の存在との兼ね合いで矛盾を作りだしてしまうという気味の悪さがあります。ですが、将来に対する予測というアートの側面と、その予測を実際の投資比率に織り込むための手続きというサイエンスが合体している訳で、読んでいてとてもワクワクしました。 

やっぱりファイナンス理論の勉強は楽しいです。


ファンドにお金が集まりました。
カンボジアのマイクロファイナンス機関へ投資をするカンボジア・ワン、無事に最低金額を達成して、投資が現実のものとなります。 いろんな人のお蔭で、ここまでこれて、すごくうれしいです。

これから先、3年間長い時間となりますが、モニタリングとスタディツアーその他企画をしっかりとやっていこうと思います。

少子化はあまり進んでいない?
Isologueを読んでエントリー。


(訂正:よくよく考えてみると、トピックの趣旨が全然違うし、言及する必要も別にないことに気づきました。よって、引用箇所はすべて削除。指摘してくださったkaramoraさん、有難うございました。)


最近は、Living in Peaceの教育プロジェクトとも関係して子供のデータを集めているのですが、たとえば、総務省の統計局のデータから人口比率を作ると、こうなります。

少子化

少子化といわれるとき、その問題の主なものは、社会を運営していくための労働力人口の相対的低下にあると思うので、絶対数で見るよりは、比率で見た方が適切だと思います。

このグラフで言うと、未成年の人口に占める比率は
1990年:26.36%
1995年:22.78%
2000年:20.49%
2005年:18.93%

と推移してきていますし、絶対数では1990年の32,579千人から、2005年には24,089人まで落ち込んでいます(26%減少)


また、小学生に近い5歳から14歳までの子供についていうと、その推移は
1990年:12.97%
1995年:11.17%
2000年:9.92%
2005年:9.38%

であり、絶対数では1990年の16,034千人から、2005年には11,943人まで落ち込んでいます(これまた同じく26%ダウン)

かといって、ときどき書いているように、多子化が好ましいのかというと、よく分からないです。種として持続可能になるためには、緩やかに人類の数がある程度減っていった方がよいと思うんですよね。ドラスティックな変化を望まないのなら、少子化というのは唯一の選択肢なのかもしれません。





短絡化する思考?
twitterをはじめてブログのエントリーが減った人は少なくないと思うのですが、それだけだと非常に危ない気がする今日この頃です。

文字を140字に絞るのは悪くないのですが、そればかりをやっていると、いよいよ自らの思考が短絡化していってしまう。 真実というのは微妙なものなので、言葉とロジックを尽くしても一種の後味の悪さが残るものなのに、140字でつぶやき、なんとなく言葉にしていくと、結局言い表さんとしている定かならぬものたちを最後までとらえることができなくなってしまうのではないかと、時々感じるようになりました。

別に事象はtwitterに限ったことではなく、いろんな事がスピードアップしている現代社会では、ペースの遅いタイプの思考をする機会がどんどん失われている気がします。 立ち止まって、数日数週間数か月とじっくり考えてこそわかってくることは必ずあるはずなのに、それを見つにくくなってしまうのは、非常に残念なことだし、もしかしたら社会のバランスを崩すことにもつながりかねないのかもしれません。

とか書きながら、僕自身も最近とても忙しくて(平日合計で10時間くらいしか寝ていないかも)、思考が短絡化している可能性が大いにあります。 意識的に、ギアを落としてみようと思います。





示談金のやり取りの顛末
もらった慰謝料1万円の手紙を見て、さっそくメール。

次の日、保険会社から電話が。
最初は、通院日数が1日なので、1日分しか払えないと話していたのですが、

・アバラは通院してもどうなるものではない
・同じ怪我にあっても通院日数で慰謝料が変わるのはおかしい
・診断書ベースで通院日数を推定したケースがある

といったことを早口でまくしたて(最近は仕事が超絶忙しいのです)、もうミーティングがあるから明日電話してください、と電話終了。


次の日、電話がきて、全治1か月から逆算して14日を通院日数とみなす、と提案を受けました。
別にたかりをしたいわけでなく、フェアなプライシングを求めていたので、提案に合意、無事示談は終了しそうです。


マイクロファイナンスフォーラムは明後日です。
Living in Peaceのみんな、一生懸命準備しています。

あと少し席が残っているので、お時間のある方はぜひお越しください!
http://www.living-in-peace.org/Study/











慰謝料のプライシング
前に遭った交通事故。 アバラが軽く折れ、1ヶ月くらい痛んだのですが、忙しくてずっと病院に行っていませんでした。 しかも、アバラなんて、病院に行ったところで良くなるわけでもなし、じっとしているしか治療法がないわけですし。


