Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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6月ニュース①-経済・金融。
6月の(個人的な)主要ニュース。

このニュースエントリー、毎回長くなるので、(エントリー数を稼ぐためにも)二つに分けます。

今日は、経済と金融関連。


経済

インフレ基調が続いています。 (これは7月のニュースですが)モルガン・スタンレーの報告によると、50カ国以上が10%以上の物価上昇を経験しているようです。 原油価格はすでに3年前の4倍になりましたが、鉄鋼も中国における需要に後押しされ相当な価格上昇を見せています。リオ・ティントと中国の宝鋼集団の間で6月23日に決まった2008年度のオーストラリア産鉄鋼価格は、前年度比79.8~96.5%増になるそうです。 ブラジルのヴァーレとされた同様の価格交渉でも前年度比65%増の価格で妥結しています。

原油と鉄鋼価格の上昇を受けて、船舶の修繕費は最高で従来の2倍にもなっているようです。 これが漁民の生活を圧迫しているのは間違いなく、ヨーロッパでは原油高に抗議するデモが各地で繰り広げられています。 航空機業界も同様に深刻な打撃を受けていて、最近における航空会社の急激な統廃合の動きは原油高の影響を大きく受けています。 米航空会社が今年に入って発表した人員削減の総数は、6月5日で2万2000人になっているようです。

全般的な価格高騰に対し、価格水準が下落し続けているのは不動産で、4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は、前年度比16.3%下落したようです。これは、1987年の調査開始以来、最大の下落です。原材料高も背景として、日本企業の倒産は依然として高い水準にありますが、帝国データバンクの大型倒産速報の6割以上は、不動産関連企業が占めています。


金融

市況

日米両方の金融機関の貸し渋りが顕著になっています。
アメリカの通貨監督庁が62行を対象とした「2008年3月までの1年間の貸し出し姿勢と、その前年ではどのように変化したか」という質問に対して、融資基準を厳しくしたと回答した銀行の割合が、緩めたと回答した銀行の割合を5年ぶりに上回ったそうです。
国内銀行の2008年3月末における中小企業向け融資は約182兆円で、前年度から1.8%マイナスになっています(おそらく現時点ではその傾向はより顕著になっていると思われます)。反面、融資総額は404兆円で1.4兆円の増加です。これは大企業向けの融資が増加していることによります。

ちなみに、日本の中小企業に対する貸し付けが大きすぎるというのは昔から指摘されてきたことです(一部では負債がエクイティのようになっている)。このことについて、某コンサルのプレゼン資料には、利益率の決して高くない中小企業に銀行の資金を貼り付けておくのは、「実は冷たい政策なのではないか(すなわち、「延命」により傷をより深くする可能性がある)」と書かれていた記憶があります。それは正しいのかもしれませんが、僕には、融資を断られた人の前でそれを言う根性がまだありません。

また、東証らの調査によると、2007年度における外国人による日本株持ち株比率は27%で、5年ぶりに低下したそうです。マーケットが混乱している中、利益を確定させるための売りでもありそうですが、のみならず、この国の経済の先行きに対する不透明感がこれら結果をもたらしたのではないかと考えています。


金融機関

日本の金融機関は、世界においては結構いい感じなのかもしれません。

国内の金融機関のサブプライム関連損失は、2008年3月末にはついに1兆9000億円になりました。これでも、欧米の一つの金融機関の損失よりも小さい水準です。野村がインサイダー防止策として、職業倫理基準を採用のファクターとするようにしたそうですが、インサイダーは出来心を起こしたらできてしまうものなので、あまりworkしないかもしれません。それよりは、インサイダーを厳罰化するのが、手っ取り早いのだと思います。

先月は野村の海外進出についてすこし書いた気がしますが、日本の金融機関の海外進出がちらほらとみられます。みずほコーポレート銀行が、サウジアラビアの地元金融機関と組み、鉱石発掘のためのプロジェクトに対する4000億円のシンジケートローンを組成したそうです。このノウハウが蓄積されていくと、面白いかもしれません。他にも、三井住友がバークレーズに1000億出資しています。

オリックスはもう国内不動産価格が底をついたと判断し、自己資金の3000億円で都市部のオフィスビルやマンションを買おうという動きに出ています。マッコーリーは最近組成したファンドのうち、日本に5000億円を投資するそうです。不動産については、自社ビルのセール&リースバックがまた増えているようで、イオンは向こう3年間で自社の店舗をセール&リースバックして3000億円を調達する予定のようです。

日本ではいまだにアクティヴィストの活動が制限されている感がありますが、大手の日系運用機関も、少しずつものを言うようになってきた感があります。野村アセットと大和住銀投信は、約500社の株主総会における議案の一部に、反対票の送付を始めたそうです。その基準は、ROEが3年連続5%以下であることなどのようで(これはまだぬるい要件かもしれませんが)、こういう動きが少しずつ、市場の効率性を高めていけばいいと思います。Jパワーの社長さんは、TCIの要求が株主総会でことごとく否決されたことに「安心した」と話しています。確かに企業が自身のビジネスに専念していくことは大切で、それによって企業の利益が担保され、経済が発展するのだと思いますが、放漫経営者が安心するような状況は、決して好ましいとは言えないと思います(決してJパワーが放漫経営をしているとは言っていません)。


海外の金融機関は、引き続き大変なことになっています。

損失の責任を受けて、ワコビア、AIGのCEOと、リーマンの社長らが辞任に追い込まれています。 特にリーマンは、ヘッジファンドであるグリーンライトキャピタルから、空売りの公表をされていて、今のところ、ヘッジファンドの意図どおりに株価は20ドル以下にまで低下しています。 また、シティのCFOは自社が引き続き大きな損失を公表する可能性を示唆していますし、日本では消費者金融から撤退するそうです(「ディック」は閉鎖されるそうです)。 

そんな中、ゴールドマン・サックスは絶好調の前年度比わずか11%減の利益となる、2200億円をたたき出しています。 モルガン・スタンレーの利益は約1100億円で、前年度比60%の減少だそうです。 リーマンブラザーズは、3000億円の赤字で、緊急増資を行っています。


Comment
≪この記事へのコメント≫
1 サブプライム陰謀説(仕掛けた存在がいる)については可能性としてはどう思われますか?いるとするならば、原油等の投機をしている存在と重なる可能性は?

2 今回のインフレは、負債の圧縮には役に立たないと考えてよいのでしょうか。

3 スタグフレーションが始まっているなどと言われます。管理人さんはどう思われますか?

2008/07/09(水) 03:31:58 | URL | 三浦介 #-[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2008/07/09(水) 10:37:28 | | #[ 編集]
1.僕は基本的に陰謀説にはくみしません。まず、立証が難しい事について話しても時間がもったいないこと、次に、立証が出来たとしても具体的なアクションにはつながる可能性が低いであろうこと、などが理由として挙げられます。

2.結果的に、負債の価値が下がるという事はあるかと思いますが、日本ではあまりインフレの影響が強くないので、効果は限定的だと思います。

3.景気の停滞&インフレを合わせてスタグフレーションというのであれば確かにそうだと思いますが、スタグフレーションという言葉そのものが特別な意味を持つわけではないと思います。

これからもよろしくです!
2008/07/10(木) 01:23:34 | URL | Taejun #-[ 編集]
>管理人さん

とてもよくわかりました!ありがとうございました、これからもよろしくお願いします。m(._.)m
2008/07/11(金) 03:31:55 | URL | 三浦介 #-[ 編集]
いいえー。これからもよろしくお願いします!
2008/07/12(土) 01:28:09 | URL | Taejun #-[ 編集]
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