Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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年末の報告と新年の抱負
IMGP7338.jpg年末だからといって何かが変わるということもないのですが、時間はゆっくり流れているので、ずっとできずにいた児童養護施設の原稿執筆をしに自宅にこもっています。

今年から、出口社長の影響を受けて年末報告メールを書くことにしました。少し気恥ずかしくはあるのですが、自分を追い込むためにも。この場をお借りして、今年一年の報告と来年の抱負をお伝えさせて頂ければと思います。

普段お世話になっている方々に一通ずつメールを送っていたのですが、これがかなりの時間を要する作業だった。。 ブログにも一部内容を修正して掲載しようと思います。


■本業について
2010年6月末でモルガン・スタンレー・キャピタルを退職し7月1日からPEファンドで働きはじめました。ブログの昔からの読者の方はご存知かもしれないですが、私はこの仕事がしたくて金融の世界に入りました。思い立ってから5年を経てついに辿りつき、いよいよここからが本番です。金融と経営の高次元の能力が必要とされる仕事ですが、必死で勉強して数年のうちに業界のトッププレーヤーになろうと思います。2011年には自分が主導して案件を一つ以上つくります。


■NPOの活動について
自らが代表を務めているLiving in Peaceでは、貧困層に融資等を行うマイクロファイナンス(MF)機関への投資ファンドの企画をしています。2010年には、カンボジアに続きベトナムでの活動を始めました。2011年からは、国内向けにマイクロファイナンス投資のトレーニングプログラムを提供する予定です。国内では、児童養護施設の資金調達と中高生のキャリアカウンセリングの事業をはじめました。これは来年に一定の形ができあがると思います。ともに活動を続けているメンバーや支援してくれている皆様には感謝してもしきれません。

2011年に本が二冊出版されることが現時点で決まっています。ひとつは児童養護施設の本、もうひとつはソーシャルファイナンスの本です。上梓されたらご報告します。


■出会いについて
今年はたくさんの素晴らしい出会いに恵まれた年でもありました。全ての人の名前と教わったことを書くと枚挙に暇がないので割愛しますが、敢えて今年出会った人の中で一番印象に強く残っている人物を二人挙げるのならば、ライフネット生命の出口治明社長と現在の勤務先の社長でした。多くの出会いがありましたが、人と人とのつながりは多対一ではならず、一対一の付き合いからなると思っています。ネットワーキングパーティとかも苦手なので、これからも、一人ひとりとの出会いを大切にしていこうと思います。


■自己修養について
世界で活動することを考えると、英語と学問からは逃れられないと思います。仕事や活動ばかりで学びを怠るとどこかで自分が伸び悩むことに危機感をおぼえ、英国Economist誌を読む会をはじめました。毎週日曜日の早朝からEconomistを読んで英語と日本語で議論しています。また、出口社長の前で宣言し、2010年10月24日から英語の本を毎週1冊ずつ読みはじめました。12月の末から毎週2冊ずつ読みます。英語プレゼンの場も20回以上つくり、訓練を積みたいと思っています。英語のブログもはじめました。http://taejunomics.blogspot.com/

2010年はトライアスロンの大会に出場しなかったのですが、運動は続けてきました。2011年には9月にある佐渡での200kmマラソンに出走しようと思っています。ドラムも定期的に習っています。今年は会社の忘年会でしか演奏できなかったのですが、来年はライブを一回以上行おうと思います。


毎年、年の瀬になると後悔するのは、怠惰のうちに過ぎ去った時間です。ルキウス・アンナエウス・セネカの「われわれは短い時間をもっているのではなく、実はその多くを浪費しているのである。人生は十分に長く、その全体が有効に費やされるならば、最も偉大なことをも完成できるほど豊富に与えられている。」という言葉を胸に、世界トップを目指して日々励もうと思います。

最近、人間の心と身体の成長が似ているのを感じます。筋肉が毎日のトレーニングを通じてつくられるように、人の精神も毎日の研鑽の上に磨かれるようです。毎日、自分に妥協をせずに、今日やるべきことを今日中にしっかりとこなしていきたいと思います。姿勢や礼のしかた、話し方など、日々の立ち居振る舞いについても、改めて見直しを行い、日々改善につとめていきます。

もし私の言動が上に述べたことに反していると思われたら、ご指摘くださると大変助かります。

今後ともどうぞ宜しくお願い致します。よい年末をお過ごしください。
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不撓不屈
アーツ最近、どんな分野であれ、超一流の人の姿を見たり話を聞いていると泣きそうになる。昨日のK1のピーター・アーツは本当にかっこよかった。久々に格闘技の試合を見ていて涙が出た。

ピーター・アーツの準決勝での対戦相手は去年のチャンピオンであるシュルト。自分より20cm高く、25kg重い相手との闘い。格闘技をやったことがある人なら、自分より20cm背が高くて25kg重い相手と闘うのがどんなに大変なことか分かると思う。それがあまりにもキツい差なので、多くの格闘技には階級制がある。