そうしたら、損保会社から手続きの要請がきて、慰謝料を書いた書類が。

なんと、慰謝料提示額が1万円。

確かに慰謝料が通院日数で決まるとはいえ、こりゃないだろー、と思ったりもします。
プライシングの要領を詰めて、ちょっと色々と話を聞いてみようかな、と思っています。(ああ、嫌なクレーマーだ。。)

This is it!
今年の映画には、個人に焦点をあてたよい映画が多い気がします。 ゲバラ、シャネル、そして、マイケル・ジャクソン。

音楽好きは、絶対に観た方がいいです。 This is it.
Thisisit.jpg これを見て、自分がマイケルジャクソンのライヴを一度も見ることができなかったのを激しく後悔しました。

映画なのに、グルーヴが半端じゃないです。 見ながら体を動かさずにいられないくらい。 映画の途中でスタンディングオベーションしそうになった映画はこれが初めてです。

グルーヴは、多くの場合は音楽や歌などの音から生まれるのだと僕は思っていました。 もちろん、体の動きも重要なのですが、それはあくまでもグルーヴの土台のようなものであって前面に出てくるものではないと考えていたんですね。 でも、この映画を見て、ダンスがグルーブにどんなに強い影響を与えるのかを思い知りました。

音がドンピシャのタイミングではまり込むことを、「ポケットに入る」、と表現する場合があります。 楽器と歌のみんながポケットに入っただけでも鳥肌が立つのですが、マイケルジャクソンの舞台では、人の体の動きまでが、このポケットに入っているんですね。 音と完璧に一致しているマイケルをみて、まさにグルーヴのThis is itを見た思いがしました。


マイケルジャクソンの舞台裏もこの映画では流れるのですが、すごくいい人なんですね。皆がマイケルを慕っている理由もよくわかる気がしました。

誰かに何か意見や忠告めいたことを言った後に、This is my loveと話すのは映画でか見たことのない表現だったのですが(てか、これもドキュメンタリーとはいうものの映画なのですが)、マイケルが言っているのをみて、ぜひ自分も使ってみようと思いました。


というわけで、音楽好きの皆さん、見ないと後悔しますよ。 ぜひぜひ見てください! This is my love.

iPhone購入
This is it(感想は後日)の待ち時間、銀座のアップルストアでiPhone購入。 1時間の待ち時間だったので、時間ぎりぎりでしたが、無事映画前に手続きを終えることができました。

使っていて気付くのですが、これ、、すごいですね。
情報の発信には正直不便ですが、情報を得るツールとしては素晴らしいです。
今後、ブログとかウェブ上の記事とかは、iPhoneで見ることになると思います。
Steve Jobsは、一緒に働くのは厳しいかもしれませんが、本当に偉大な人だということを再度実感。


もう少しカスタマイズして、音楽などの機能を少し切り捨てたら、開発途上国の村一つに配ることですごいことができるようになる気がします。 技術のよいところは、その移転にコストがかかりにくいこと。 特に情報関連の技術については、ほとんど移転にコストがかからない。

アップルがこういう分野に興味を持っているのかはわかりませんが、いつか仕事をご一緒できればいいなあ、と思います。
マイクロファイナンスフォーラム2009
(業務連絡:今年発売のimidas(イミダス)の100~101ページに、マイクロファイナンスのことを書いています。よかったら見てみてください。)


今年もマイクロファイナンスフォーラムの季節です。
11月15日14時半から、JICA東京で行います。

去年は、とにかくやってみよう、で始めたフォーラムだったのですが、今年は、自分たちのこの一年間の成果を伝えられるフォーラムになると思います。 来年からはもっとワクワクすることが起こるのですが、その次回予告も兼ねています。


こういう人にお勧めです。
・マイクロファイナンスに興味がある
・マイクロファイナンス投資の突っ込んだ話が知りたい
・会社員・学生NPOがどこまで出来るのか知りたい
・経済開発に興味がある
・SRIに興味がある
・新しい投資対象を探している


去年は、僕のギャグに監査はつかなかったですが、今年は厳重なレビューが入るのかもしれません。



●参加申込方法
氏名(ふりがな)、所属、参加人数、本セミナーを知ったきっかけを
明記の上、以下のメールあて先にてお申込ください。
lip@securite.jp
※定員に達した場合はお断りさせて頂く場合がございます。





