Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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2011年レビューと2012年の抱負
今年もあっという間に年の瀬。今年のレビューと来年の目標報告をします(プライベートは割愛)。

(去年のレビューはこちら

本業について
今の仕事を初めて1年半、もう少し色々なものが見えてきて、自身のプロフェッショナルとしての成長を少し実感できた一年でした。まだまだ分からないことだらけですが、ディールを3件やり、自分でも(最後まではいけなかったけど)案件を作ったりもできました。知識は全く足りていないので、今後経験を積みつつ、日々を無駄にせずに過ごして行こうと思います。
 
本業に関する来年の目標は四つ。
・社内でも遠慮せず思うことを言うこと(どうも相手が年上だと遠慮しがちなのだけれど、それを克服)
・今度こそ自分で案件を一つ作ること(そのためには、ディールに忙殺されない時間管理をすること)
・常に仮説を持って臨むこと。毎週開催される投資委員会で必ず質問・提案を持つようにして、それが的を射ていたら○、まあまあだったら△、大外れだったら×とすることをずっと続けること
・最後に、法務・会計・税務関連については分かったフリを決してしないで、とことん理解して先に進むこと。関連書籍を毎朝仕事が始まる前に1時間ずつ読むこと。


NGOの活動について
マイクロファイナンスに関しては、かなりチャレンジングな一年でした。案件は一件だけですが、それには無事満額の投資が集まり一安心、、と思っていたら、投資先のCEOの辞任があり、その真相究明および投資家への報告書作成に相当に時間を割いてしまいました(リリースされているように、大事には至っていません)。そのために企画済みのベトナムファンドが大分遅れてしまったのですが、そのうちにリリースされると思います。

児童養護施設での活動に関しては、去年からようやく軸が固まってきて、軌道が見えてきた感じがします。寄付プログラムへの寄付者は年内に200人となり、毎月の寄付額は30万円以上となりました。もう少しすると、一つの児童養護施設の現状を大きく変えることができます。児童養護施設の子どもとの月一度のセッションもずっと行って来ました。あと、児童養護施設の子どもたちのために本を書きました。

NGOに関する目標は次の通り。
・来年も引き続きファンド企画をしつつ、少し新しい方向性も模索してみる
・マイクロファイナンスのプロ用のプログラムを作ったので、それを来年から実施する
・寄付プログラム「チャンスメーカー」の飛躍的な成長のために、戦略をしっかりとたてる(要はファンドレイジングの成功例をつくる)
・僕がいなくても回る組織をつくる


その他活動について
年初に立てた目標の通り、無事に208kmマラソンを完走することができました。これは、自分の精神の遍歴的にはすごく大きなイベントで、ここを抜けたお蔭で、色々なものがよく見えるようになった気がします。来年は何をしようかと考えているのですが、とりあえず萩往還250kmに申し込みました。

それと、ライブを一回やるという目標も無事に達成できました。来年もやりたいと思います。


執筆活動
児童養護施設とLIPのことを書いた「働きながら、社会を変える。」は友達の助けもあり、ある程度売れています。無事に増刷もかかりほっとしています。この本においては(売れることはもちろんですが)、事実を正確に描きつつ、描かれる対象となった人々が嫌な思いをしないようになることが大きな目標でしたが、その2つとも一定水準で達成できてうれしかったです。

今年は本を二冊書くと言っていたのですが、もう一冊が第一稿まではできたものの、出版は来年になりそうです。来年はソーシャルファイナンスの本と、できれば課題解決に関する本を書きたいと思っています。


勉強
英語の本を毎週読むということを、仕事のバタバタのなか一時休んでしまったりもしましたが、週一冊ペースで読めました。今年読んだ本のナンバーワンは、「Mckinsey's Marvin Bower」でした。現代の二宮尊徳ともいえる彼の姿から、自分のプロフェッショナルとしての目標がやっと具体的な形で見えました。泣くような本でも無いのに、この本を読んでいる間涙が止まらなかったです。Economistの会も続けています。これは続けることに意味があるので、これからも頑張ります。

