Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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4月以降の読書リスト
言及を忘れていた4月以降の読書リスト。毎週日曜日10時から読書会(といっても、内容について英語で議論するだけのゆるいもの。時間は1時間)をしているので、興味のある方はどうぞ。一回だけの参加でもOKです。

登録はこちらから。FB上にページがアップされるので、エントリーしてください。
http://www.facebook.com/groups/236714033071380/

(第1四半期にサボった人たちからどうやって罰金徴収しようか考え中)


2012/Apr 01: M. Olson, ''The Logic of Collective Action"
2012/Apr 08: P. Grice, ''Studies in the Way of Words"
2012/Apr 15: J. Austin, ''How to Do Things with Words"
2012/Apr 22: B. Anderson, ''Imagined Communities"
2012/Apr 29: M. Foucault, ''Discipline & Punish: The Birth of the Prison"
2012/May 06: J. A. Schumpeter, ''Capitalism, Socialism, and Democracy: Third Edition"
2012/May 13: H. Simon, ''The Sciences of the Artificial"
2012/May 20: M. Castelles, ''The Rise of the Network Society"
2012/May 27: M. Rosenberg, ''Society and the Adolescent Self-Image"
2012/Jun 03: N. Chomsky, ''The Minimalist Program "
2012/Jun 10: L. S. Vygotsky, ''Thought and Language "
2012/Jun 17: M. Polanyi, ''The Tacit Dimension "
2012/Jun 24: A. Giddens, ''The Consequences of Modernity "
2012/Jul 01: E. H. Erickson, ''Childhood and Society "
2012/Jul 08: H. Simon, J. March, ''Organizations"
2012/Jul 15: J. A. Schumpeter, ''Theory of Economic Development"
2012/Jul 22: D. Harvey, ''The Condition of Postmodernity"
2012/Jul 29: G. S. Becker, ''A Treatise on the Family"
2012/Aug 05: K. Popper, ''The Logic of Scientific Discovery "
2012/Aug 12: P. Bourdieu, ''Distinction: A Social Critique of the Judgement of Taste"
2012/Aug 19: N. Chomsky, ''Aspects of the Theory of Syntax"
2012/Aug 26: P. Bourdieu, ''Outline of a Theory of Practice "
2012/Sep 02: U. Beck, ''Risk Society: Towards a New Modernity "
2012/Sep 09: P. L.. Berger, ''The Social Construction of Reality: A Treatise in the Sociology of Knowledge "
2012/Sep 16: N. Chomsky, ''Some Concepts and Consequences of the Theory of Government and Binding "
2012/Sep 23: K. Arrow, ''Social Choice and Individual Values, Second edition "
2012/Sep 30: E. Said, ''Orientalism"
2012/Oct 07: G. H. Mead, ''Mind, Self and Society from the Standpoint of a Social Behaviorist"
2012/Oct 14: D. Kahneman, P. Slovic, A. Tversky, ''Judgment under Uncertainty"
2012/Oct 21: J. Butler, ''Gender Trouble: Feminism and the Subversion of Identity "
2012/Oct 28: A. Giddens, ''The Constitution of Society: Outline of the Theory of Structuration "
2012/Nov 04: H. Simon, ''Administrative Behavior, 4th Edition "
2012/Nov 11: E. Goffman, ''Stigma: Notes on the Management of Spoiled Identity "
2012/Nov 18: J. Bowlby, ''Attachment: Second Edition (Attachment and Loss Series, Vol 1)"
2012/Nov 25: G. Bateson, ''Steps to an Ecology of Mind "
2012/Dec 02: J. Fodor, ''The Modularity of Mind "
2012/Dec 09: D. O. Hebb, ''The Organization of Behavior: A Neuropsychological Theory "
2012/Dec 16: J. R. Anderson, ''The Architecture of Cognition"
2012/Dec 23: R. K. Merton, ''On Social Structure and Science "
2012/Dec 30: J. Dewey, ''Experience and Education"
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マイクロファイナンスのカラクリ
今は、マイクロファイナンス機関のDue Diligence(DD、投資実行前に行う諸々の精査のこと)をしにカンボジアにきている。もともとカンボジアとベトナムの両方に行く予定だったのに、ベトナムに行けなくなり、カンボジアだけをみることに。