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆LIPマイクロファイナンスフォーラム2009◆
マイクロファイナンスの新地平II-貧困削減のための投資
◆11/15(日) 14:30~18:00@JICA東京◆
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『日本発のマイクロファイナンスファンドを』
前回LIPが開催したマイクロファイナンスフォーラムで皆様に呼びかけてから早一年。
今年9月にはLIPが業務提携するミュージックセキュリティーズ社が、日本国内初の
マイクロファイナンスファンド「カンボジアONE」の募集を開始しました。

この1年、日本でもマイクロファイナンスへの関心は高まり、グラミン銀行やBRACと
いった大手のマイクロファイナンス機関(MFI)のトップの方の話を聞ける機会は増えて
きました。しかし、世界に1400以上あるMFIですが、皆さんはいくつ知っていますか?

今回のフォーラムでは、日本にいてはほとんど知ることのない、マイクロファイナンスの
現場で実務に携わる方お二人を海外からお招きしました。
CHCというまだ小さく新しいカンボジアのMFIの取り組みの様子、
また世界で最も有名になったMFIであるグラミン銀行が、自国内だけでなく世界の
貧困削減のために始めたマイクロファイナンス投資の動きをお話いただきます。

もちろん、私たちのファンドの裏側-投資スキーム、契約書、デューデリジェンス、
ファンド組成までの苦難の数々(!)-もたっぷりお話します。

普段は聞くことができない現場で働く方の思いや生の声を聞きながら、
マイクロファイナンスの意義、なぜマイクロファイナンスへの投資が必要なのか、
どのようなMFIへの投資が求められているのか、私たちに何ができるのか、
を改めて一緒に考えてみませんか。

このとても貴重な機会に、多くの皆さまのご参加をお待ちしています。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【開催概要】
●日時:2009/11/15(日曜日)14:30~18:00(受付13:50~)
●場所:JICA東京 講堂
アクセス:http://www.jica.go.jp/tokyo/office/about.html#map
●定員:300人
●参加費:3000円(学生2000円)
●参加申込方法
氏名(ふりがな)、所属、参加人数、本セミナーを知ったきっかけを
明記の上、以下のメールあて先にてお申込ください。
⇒lip@securite.jp
※定員に達した場合はお断りさせて頂く場合がございます。
あらかじめご了承ください。

●内容(適宜通訳あり)
◆挨拶、LIPの紹介 ― 慎泰俊 (LIP代表)
◆第1部:マイクロファイナンスの現場から 14:30~16:00
1.マイクロファイナンスの概要 ― Living in Peace
2.マイクロファイナンス実務の現場から
― Kuy Sengmoeurn (CHC Limited, Operation Manager)
3.対談・Q&Aセッション ― Kuy Sengmoeurn & 慎泰俊

◆第2部:マイクロファイナンス投資 16:20~18:00
1.マイクロファイナンス投資の概要 ― 福井龍 (世界銀行,TDLCマネージャー)
2.「カンボジアONE」が出来るまで ― 慎泰俊 (LIP代表)
3.貧困削減のためのマイクロファイナンス投資
― Christopher Tan (グラミン財団, フィリピン駐在員)
4.対談・Q&Aセッション
― Christopher Tan & ミュージックセキュリティーズ & 福井龍 & 慎泰俊

◆懇親会(無料):18:00~19:30 場所:同施設別会場

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●CHC(本年11月より「サミック」に名称変更)について
CHCは2005年9月にマイクロファイナンス機関としての認可を受け、
現在、9つの支店で1万人以上に金融サービスを提供しています。
カンボジアにある18のマイクロファイナンス機関のなかでは11番目と中規模ですが、
2005年から2008年の間に、売上高は8倍、純利益は30倍以上に成長しています。
詳細はこちら:http://www.chcmfi.com/

●グラミン財団について
貧困層向けに無担保・低金利の事業融資(マイクロクレジット)を実施する
「グラミン銀行」を創設し、2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス
(Muhammad Yunus)氏がスタートさせた財団。
詳細はこちら:http://www.grameenfoundation.org/

●主催:特定非営利活動法人Living in Peace  http://www.living-in-peace.org/
貧困削減のための活動を行うために設立された特定非営利活動法人。
メンバーは20-30代の金融機関・コンサルティング会社勤務者が半分以上を占め、
世界の貧困問題に関する勉強会やフォーラムの開催のほか、
少額の金融サービスを貧困層に提供し、自立する機会を提供する
マイクロファイナンスについての支援を行っている。
現在日本初となる途上国のマイクロファイナンス機関を支援するファンドが
ミュージックセキュリティーズ株式会社(第二種金融商品取引業関東財務局長
(金商)第1791号)より売出中。