来年の勉強テーマは、デザイン・イノベーション・課題解決なのですが、多くのイノベーションは色々なものをつなげるときに起こるので、そのつなげるネタを増やそうと思っています。あと、英語は一刻も早く日本語並みにしたいと思っています。最近国際会議やら何やらで話すことがすごく増えたのですが、英語脳の性能が日本語脳の8割くらいしかないのですごくもどかしい思いをしています。

来年の目標は3つ。
・Googleの選んだ20世紀のベスト100冊を上から読み倒す。毎週一冊ずつ読んでいって、全てブログに書きます。こっそりと英語ブログを書いているのですが、これをもう少し活発に使おうと思います。この洋書を読む会は来年1月8日から始めるので、お時間のある人はぜひ。(詳細はこちら
・Economistの会を継続。
・多様な分野の人と会うために、金融・ビジネスと関係の無い分野の勉強会や展示に月一回以上参加する


もう30歳。坂本龍馬はあと1年で死ぬし、ゲバラももうすぐ革命を成功させる年です。人と自分を比べるのはよくないのですが、色々なことを考えずにはいられません。一度きりの人生、悔いのないように日々を大切に送ろうと思います。

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2012年に必ず読む本のリスト
決まりました。
これだけの本を熟読すれば、大分パワーアップするはず。
Googleが選ぶ20世紀の名著100選(英語)を読み倒す会
今年は(途中で一時お休みしちゃったのですが)、毎週洋書を一冊読んでました。出来れば強制力が欲しいので、一緒に読む人を募る次第です。

今回読む本のリストは、何回か紹介した「Googleが選ぶ20世紀の名著100選」です。読んだことのある本は確かに名著だらけなので、これを2年弱かけて全て読もうと思います。(大変申し訳ないのですが、僕が読んだことのある本は飛ばします)


形式
・毎週日曜日に1時間で本の内容についてディスカッション、おそらく時間は午前10時~
・使う言語は英語、本も全て洋書バージョンを入手してください
・Skypeでの参加も可能にする
・参加者は、事前にどの日に参加するかを申告し、参加日数×5000円を事前に振込む(学生、事情のある方は2000円でよいです)。申し込み締め切りは1月6日まで。
・その後出席日数マイナス経費で按分してお金を返済
(要は、欠席したらその分のお金が没収される仕組みです)
・参加申し込み締め切り:1月6日まで

申し込みはこちらから。
https://docs.google.com/spreadsheet/viewform?formkey=dEZZYWM4TmlhZW85Ym9MbWkyckFzTnc6MQ


第1四半期の本のリスト

2011/Jan 08: J. Rawls, "The theory of Justice "
2011/Jan 15: Robert Putnam, "Making Democracy Work "
2011/Jan 22: R. Axelrod, "The evolution of cooperation "
2011/Jan 29: L. S. Vygotsky, "Mind in Society "
2011/Feb 05: G. Lakoff, M. Johnson, "Metaphors We Live by "
2011/Feb 12: E. Goffman, "The Presentation of Self in Everyday Life "
2011/Feb 19: L. Wittgenstein, "The Blue and Brown Books "
2011/Feb 26: A. Bandura, "Social Learning Theory "
2011/Mar 04: J. Coleman, "Foundations of Social Theory "
2011/Mar 11: A. Downs, "Economic Theory of Democracy "
2011/Mar 18: A. Maslow, "Motivation and Personality "
2011/Mar 25: J. J. Gibson, "The Ecological Approach to Visual Perception "




(参考までに、これから読む本のリスト)