IMGP8211.jpg(泊めて頂いた借手のお宅にて撮影)

今朝まではカンボジアの農村で寝泊まりしながら、現地の人々と一緒に過ごす。どのマイクロファイナンス投資ファンドの人々もこういうことはしないらしいが、現場感を補うためにはこういうことはとても大切だと思って最近はずっとこのスタイル。日中は、マイクロファイナンスの支店でオペレーションを精査。


そして、今日からは本部でマネージャーらを対象としたQAセッション。

オペレーション関連のセッションでのこと。
「このマイクロファイナンス機関では、借手たちによるミーティングを行わないのか?借手ミーティングは、借手のソーシャルキャピタルの強化、効率的なオペレーション、顧客の成長を共に実現できる素晴らしい仕組みなのに行なっていないのは勿体ないのではないか。」

と聞いたところ、バングラデシュでマイクロファイナンスに20年の経験があり、現在この調査対象のマイクロファイナンス機関に技術指導で来ている人がこう答えてくれた。
「それは非常に良い質問だ。私もここに来て半年、全く同じことを考えていた。このマイクロファイナンス機関はぜひ借手ミーティングを導入するべきだ。」

マイクロファイナンスが非常に高い返済率を実現し、マイクロファイナンス機関がとても効率的なオペレーションを行なうにおいて、最も重要なファクターの一つが、この借手ミーティングだ。日本では、顧客ミーティングの存在とそのビジネス上の役割はあまり知られていないのかもしれないので、少し書いておこう。


マイクロクレジットにおいてグループ連帯保証でお金を借りるのは、もうかなり古い話で、世界的にグループローンは減少の流れにある。諸々の理由があるが、グループローンを行うと、元々グループと強い関係の無い人や、経済的に苦しい状況にある人がローンを受けられないことになり、それは適切ではないということが主な理由だ。

しかし、グループローンの建付を放棄すると、二つの課題が生じる。

第一に、ローンの実施前において、借手とマイクロファイナンス機関との間に存在する情報の非対称性を何らかのカタチで克服する必要があるという点だ。この点については、ローンの審査担当者であるローンオフィサーらの訓練によってカバーされることが多い。

第二の課題は、ローンの実施後において、どのようにグループローンを行うのと同じようなグループの規律・協力を顧客の間で創出するかという点だ。そのための道具立てとしてもう20年以上行われているのが、借手ミーティングだ。

色々な形態があるが、この顧客のミーティングは次のような性質を持っている。
・毎週や隔週くらいで開催され、その場で返済が行われる
・借手らは自分たちの仕事や返済の状況についてディスカッションを行う
・場合によっては、マイクロファイナンス機関の職員がファシリテーションをして、ビジネスのディスカッションや社会教育を行う

IMGP6522.jpg(センターミーティングの様子)

イメージは、借手達が集まって行われる自治会のようなものだ。この、一見すると何の変哲もない借手ミーティングに、マイクロファイナンスのオペレーションの鍵がある。

第一に、借手ミーティングの場で返済が行われるため、マイクロファイナンス機関の職員たちは、一人ひとりの借手を訪問せずに一箇所で返済金を回収することができる。これだけで、マイクロファイナンス機関の職員の必要とする時間を大きくセーブしてくれる。

第二に、借手らは自分たちの仕事や返済の状況についてディスカッションを行うが、この毎週のディスカッションが行われることにより、借手の間のソーシャルキャピタルが強くなり、ある借手のビジネスがうまくいかなかった時に、他の借手がこの借手を助けようとするようになる。実際、成功しているマイクロファイナンス機関では、ある借手に問題が生じても、(連帯保証すら負っていない)他の借手らがその借手を助けようとする。

第三に、このミーティングの場所において、ある借手のビジネスにおける成功経験がシェアされることにより、借手たちの間で小さなレベルではあるがビジネスイノベーションが生じる場になっている。同時に、借手に対して社会教育を行うことにより、この場が借手自身の本当の意味の自立を支援する場所としても成立している。


