Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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料理のマネジメント
ref=dp_image_0.jpeg料理のマネジメント

酒井穣さんの新刊。この本の構想の噂はすごく昔から聞いたことがあって、本が出ると聞いたときは、ついに、と思った。

本書では、素人が経営学をヒントにしながらプロの料理人と向こうを張るための方法が書かれている。

多くのジャンルにおいてそうなのだけれど、プロとアマの違いは大きく2つある。プロの料理人は、その料理の質の平均水準とばらつきの小ささにおいて、アマの料理人を凌駕している。これは、多くの仕事でもその通りで、プロはどのような状況でも一定のクオリティのものを出す訓練をされている。

では、アマがこのようなプロと向こうを張るにはどのような戦略を採用するべきか。

まず、料理の水準のばらつきを落とす方法から考える。

これは、レシピの作成に尽きる。レシピを作成し、可能な限りそれに忠実に料理をつくる。目分量に頼らず、客観的な基準によって料理することで、料理の水準のばらつきを落とすことができる。特に重要なのは塩加減であると本書では説く。本書カバー裏における山上の垂訓の「地の塩」関する一節は、このメッセージと関連しているのだろう。


次に、料理の平均水準を上げること。

第一の方法は、メニューを絞ることだ。これは企業でいうところの、選択と集中に他ならない。もっというと、プロでないとできない料理を避け、誰でも練習をすればプロ顔負けの水準を実現できる料理に絞ることだ。本書では、アマがプロと渡り合える料理として、カレー、餃子、バーニャカウダが紹介されている。

もう一つの方法は(明示的に書かれていないかもしれないけれど)、料理以外のところで勝負することだ。アマの料理は、プロと違い、自分の知人に対して振る舞われることが多い。それを活かして、相手がくつろぐことができる空間づくり、相手の好きな食材選び、楽しい会話などを準備することで、脳の知覚する料理の質を高めることができる。


この本の類書はなかなか思いつかない。仕事をしながらでも料理をしてみようと思っている人に対して、料理スキルだけに限らない重要な考え方を教えてくれる一冊。料理だけでなく、色々な「アート」の産物と見なされている領域においても同様の示唆をもたしてくれる。
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