下馬評ではシュルト有利。けれど40歳になる古兵は闘志に溢れていて、試合の終盤ではシュルトを圧倒していた。テレビ越しでもその眼光から気合が伝わってきた。気迫が体格差を凌駕していた。


この不撓不屈の精神はどこから来ているのだろうかと、昨日はずっと考えていた。
そんな考えを抱えながら、今日は児童養護施設の子どもたちとカラオケをしていたのだけれど、その時にふと気づいた、というか思い出した。

子どもが精神の自立を獲得することも、ピーター・アーツが強靭な精神力を獲得することも、精神の成長という点では違うことはない。精神の成長は、日々の積み重ねによってのみ達成される。一日一日をどのように生きるかが、精神の高みをつくる。人の心の成長は、一日に一段ずつ登ることが許されている階段みたいなもので、毎日地道にその階段を登れるかどうかは、いつか雲泥の差をもたらす。

ゲバラがキューバを離れるときに、カストロに宛てて書いた手紙の一節を思い出す。ゲバラも日々の細やかな研鑽の中であの高みに至ったのだと思う。

「芸術家のような喜びをもって完成を目指してきた私の意志が、なまってしまった脚と疲れた肺を支えてくれるでしょう。」


明日からも、日々努力しつづけようと改めて思わせてくれたアーツに心から感謝したい。

雪だるま
Snowball

ウォーレン・バフェットが唯一オーソライズしている伝記。バフェットの父の話に始まり、幼少の頃から現代にいたるまでのウォーレン・バフェットの足跡をたどることのできる一冊です。

投資におけるマインドセット、投資のスタイル、キャリアについていくつか書かれていたので紹介します。


マインドセット

バフェットは金に愛情を注ぎ、自分の確固たる判断基準をもっていたようです。
 
バフェットはとにかく金を愛していた、と著者は書きます。ただ、バフェットの暮らし向きは稼いでいたお金に比べると質素で、お金に付随する名声や財産を愛しているのではないようです。お金に対する純愛というか、不思議な感覚のお金に対する愛情をバフェットの生き方からは感じました。

また、バフェットはInner Scorecardを常にもって判断をしていたといいます。Inner Scorecardは、自分の価値観に照らし合わせた判断基準のようなもので、これと対置されるのが、世間の人々の価値観に照らし合わせた判断基準であるOuter Scorecardです。
「自分が正しいが周囲から間違っているとされることと、自分が間違っているが周囲から正しいとされることのどちらを選ぶか」という問いは、自分の判断基準がInner Scorecardに拠っているかどうかを判断するに役立ちます。



投資スタイル

初期においてバフェットは、“Cigar butt”すなわち吸殻のような「まだ吸えるのに打ち捨てられている」株式への投資を行いました。必要以上に価格が低くなっている株式を見つけ、それらに対する投資を実施したわけです。たしかにこういった株式は市場において人々の関心が低いため、頻繁に取引もされず、掘り出し物が見つかる可能性は相対的には高いのかもしれません。

それが中期からはもう少し高度化して、会社の数的な側面だけでなく(それは誰でもできるから)、会社の質的な側面に焦点を当てた投資を行うようになります。

この質的な判断についてもう少し話すと、バフェットは次のような場合には投資はしないそうです:
・その会社の技術が自分には理解不能であり、かつ投資の意思決定に重要な影響をおよぼすものである場合
・その会社が工場閉鎖、解雇などの人事の問題を抱えている場合

会社のビジネスの質的側面を考えた投資においては、すごく抽象的にいうと「いい会社」を買うわけなのですが、これは誰にでもできるスタイルではないように感じられます。この会社の質的側面についての判断は、バフェットの異常なまでの学習量に支えられている側面があると思います。投資に関係のあるほとんどの新聞・雑誌を読み、読書量も異常なバフェットだからこそ、それら知識を自分の中で消化して、会社のビジネスの質についての判断までできるようになるのでしょう。(とはいえ、同じように相当勉強している人は業界には数多くいるので、勉強量だけでは「なぜバフェットが特別なのか」という問いに対する答えは見つからないのですが。



キャリア

職場の選択においても、投資においても、バフェットの頭にあるのは複利的な考え方です。本書のタイトルであるSnowballはそのことを意味しています。

複利







この簡単なテーブルからも明らかなように、自分の能力やネットワーク、富を高めるためには、二つの基本的な原則があるとバフェットは説きます。

ひとつは、正しい場所にいること。仕事であれば、一番尊敬できる人のいる場所で働くこと。例えば、自分を高められる職場にいるのか否かは、個人の成長に決定的な影響を及ぼします。(数値化が適切かはさておき)毎年20%の率で成長できる環境にいる人と、全く成長しない環境にいる人の間では、50年で9000倍の差がつくことになります。

もうひとつは、早く始めること。バフェットは、幼少の頃からビジネスに興味をもち、お金を稼ぐこと、人とのつながりを作ることをはじめていました。成長のスピードが同じであれば、それを10年先に始めた人と今始めた人とでは、取り返しのつかない差が生じることになります。