●注意事項
※第2種金融商品取引業者の登録のないLIPは、
金融商品の勧誘、募集等の行為は一切行っておりません。
ヒーローに会う
有名人と出会ったネタは書かないと言っていたものの、これだけは別。


Living in Peaceの活動を始めるようになったきっかけは、「貧困の終焉」でした。この本を読んで感動した僕は、行動の必要を感じ、ブログその他で一緒にやる人を探し、小さな勉強会からスタートしたのでした。

「貧困の終焉」の著者は、ジェフリー・サックス教授。コロンビア大学で教鞭をとる傍ら、世界中を奔走し、2025年までに極度の貧困をなくすというミレニアム開発目標の実現のために世界中を飛び回っています。

そんなサックス教授の来日中の超ハードスケジュールの中、時間を取って頂き、少しお話&LIPへの6分強のビデオメッセージを頂きました。 (このビデオメッセージは、11月15日のマイクロファイナンスフォーラムで流す予定です)


ビデオメッセージを頂いた後に、「絶望することはないですか、もしあるとしたら、その時どうしていますか」と質問。


フラストレーションを感じることはある。
そういう時は、散歩して、新鮮な空気を吸うようにしている。

そして、考え直してみると、自分たちが確実に前に進んでいることに気付く。私たちに出来ることはたくさんあるし、私たちに絶望する権利はない。

冷笑は何の答えももたらさない。私たちがすることは、答えをもたらすものであるべき。そのためにベストを尽くしたい。

君のような人々がいて、こういう素晴らしいアクションをしていることを思い出す。そういったことが、私にまた確信を与えてくれる。



なんか、最近身の周りで起こるいろんな出来事が、自分に語りかけている気がします。

やるべきことをやっていたら、自分のヒーロー・ヒロインに会えるのだと思います。でも、会うだけではまだ始まりにすぎない。一緒に仕事ができるように、これからも頑張ります。


マラリアを撲滅する蚊帳
今回のLiving in Peaceの勉強会には、住友化学の水野達男さんにお越しいただき、マラリアを撲滅するための蚊帳、オリセットネットのお話を伺いました。とても興味深かったので、下記にまとめておきます。



マラリアは、地球で最も多くの人を殺している病気の一つです。年間3億人以上が感染し、100万人が死亡していますが、そのうち90万人以上は体力の低い5歳未満です。また、罹患する患者の90パーセントはアフリカに住んでいます。

発熱や頭痛がそのおもな症状(中国の歴史小説によく出てくる瘧(おこり)もマラリアです)で、かかった人は仕事に出れないため、貧しい人の収入にとって大打撃となります。さらに、治っても時間がたつとまた罹る病気であり、開発途上国において人びとが貧困から抜け出すための大きな障害の一つとなっています。ある調査によると、マラリアによるアフリカの経済損失はGDP換算で年間に1兆2千億円とも言われています。

感染症の8割は蚊によるものだと言われていますが、マラリアも同じです。マラリアは、ハマダラカという蚊に刺されることにより感染します。蚊は水たまりさえあれば、1週間で卵から成虫になるので、雨季にはものすごいスピードで蚊が繁殖します。ケニアの調査では人は何もせずに1日寝ると、110回蚊に刺されるそうです。そのうち7~8%はマラリアのウィルスを有しています。



R0014978.jpgオリセットネットは、マラリア撲滅のために住友化学が開発した蚊帳です。マラリアを媒介するハマダラカは夜行性のため、蚊帳は強力な予防手段となります。

網には防虫剤が漬け込まれていて、蚊はこの蚊帳に触れると数分以内に死にます。殺虫剤は、除虫菊を用いた天然のものがベースになっていて、昆虫には効きますが、人間に対する有害性はありません。また、ネットに成分が織り込まれているため、蚊帳を洗っても成分は無くならず、防虫効果は5年間持続するといわれています。

このオリセットネットを集中的に配布した地域では、マラリアの感染率は元の50%から10%にまで低下したそうです。


この蚊帳は現地において生産されています。マラリアの撲滅と雇用の創出の二つを一緒に行っているわけです。第一号の工場は、タンザニアのアルーシャにつくられました。第1号、第2号工場二つの生産能力は1年当たり1500万張です。2009年3月における、世界全体のオリセットネット生産力は3,800万張ですが、2009年の12月には5,200万張、2010年末には6,000万張になる見込みだそうです。


