Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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雪だるま
Snowball

ウォーレン・バフェットが唯一オーソライズしている伝記。バフェットの父の話に始まり、幼少の頃から現代にいたるまでのウォーレン・バフェットの足跡をたどることのできる一冊です。

投資におけるマインドセット、投資のスタイル、キャリアについていくつか書かれていたので紹介します。


マインドセット

バフェットは金に愛情を注ぎ、自分の確固たる判断基準をもっていたようです。
 
バフェットはとにかく金を愛していた、と著者は書きます。ただ、バフェットの暮らし向きは稼いでいたお金に比べると質素で、お金に付随する名声や財産を愛しているのではないようです。お金に対する純愛というか、不思議な感覚のお金に対する愛情をバフェットの生き方からは感じました。

また、バフェットはInner Scorecardを常にもって判断をしていたといいます。Inner Scorecardは、自分の価値観に照らし合わせた判断基準のようなもので、これと対置されるのが、世間の人々の価値観に照らし合わせた判断基準であるOuter Scorecardです。
「自分が正しいが周囲から間違っているとされることと、自分が間違っているが周囲から正しいとされることのどちらを選ぶか」という問いは、自分の判断基準がInner Scorecardに拠っているかどうかを判断するに役立ちます。



投資スタイル

初期においてバフェットは、“Cigar butt”すなわち吸殻のような「まだ吸えるのに打ち捨てられている」株式への投資を行いました。必要以上に価格が低くなっている株式を見つけ、それらに対する投資を実施したわけです。たしかにこういった株式は市場において人々の関心が低いため、頻繁に取引もされず、掘り出し物が見つかる可能性は相対的には高いのかもしれません。

それが中期からはもう少し高度化して、会社の数的な側面だけでなく(それは誰でもできるから)、会社の質的な側面に焦点を当てた投資を行うようになります。

この質的な判断についてもう少し話すと、バフェットは次のような場合には投資はしないそうです:
・その会社の技術が自分には理解不能であり、かつ投資の意思決定に重要な影響をおよぼすものである場合
・その会社が工場閉鎖、解雇などの人事の問題を抱えている場合

会社のビジネスの質的側面を考えた投資においては、すごく抽象的にいうと「いい会社」を買うわけなのですが、これは誰にでもできるスタイルではないように感じられます。この会社の質的側面についての判断は、バフェットの異常なまでの学習量に支えられている側面があると思います。投資に関係のあるほとんどの新聞・雑誌を読み、読書量も異常なバフェットだからこそ、それら知識を自分の中で消化して、会社のビジネスの質についての判断までできるようになるのでしょう。(とはいえ、同じように相当勉強している人は業界には数多くいるので、勉強量だけでは「なぜバフェットが特別なのか」という問いに対する答えは見つからないのですが。



キャリア

職場の選択においても、投資においても、バフェットの頭にあるのは複利的な考え方です。本書のタイトルであるSnowballはそのことを意味しています。

複利







この簡単なテーブルからも明らかなように、自分の能力やネットワーク、富を高めるためには、二つの基本的な原則があるとバフェットは説きます。

ひとつは、正しい場所にいること。仕事であれば、一番尊敬できる人のいる場所で働くこと。例えば、自分を高められる職場にいるのか否かは、個人の成長に決定的な影響を及ぼします。(数値化が適切かはさておき)毎年20%の率で成長できる環境にいる人と、全く成長しない環境にいる人の間では、50年で9000倍の差がつくことになります。

もうひとつは、早く始めること。バフェットは、幼少の頃からビジネスに興味をもち、お金を稼ぐこと、人とのつながりを作ることをはじめていました。成長のスピードが同じであれば、それを10年先に始めた人と今始めた人とでは、取り返しのつかない差が生じることになります。



全般的に、投資というより、生き方の側面で学ぶことのあった本でした。冗長でバフェットの個人的な側面に興味のない人にとっては、最初から最後まで通して読むのはかなりきついと思います。しかし、英語版にはかなりよくできた索引があるので、それを使って知りたい項目を調べると効率もよいと思います。

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