全般的に、投資というより、生き方の側面で学ぶことのあった本でした。冗長でバフェットの個人的な側面に興味のない人にとっては、最初から最後まで通して読むのはかなりきついと思います。しかし、英語版にはかなりよくできた索引があるので、それを使って知りたい項目を調べると効率もよいと思います。

資本主義の王
世界で最も成功しているPEファーム、Blackstoneとその共同経営者Schwarzmanについて書いた”King of Capital"。Private Equityの仕事は、King of Capitalismとよばれることも多いが、本書のタイトルもそこに由来しているのかもしれない。

非常に読み応えがあり、学ぶところが多かった。いくつか興味深かった点を列挙しておこう。
  

 
 
組織づくり
 
・共同経営者には補完者
正直で、規律があり、人望厚く、熟慮タイプのPetersonと、貪欲で、エネルギッシュで、勘が異常に鋭いSchwarzmanのタッグでBlackstoneは創業された。ディールを作るときも、相手企業の重役室のドアを開けるまではPetersonの仕事、その後のディールクローズまではSchwarzmanの仕事。役割分担がしっかり出来ていたので、多少の意見の違いがあっても、それが組織を揺るがす不和にはつながりにくかった。
 
・能力ある人の採用、フェアな態度
自分以上の人間だけを雇った。Juniorの人間に対しても傾聴する姿勢を失わなかった。部下に対しても、自分に対する以上の要求はしなかった(その要求が非常に高くはあったが)。フェア。
 
・意思決定権を独占
特に初期においては、意思決定権を二人の共同経営者で独占するようにした(二人のLehman時代の「船頭多くして船山のぼる」の経験から。Petersonは社内人事制度の改正とそれによる混乱から、LehmanのCEOを自ら退いていた)。
 
 
 
事業展開
 
・後発型
他社に先んじて何かを行うことはあまり多くない。PEを始めたのも、KKRらから10年以上遅れての1985年。不動産投資も他社にかなり遅れて始めた。投資として成立するかを見極めてから参入してもキャッチアップできるということの持つImplicationは大きいと思う。
 
・MAアドバイザリー
最初の仕事をMAアドバイザリーから始めた。安全なFeeビジネスである上に、ソーシングにも役立つため。(LIPの活動においても同様で、今僕達が目指しているのは、こういったファンドの投資先のDD業務で世界レベルになること。)
 
・Affiliates制
様々なアセットクラスに特化した会社を傘下においた。
超過リターンの源泉は、マクロ・ミクロレベルでの、市場のビューとのギャップにある。そのギャップに基づいて得られるリターンを最大化するためには、ロングオンリー以外の投資手法も可能であることが望ましかった。
 
具体的な子会社:
(1)不動産投資部門(マーケットサイクルへのベット)
(2)ヘッジファンド部門(Short sellingが可能なため、ダウントレンドでも利益得られる。またIPO時にバイアウト部門とコラボして利益をさらに高められる)
(3)債券投資部門(Mezz投資も可能となる。この部門が後のBlackRock)
など。
 
 
 
投資のスタイル

・Loyalty to Management
自分たちの位置づけを”an operating problem solver “(Peterson)として事業展開。
決して対象会社とは敵対的にならず、常にLoyalty to managementを全面に出した。White-night案件も多い。オペレーションについても過度に入ることはせず、起業家精神あふれるCEOをサポートするのがPEの仕事と理解している。本書では、オペレーションに入りこんでいったファンドの失敗にも言及されていた。
 
・危機対応能力
投資先が危機に瀕しても、東奔西走して会社を存命させた案件多数。
 
・Discipline
規律が最も利いている会社。皆が酔っ払って赤信号を渡ろうとしているときにでもストップすることができる(それは一部はSchwarzmanの勘によるものでもあるのだろうけれど)。本書に紹介されていた、次の二つの言葉が印象的。
“First, don’t pay too much when you’re buying cyclicals. Second, don’t have ambitious turnaround expectations for medium-sized companies. Don’t expect to reinvent them. Third, if an investment calls for reengineering operations, plan in consultation with seasoned executives and consultants knowledgeable enough to judge if the plan will fly.”
 
“We’re not going to be investing, we’re going to be lowering the prices, we’re going to be changing the kinds of companies that we’re going to buy, because when everything feels good and you can’t see any problems, historically you’ve been near a peak.”
 
実際、Blackstoneがマーケット過熱時に手を出して失敗した案件は、他社に比べて少ない。
 
 
・LBOの先
“Leveraged” Buyoutは主流ではなくなってきている。Blackstoneの00年代半ばの成功ディールの多くはGrowth Playによるもの。ビジネスのあり方の変革をサポートした案件で大きなゲインを出している。
 
 
 
その他、面白かったこと
・Lehmanの元CEOとパートナーの二人で始めても、ファンドレイジングには苦労した。ファンドレイジングに勢いをもたらしたのは日興の$100MMの出資だったのは本当に偶然のもの。

・Blackstoneという名称の由来は、Schwarzがドイツ語でBlack、Peterがギリシャ語でStoneだったことにある。(不勉強ではじめて知りました)
 
 
 
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