Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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"これまで”が崩壊する時代
先日、「よるヒル超会議」で、「"これまで"が崩壊する時代」というタイトルでトークセッションをした。

http://www.ustream.tv/recorded/23211485

グローバル化が進む中で、個人がどうやって生きるべきか、ということがテーマ。トマス・フリードマンが2005年に「フラット化する世界」で語ったことは、当時はまだ萌芽に過ぎなかったが、今は現実味を持っている。誤解を恐れずに概括すると、 (1)第二次世界大戦・冷戦の終結によって世界各国を隔てる政治的な障壁が下がったことと、(2)情報技術の進歩が、(1)世界レベルでの競争・協働と、(2)個人の台頭をもたらしている。


人類の歴史で時々訪れる飛躍的な技術の進歩は、雇用の不安定や格差の拡大と、ゲームのルールの変化をもたらすことがある。

先進国のリーダーたちが最も頭を悩ませているのが、雇用不安だ。特に若年層の失業率は先進国各国でどんどん高まっており、これは社会不安をもたらす可能性が高い。雇用の問題は決して不況によるものだけでなく、技術進歩とグルーバル化に伴い先進国で今まで通りの水準で賃金が支払われる仕事が減少している、という構造的な現象だから、先進国経済が不況から脱しても状況はあまり変わらないだろう。長期的には、新しい雇用が創出され問題は解決へと向かうが、歴史的にもこういった雇用の調整には少なくとも20~30年はかかるのではないかと思う。そうだとすると、雇用の調整が行われるまでの間に、仕事があって今まで通りの生活を送れる人と、そうでない人々の間に断絶が生じることになる。この断絶は社会不安を拡大するだろう。戦争が起こらなければ良いのだけれど。

そんな中で個人的に一番関心があるのが、子どもにどういう教育をするべきなのかという点と、どのような産業が新しく雇用を創出していくようになるのかという点だ。前者については、読み書き算盤と英語を土台にした創造性と課題解決能力の育成だろうと思うし、4冊目の本で書こうと考えていることだ。後者について一番興味を持っているのは、ピープルビジネスの可能性。ピープルビジネスというのは一般従業員の人間性が競争優位の源泉となっている事業だ。マクドナルド、スターバックス、スシローなど、成功している外食産業の多くは、自らの事業をピープルビジネスと規定し、従業員教育にかなりのコストを割いている。もちろん、飲食業が雇用創造の救世主であるというのはちょっと飛躍があるが、こういったピープルビジネスのあり方の中に、新しいメガ産業のタネがあるのではないかとぼんやりと考えている。こちらは本業で追いかけているテーマの一つ。


もう一つ、これから先にやってくることは、ゲームのルールの変化だ。

既存の枠組みが変化するとき、ゲームのルールもともに変化することがある。僕たちは多くの場合、「強さ」というと何らかの相手との勝ち負けを念頭に置くことが多いが、一番本質的な強さというのは、環境への順応能力だろう。個体の生命が周辺環境を超越することは基本的にありえないからだ。たとえば、地球が寒冷化したとき、恐竜と哺乳類の「強さ」は逆転した。人間社会においても、どこかのタイミングで人間の強さの要因が、腕っ節の強さから、知的な強さ・お金を稼ぐ能力・その他諸々の能力にシフトしてきた(ちなみに猿でもこれは同じことで、群が成長するほどにリーダーになる猿は腕っ節以外の能力を備えるようになるらしい)。

技術進歩やグローバル化程度で人間の強みの本質的な源泉が変わることは無いだろうけれど、より重視されるスキルセットは変わる可能性がある。たとえば、人間性やコミュニケーション能力が、今まで以上に人間の強みの大きな要因となるかもしれない。というのも、今後の社会においては様々な価値が創造されるネットワークへのアクセスがあることが、何らかの競争優位の源泉となる可能性があるが、そういったネットワークへのアクセスを得るために必要なのはお金でも検索能力でもなく、他人とのつながりをつくる能力だからだ。その能力は人間性やコミュニケーション能力といえるのかもしれない。
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