順位 訳書名(邦訳が無い場合は英語書名) 著者名(アルファベット表記) 著者(カタカナ表記) 出版年 被引用数
1 科学革命の構造 T. Kuhn トーマス・クーン 1962 14000
2 正義論 J. Rawls ジョン・ロールズ 1971 7900
3 制度・制度変化・経済成果 D. C. North ダグラス・C.ノース 1990 7800
4 哲学する民主主義 R. D. Putnam ロバート・D.パトナム 1993 7200
5 付きあい方の科学 R. Axelrod ロバート・アクセルロッド 1984 7000
6 集合行為論 M. Olson マンサー・オルソン 1965 6500
7 Mind in Society※ L. S. Vygotsky エリ・エス・ヴィゴツキー 1978 5600
8 孤独なボウリング R. D. Putnam ロバート・D.パトナム 2000 5400
9 レトリックと人生 G. Lakoff, M. Johnson ジョージ・レイコフ、マーク・ジョンソン 1980 5300
10 行為と演技 E. Goffman アーヴィング・ゴッフマン 1959 5200
11 青色本・茶色本 L. Wittgenstein ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン 1969 5100
12 人間行動の形成と自己制御 A. Bandura アルバート・バンデューラ 1971 5100
13 社会理論の基礎 J. Coleman ジェームズ・コールマン 1990 5000
14 民主主義の経済理論 A. Downs アンソニー・ダウンズ 1957 4900
15 人間性の心理学 A. Maslow アブラハム・H.マズロー 1954 4700
16 生態学的視覚論 J. J. Gibson ジェームズ・J.ギブソン 1979 4700
17 論理と会話※※ P. Grice ポール・グライス 1989 4600
18 言語と行為 J. Austin ジョン・L.オースティン 1960 4600
19 ゲームの理論と経済行動 J. von Neumann, O. Morgenstern フォン・ノイマン、オスカー・モルゲンシュテルン 1944 4500
20 想像の共同体 B. Anderson ベネディクト・アンダーソン 1983 4500
21 監獄の誕生 M. Foucault ミシェル・フーコー 1975 4400
22 資本主義・社会主義・民主主義 J. A. Schumpeter ヨーゼフ・A.シュンペーター 1942 4400
23 システムの科学 H. Simon ハーバート・サイモン 1969 4400
24 The Rise of the Network Society M. Castelles マニュエル・カステル 1996 4300
25 Society and the Adolescent Self-Image M. Rosenberg モリス・ローゼンバーグ 1965 4300
26 ミニマリスト・プログラム N. Chomsky ノーム・チョムスキー 1995 4200
27 思考と言語 L. S. Vygotsky エリ・エス・ヴィゴツキー 1934 4200
28 暗黙知の次元 M. Polanyi マイケル・ポランニー 1967 4200
29 近代とはいかなる時代か? A. Giddens アンソニー・ギデンズ 1990 4200
30 幼児期と社会 E. H. Erickson エリック・H.エリクソン 1950 4200
31 オーガニゼーションズ H. Simon, J. March ハーバート・サイモン、ジェームズ・マーチ 1958 4200
32 経済発展の理論 J. A. Schumpeter ヨーゼフ・A.シュンペーター 1912 4100
33 ポストモダニティの条件 D. Harvey デヴィッド・ハーヴェイ 1989 4100
34 雇用・利子及び貨幣の一般理論 J. M. Keynes ジョン・M.ケインズ 1935 4100
35 A Treatise on the Family G. S. Becker ゲーリー・S.ベッカー 1981 4100
36 科学的発見の理論 K. Popper カール・ポパー 1935 3800
37 ディスタンクシオン P. Bourdieu ピエール・ブルデュー 1979 3800
38 文法理論の諸相 N. Chomsky ノーム・チョムスキー 1965 3700
39 Outline of a Theory of Practice※※※ P. Bourdieu ピエール・ブルデュー 1972 3700
40 危険社会 U. Beck ウルリッヒ・ベック 1986 3700
41 現実の社会的構成 P. L.. Berger ピーター・バーガー、トーマス・ルックマン 1966 3700
42 統率・束縛理論 N. Chomsky ノーム・チョムスキー 1981 3600
43 社会的選択と個人的評価 K. Arrow ケネス・アロー 1951 3600
44 Human Problem Solving H. Simon ハーバート・サイモン 1972 3600
45 「信」無くば立たず F. Fukuyama フランシス・フクヤマ 1995 3400
46 自由と経済開発 A. Sen アマルティア・セン 1999 3400
47 オリエンタリズム E. Said エドワード・サイード 1978 3400
48 精神・自我・社会 G. H. Mead ジョージ.H.ミード 1934 3300
49 Judgement under Uncertainty D. Kahneman, P. Slovic, A. Tversky ダニエル・カーネマン 1982 3300
