Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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著者あとがき外伝
x2_912a89a.jpgついに今日から新しい本が出版される。

働きながら、社会を変える-ビジネスパーソン「子どもの貧困」に挑む


普段ものを書くのに苦労することは少ないのだけれど、今回は1年半をかけて原稿を何十回も書きなおした。ドラフトを書いた後も、細かい表現含めて書き直し続けた。鏤骨の作というほどではないかもしれないけれど、苦心惨憺して書き上げた。

早くも酒井穣さん、岩瀬大輔さん、野口能成さんが書評を書いてくれた。過分な評価で恐縮だけれど。
「生命保険 立ち上げ日誌」
「NED-WLT」
「投資の消費性について」


ここでは、本には書かなかった著者あとがきの外伝めいたものを書こうと思う。

この本を書くにあたって、二つのことをどうしても達成したかった。

一つ目は、子どもたちの姿を、バイアスをかけずに可能な限り事実に基づいて正確に書くこと。ここで要求されるのは、良いルポルタージュ作家としての腕前だと思う。だから、何回も書きなおした後に、児童養護施設の元職員で現在はコンサルというとても珍しい経歴の方から、「自分が書いたかのよう。記述に違和感がない」と言われたときは本当に嬉しかった。


でも、欲張りにも、もう一つ達成したいことがあった。それは、「職員さんや将来の子どもたちが読んでも喜んでくれる本」にすることだ。

これはとても難易度の高いことだった。世の中には、先進国における貧困というテーマでも多くの本が存在する。「貧困大国アメリカ」、「ドキュメント高校中退」、「ニッケル・アンド・ダイムド」などだ。こういった本は事実を伝えるという点で素晴らしい本だけれど、この本で描かれた、すなわち「被写体」となった人々はこの本を読んでどう思うのだろう。例えば、アメリカのワーキングプアの生活を描写するために、自らの経歴を詐称してアルバイトをしていた「ニッケル・アンド・ダイムド」の著者は、そのバイト仲間にばったり出会ったら、どうするのだろう。すごく気まずくなるのではないだろうか。

声がなかなか社会に届けられない人々を代弁すること、その状況を知らせることは、それだけで意味がある。だけど、その代弁という行為には、「書くもの」と「書かれるもの」をバッサリと隔てるリスクが存在する。そのような断絶が生じることは絶対に避けたかった。というのも、僕は書く人であると同時に、行動する人でありたいし、相手の苦境を冷静に分析しつつも、一緒に歩を進められる人間になりたいと思っていたから。

どんなに冷静な分析をもって客観的に子どもたちの苦境を伝えられたとしても、それがたった一人の子どもを傷つけるのであれば、僕はこの本を破って捨てたくなるだろう。「大きな目的達成のためには手段は正当化されうる」という考えは根本的に間違っていると僕は思う。そういう目的と手段の混同が、色々なものをおかしくする。

事前に原稿をお送りしようとしていたのだけれど、どういう感想が得られるのかが本当に怖くて、いつもお世話になっている児童養護施設の先生には原稿をお送りするのがずるずると遅れてしまっていた。

でも、原稿と見本を送り、その後お会いした児童養護施設の園長先生の一言で、肩の荷が降りた気がした。

「この本を読んでいて、涙が出た。研修生や若い職員でさえ、こうやって子どもと寄り添っていこうという姿勢がないときがある。でも、この本からはその姿勢が感じられた。それだけでなく、データも豊富で、今度からうちに研修にくる学生たちには必ず読ませようと思う。うちでも講演をしてほしい」


そして、園長先生は「他の施設の園長達にも配る」と、本を数冊購入してくれた。


この本を書くにあたって、本当に多くの人にお世話になった。その一部は謝辞にも掲載させて頂いた。編集の高野達成さんは本当にプロの編集者で、こういうプロフェッショナリズムあふれる人と一緒に仕事をすることができたからこそ、この完成度があると思う。何よりも、今回の本の執筆のために、本当に多くの手助けをしてくくれた施設の先生方と子どもたちに心から感謝していて、感謝の気持ちとしては全然足りないけれど、印税は全額児童養護施設に寄付する。


この本を買って読んでくれるだけでも感謝します。更に、感想をTwitterやFacebook、Amazonに書いてくれると本当にうれしい。良い評価も、手厳しい評価もともに大歓迎。

働きながら、社会を変える-ビジネスパーソン「子どもの貧困」に挑む


一週間後の13日には、友達がセットしてくれた出版記念ランニングをする。東京マラソンのコースを走りながら、書店にPOPを置くという、通称“POP RUN“。こちらの参加も大歓迎なので、東京マラソンに落選してしまった方はぜひ。(ここから参加申し込みができる)


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