R0014977.jpgアフリカでは生活習慣として、仕事をして貯蓄をする文化があまり根付いていないため、工場経営において大変なことは多いそうです。一夫多妻制の国においては、子育てをしないといけない母親には働き者が多いですが、男性には怠けものが多く、工場の悩みになっているそうです。生産が今後拡大していくためには、工場で働く人々への教育が不可欠だと考えられています。

マラリアはミレニアム開発目標の中でもっともゴールに近い分野の一つです。その理由は、目的を達成するための手段が明確だからです。今、住友化学は、2億5千万張のオリセットネットを世界に配ることを目標としています。 


住友化学は営利目的でこれを行っています。これは事業が持続可能なものとするためには非常に重要なことです。 BOP(Bottom of the Pyramid、1日5ドル以下で生活している40億人の人々のこと)ビジネスにおいて成功するために必要なものは、品質、低価格、Availabilityです。

品質は効果的であり、必要最低限の機能が備わったシンプルなものである必要があります。開発途上国で瞬く間に浸透しているシンプルな携帯電話はこの典型です。

価格については、現在5ドルのものを3.5ドルにするようにしています。現地調達のシステムを作ることが重要な鍵となります。現在は、オリセットネットの原料の一部は日本から調達されていますが、これを完全に現地化することを目指しています。

ちなみに、一つの蚊帳を売るまでのコストは10ドルとされています。そのうち、蚊帳代が5ドル、物流が2ドル、そしてマラリアの教育が3ドル(マラリアの原因が蚊だと知っている人は、アフリカにはまだ4割しかいないそうです)。


実際に製品を手に取ってもらうためのマーケティングも非常に重要です。販売網の仕組みは非常に重要です。現在、住友化学は病院の隣にオリセットネット販売店を設けるようにしています。病院に行って、蚊帳の必要性を感じても、人はすぐにそれを忘れてしまうからだそうです。



話を聞いていて、改めて日本のものづくりの素晴らしさと技術の偉大さを感じました。 素晴らしい技術は、営利を達成するとともに、経済開発を推進する大きな力となりえます。 僕たちも、こういったイノベーションを作りたいといつも思っています。


V字回復の経営
僕はいわゆる「ビジネス書」はあまり読まないのですが、知人が絶賛していたので読んでみました。


V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)


会社によく見られる問題点と、そのおもな原因を分析し、改革につなげるための方法を著したものです。


本書で説かれている経営についての考え方は、全般的にはアメリカで洗練されてきた経営手法を批判的に再構成したものとなっていて、日本で組織を運営している人の多くが共感できるものとなっていると思います。

本書の基本内容は次の三つに分けることができます。

・組織論
・戦略論
・変革論

二つ目までは、経営学の本を読んだことがある人にとっては、聞き覚えのある内容が少なくないと思います。組織内部での分断を防ぎ、部門間の有機的な結合を目指すことや、競合関係その他に基づいて、自社の適切な勝負どころを抑えていくこと、などです。

正直なところを言うと、この二点目までについて言えば、本書に特別な価値はないと感じました。物語ベースで話が展開されるので、中途半端に教科書的な説明になっているため、組織論・戦略論について学ぶには本書の記述は冗長だと感じます。戦略論や組織論については、教科書を一冊読めばもっとすっと入ってくると個人的には思います。(僕のお勧めは、日経新聞社から出ている経営学入門)


しかし、三点目の変革のためのチーム作りと行動の仕方については、著者が自らとその仲間たちとの経験に基づいて書いているために、他者には書けないものとなっています。この変革論において、本書の無二の価値があるのだと思います。本書には、改革のための50の要諦がまとめられています。

組織の変革というのは、ある意味で革命であり、その実現のためには多くの抵抗勢力と闘っていかなければなりません。著者は、自らの経験に基づいて、改革の際に生じる人々の反応をいくつかにタイプ分けして、それぞれのタイプへの対応策も論じています。抵抗勢力との闘いは、時には食うか食われるかの熾烈なものであり、改革をやりぬくためには論理と情熱と気合が必要不可欠です。改革へのマインドと行動は、適切な人事(例えば、改革案の立案者を実行者にさせるなど)によりさらに強いものとなりえます。

たまたま本書の舞台は組織の大改革ですが、本書で説かれているポイントは、日常のちょっとした改革においても十分に役立てられるものだと思います。

自分がターンアラウンドの実行者となったときには、もう一度読みたいと思う本でした。

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