50 ジェンダー・トラブル J. Butler ジュディス・バトラー 1990 3200
51 The Constitution of Society A. Giddens アンソニー・ギデンズ 1984 3200
52 経営行動 H. Simon ハーバート・サイモン 1947 3200
53 スティグマの社会学 E. Goffman アーヴィング・ゴッフマン 1963 3200
54 対人関係の心理学 F. Heider フリッツ・ハイダー 1958 3200
55 母子関係の理論 J. Bowlby ジョン・ボウルビィ 1969 3200
56 人的資本 G. S. Becker ゲーリー・S.ベッカー 1964 3200
57 精神の生態学 G. Bateson グレゴリー・ベイトソン 1972 3000
58 精神のモジュール形式 J. Fodor ジェリー・フォーダー 1983 2900
59 行動の機構 D. O. Hebb ドナルド・O.ヘッブ 1949 2900
60 The Architecture of Cognition J. R. Anderson ジョン・R・アンダーソン 1983 2900
61 社会理論と社会構造 R. K. Merton ロバート・K.マートン 1957 2800
62 経験と教育 J. Dewey ジョン・デューイ 1938 2700
63 Bodies that Matter J. Butler ジュディス・バトラー 1993 2700
64 意味の復権 J. S. Bruner ジェローム・S.ブルーナー 1990 2700
65 ミシェル・フーコー思考集成 M. Foucault ミシェル・フーコー 1980 2600
66 文法の構造 N. Chomsky ノーム・チョムスキー 1957 2600
67 モダニティと自己アイデンティティ A. Giddens アンソニー・ギデンズ 1991 2600
68 可能世界の心理 J. S. Bruner ジェローム・S.ブルーナー 1986 2600
69 民主主義と教育 J. Dewey ジョン・デューイ 1916 2500
70 解明される意識 D. Dennett ダニエル・デネット 1991 2500
71 プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 M. Weber マックス・ウェーバー 1904 2500
72 社会体系論 T. Parsons タルコット・パーソンズ 1951 2500
73 脱工業社会の到来 D. Bell ダニエル・ベル 1973 2400
74 ポストモダンの条件 J. F. Lyotard ジャン・F.リオタール 1979 2300
75 心の概念 G. Ryle ギルバート・ライル 1949 2300
76 認知言語学 G. Lakoff ジョージ・レイコフ 1987 2300
77 危険・不確実性および利潤 F. H. Knight フランク・H.ナイト 1921 2300
78 アナーキー・国家・ユートピア R. Nozick ロバート・ノージック 1974 2200
79 言語を生みだす本能 S. Pinker スティーブン・ピンカー 1994 2200
80 個人的知識 M. Polanyi マイケル・ポランニー 1964 2200
81 アサイラム E. Goffman アーヴィング・ゴッフマン 1961 2200
82 The Power of Identity M. Castelles マニュエル・カステル 1997 2200
83 知覚の現象学 M. M. Ponty M.メルロ=ポンティ 1945 2100
84 グラムシ獄中ノート A. Gramsci アントニオ・グラムシ 1975 2100
85 言語行為 J. R. Searle ジョン・R.サール 1969 2100
86 性の歴史 M. Foucault ミシェル・フーコー 1984 2100
87 文明の衝突 S. P. Huntington サミュエル・P.ハンチントン 1996 2100
88 資本主義と自由 M. Friedman ミルトン・フリードマン 1962 2100
89 真理と方法 H. G. Gadamer ハンス・G.ガダマー 1965 2000
90 存在と時間 M. Heidegger マルティン・ハイデガー 1926 2000
91 論理哲学論考 L. Wittgenstein ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン 1921 2000
92 Political Liberalism J. Rawls ジョン・ロールズ 1993 2000
93 自己の分析 H. Kohut ハインツ・コフート 1971 2000
94 大転換 K. Polanyi カール・ポランニー 1944 2000
95 福利経済学 A. Pigou アーサー・C.ピグー 1920 1900
96 さまよえる近代 A. Appadurai アルジュン・アパデュライ 1996 1900
97 哲学と自然の鏡 R. Rorty リチャード・ローティ 1979 1900
98 名指しと必然性 S. Kripke ソール・A.クリプキ 1980 1900
99 自己の修復 H. Kohut ハインツ・コフート 1977 1900
100 認識と関心 J. Habermas ユルゲン・ハバーマス 1968 1900
推薦の構造について
紹介や推薦が一定の合理性を有していることは否定できない。というよりむしろ、推薦は人を選抜する優れた方法だと思う。ちょっと考えてみよう。