この借手ミーティングの仕組みは、グループローンを放棄したマイクロファイナンス機関が諸々と考えた末に考案したソーシャルイノベーションで、先進国の資金調達の仕組みにおいても(とくにP2Pファイナンスやクラウドファンディング等)、多くのインプリケーションを与えてくれる。
イノベーションにおける教養について
イノベーションはもともと集団的な行為だ。イノベーションは個人の発想のように見えるかもしれないが、大抵の場合それは純粋な個人の発想の産物ではなく、彼・彼女が色々な分野にいる人々の知見に触れることによって生じるものだ。特に、全ての分野において専門分化が進んだ現代においては、共同体に根付いた集合的な実践知が求められている。

このようなCollectiveなイノベーションを起こす人に求められるのは、プロデューサーとしての資質だ。技術者、職人、専門家らをまとめて一つの成果物を創りだすプロジェクトリーダー的な能力が必要とされている。

異なる分野にいる人々の知見をまとめて新しいものを作り出すためには、当然ながら、各分野の専門家の言うことを理解できるだけの知見を持つ必要がある。しかし、各分野の専門分化がかように甚だしい現状において、どのようにしたらそのような「どんな分野の人のいうことであっても、その本質を理解できる能力」を身につけられるだろう。

イノベーション研究の泰斗である野中郁次郎先生は、このような能力を身につけるためにこそ教養が必要であると説く。具体的には、古典、歴史、芸術などに関する知見が必要となる。教養とは多様な知の共通項であり、言うなれば、すべての学問分野の根っこのようなものだ。それがあってこそ、様々な専門家らの言うことを理解できるようになる。

野中先生のこの一言を聞いた時に、我が意を得たりと思った。18歳の頃から何となく直感的に続けてきたことに、今になって意味を見出すことはうれしいことだ。これからも、黙々と古典を読み、色々な芸術に触れ、人の歴史を読み沈思黙考していこうと思う。
コーディネート力
事の始まりは、今の勤め先の面接に遡る。

僕:「モデル作りなら誰にも負けないと思います。」
相手:(ため息をついて)「そういう、エクセル早いですとかって、この仕事じゃあまり重要じゃないんだよね。全体のコーディネートをどうやってするかが大切なの。」

仕事を始めるようになって、この言葉を思い知るようになる。


今の仕事を通じて知った、実務上の一番大切な能力の一つは、全体のコーディネート力、とでもいうようなもの。PE(Private Equity)以外のプロフェッショナルファームでは、こういった能力を使う機会は意外と少ないかもしれないので、いまいち伝わりにくい気もするが、ちょっと書いてみる。この能力は、パートタイムでNPOをする上でも、本当に大切な能力だと思う。

PEの投資プロフェッショナル達が一つの案件をするとき、自社チームの人数は5人くらい(会社によっては大量に人を貼り付けるが)。このチームだけで投資先のデューディリジェンス、株主や経営陣とのやりとり・交渉、株式取得に関する諸々の手続き、ファイナンスづけなど大量の作業をすることはリソース的にも、知見的にも不可能だ。

だから、大勢の人々と一緒に仕事をすることになる。具体的には、弁護士、会計士、税理士、戦略コンサル、投資銀行の人々と仕事をすることになる。案件の大きさにもよるけれど、この協働する人々の人数は30人にはなる。しかも、皆それぞれの分野の専門家で、「自分よりはるかに物事をよく知っている人」との仕事になる。

こういった仕事をするためには、自分たちよりもはるかに大勢で、かつ専門性を有している人々と働く能力を身につける必要がある。それがコーディネート力で、必要なタイミングで必要な外部リソースの助けを借りつつ、その支援者がもたらしてくれる知見をしっかりと理解して次に進める能力とでもいえるだろう。コーディネート力を身につけるためには、相手の言うことを理解できるに必要な知識と、全体感を持つことが重要になる。

こういった能力は、自分の本業でもすごく大切な能力なのだけれど、自分がパートタイムで行っているNPOでも必要な能力だとつくづく思う。NPOの中にいる人々だけでできること、出せるアイディア、ソリューションには限りがある。その限界をしっかりと認識して、外部リソースとの連携をうまく活かして、所期の目的を達成するためのコーディネート力を発揮してこそ、最大の成果を出すことができる。
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