非常に単純化して、人の推薦にまつわるモデルをつくってみよう。

推薦者Xさんは、会社Zに対してYさんを推薦するが、その時に受ける利得は次のようになると思う。

利得=①Yとの関係による利得ー②推薦のコスト±③Zとの関係による利得



ここで、①はその人を推薦したことによって得られる満足感、例えば「応援したい人を応援できた満足感」なども含まれる。②は推薦状を書いたり、人と話したり、場合によっては当人を知るために必要なコストだ。③はよい推薦をすることによって受ける「あの人は信頼できる」という評価だ。


①と②についてはほぼ固定的なものと考えて、③について考えてみよう。

推薦者も推薦においてはリスクを負っていて、「あいつの推薦はあてにならない」と思われると困る。困った人を推薦してしまった場合のレピュテーションダメージはとても大きくなる。だから、XがYさんのことをとても好きだったとしても、それでもYさんが合格ラインに達していないと思うのであれば、推薦を躊躇するだろう。

この「問題のある人を推薦した場合のレピュテーションダメージの大きさ」が、推薦という仕組みがワークする理由だと思う。だから、情報の非対称性を緩和する一つの方策として、推薦という仕組みは沢山の場で用いられてきた。


一方で、一定の基準に達している人のうち「とてもいい人」と「いい人」を紹介した場合に推薦者が受ける利得の差異は相対的に小さくなるように思う。すなわち、「いい人」を選んだ場合と「問題のある人」を選んだ場合の③の差異は非常に大きいが、「いい人」を選んだ場合と「とてもいい人」を選んだ場合の③の差異はあまり大きくないということだ。もしそうであれば、「基準に達しない人と基準に達する人」の選び分けには恣意は介入しにくいが、「基準に達した複数人の間」で誰を選ぶかには恣意が介入する可能性が高まるかもしれない。


しかしながら、ここで直面する問題は「では、よりよい人選を実施するための代案は何か」ということだ。代案がなかなか思いつかない。特に、「一定の基準に達している人を選抜する方法」、例えば信用保証などにおいては推薦は非常に強力な仕組みだと思う。一方で、「外れ値的なを選抜する方法」としてはもっと他の方法を確立する必要があるのかもしれない。


エゴからの解放について1
前のブログでも書いたのだけれど、自分可愛らしさとか、自己顕示欲とか、エゴとかから抜けられると、本当に楽になるし、良いことがたくさんある。

一つ目は、何を言われてもあまり気にならなくなることだ。謂れのない非難を受けても、別にダメージを受けない。というのも、目指すべきものが自己のエゴの防衛でなく、何か他の目的達成(例えば機会の平等の実現とか)であれば、別に非難を受けても、それはどうでもよいものだから。

更に良いことがある(それが最近気づいたこと)。エゴや自己顕示欲から解放されると、侮辱が気にならないだけでなく、物事がより透き通って見えるようになる。なぜなら、世の中をありのままに見られるようになって、自分の都合のよいように解釈しなくなるから。特に「嬉しそうだな」、「意地になってるのかな」、「自信ないのかな」と、人の心の機微を察する力が増す。外れる場合もあるだろうけど、観察眼が曇りにくい分、正解率も高まる。逆は逆で、これも最近気づいたのだけれど、エゴや自己顕示欲の強い人ほど、相手の言うことを曲解して、言っていないことを相手の主張と受け止めやすくなるのかもしれない(もちろん、純粋に忙しくてきちんと読んでいないということもあるのだろうけれど)

あ、そうか。あの人が言ってたのはこういうことだったんだ。彼女は、人間はそういったエゴから抜け出すことができたら、「楽しい学習の道が始まる」と話していた。それを聞いた時は「はて、楽しい学習の道って何のことだろう」と思っていたのだけれど、それはこういうことだったんだと思う。わだかまりなく物事を見ることができて、人の意見に先入観なく耳を傾けられるようになると、学習のスピードは一気に高まる。


ここまで来ると、次のように言えるのかもしれない。

学習や何らかの発見は、クールな知能だけではなく、わだかまりのない心の産物でもあると。アインシュタインはこう言ったことが、やけにより強いリアルさをもつ。

「人間が、他社の考えや経験に刺激を受けずに出来ることは、たとえそれが最高のものであってもつまらなく短調になる」

西郷隆盛が「総じて、人は己に克つをもって成り、自らを愛するをもって敗る」というのは本当にそうだと思う。常に謙虚・素直を心に叩きこんで、エゴから離れること。そうして得られる心の平静と、間違いのない判断、他者理解と思いやりは、人生を多分もっと素晴らしいものにしてくれる。

(エゴから解放されないままビジネスや政治をすることがなぜいけないのか、相手がエゴや自己顕示欲の固まりだったらどうすればよいか、という点に関する考察はまたいつか)

ディシプリン
尊敬するプロフェッショナルの人に、どうやったら「傍からしかものを見ていない第三者が、その事業を数十年行なっている経営陣をうならせるようなことを言えるようになるのか」と質問したことがある。

彼の答えはすごくシンプルだった。「ディシプリンだよ」。

ここでのディシプリンとは、「徹底的に自分の頭で考えぬくこと」だ。

コンサルやPEに勤めている人は、仕事にある程度慣れてくると流れ作業をしてしまいがちだ。分析資料とかもさっさと作ることができて、一丁上がりとなる。それをしないで、一度自分の頭で必ず消化してから作業をすること。おかしいと思ったら声をあげること。

また、他のチームが行なっている資料を見せてもらって、1時間のうちに、その案件での大きなイシューは何か、本当にチームの立案しているプランでうまくいくのかを自分なりに考えてみて、チームにぶつけてみる。自分の疑問点がチームの「痛いところ」をついていれば「マル」、大外れだったら「バツ」と記録をつけていく。

大前研一をはじめとして一流プロはみんなこうやってディシプリンをもって訓練を積み重ねてきたという。こういう会社に入れる時点で、皆相応の知的水準にはある。そこから大差が出るかどうかは、やるべきことをちゃんと時間をかけて積み上げていくかどうかにかかっている。


上記は、コンサルファームやPEにいないとできないことでは決してなくて、日々の生活で誰でもできることだ。普段の仕事において惰性にならずに考え続け、誰かの話を聞く度に必ず質問を続けるようにすれば、似たような結果は達成できる。要は、自分に規律を課して続けていけるかどうか。一日や一ヶ月では差はつかない。でも、1年、3年、10年と経ってくると雲泥の差がつく。習慣が人を作る。

もちろん、成長そのものが目的というのも微妙で、どちらかというと、目的に合わせた成長を実現するべきだ。100m先に行きたいのなら自分の足があれば十分だけれど、月まで行こうとしたらそれ以上のものが必要になる。結局のところ人生でどこまでたどり着きたいかにもよると思うのだけれど、遠くまで行きたいのなら時間をかけてそれ相応のエンジンを積むべきなのだろうと思う。
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