Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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クルーグマン・ミクロ経済学後半部分のまとめ。
図書館に行ったら、クルーグマンのミクロ経済学の教科書が。 さすがに、今になってこれを買おうというインセンティヴはないのですが、後半部分はしっかり勉強したことがない部分なので、備忘録替わりにまとめを書いておきます。

クルーグマンミクロ経済学クルーグマンミクロ経済学
(2007/09)
ポール・クルーグマンロビン・ウェルス

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外部性
公共財と共有資源
税・社会保険・所得分配
技術・情報財・ネットワーク外部性



外部性

個人や企業が社会に負わせる補償のない費用を外部費用、便益を外部便益という。この二つを合わせて外部性といい、それぞれ、負の外部性、正の外部性と呼ばれる。 コースの定理は、取引費用が小さい場合には市場内の交渉を通じて外部性を内部化することが出来る事を示した。しかし、市場の摩擦は大きいため、個人や企業の最適化は社会にとっての非最適化になりうる。

外部費用を削減する目的で提案される税はピグー税と呼ばれ、排出権取引(一定量の排出汚染物質の許可証の取引)とあいまって、効率的な外部費用を削減する手段となりうる。 すべての企業について一律に課される環境基準は、その硬直性から、企業の経済活動に悪影響を与えうる。

外部便益の代表例は、技術のスピルオーバーだ。 たとえば、シリコンバレーのいくつかの飲み屋では、技術者たちの接触を通じて、技術のスピルオーバーが起きていた。 このような外部便益を生み出す活動を促進するために考案された補助金を、ピグー補助金と呼ぶ。 また、外部便益を生み出す産業を支援するのが産業政策である。



公共財と共有資源

公共財と私的財を分類する基準は、排除可能性と消費の競合性(みなが一緒に使えるか)にある。 排除可能で消費の競合性があるものは私的財となる。 逆は公共財(公衆衛生や国防など)である。 排除不可能で消費の競合がある財を共有資源(きれいな水や生物の多様性など)と呼ぶ。 排除可能で競合性のない財を、人為的な希少財(有料の映画番組、PCソフトウェアなど)と呼ぶ。 

財から受ける便益を排除できない時、フリーライダーの問題が生じる。 消費の競合性のない財に正の価格がつくと、消費が抑制され、非効率性が生じうる。

公共財は政府によって供給されるべきもので(個人でやるのは、費用と便益のトレードオフ的に割に合わない)、その便益は個人が受ける便益の総和に等しい。限界費用と限界便益が等しくなるように公共財は供給されるべきで、それを行うために政府の存在意義がある(税収によって、適切な公共財の供給を行う)。 しかし、社会便益測定の難しさなどにより、適切な供給は困難だ。

共有資源は、過剰利用されてしまう可能性を持っている。 この問題は、ピグー税、取引可能な許可証制度の導入、所有権の付与などで解決しうる。



税・社会保険・所得分配

租税政策の目標は、公正性、公平性、効率性だ。税の効率性は、税の費用(死荷重や超過負担、行政コスト)が最小になるときに達成される。 

税収は社会保険、所得再分配、公共財の供給などの公共支出に用いられる。 課税を、公共支出から受ける便益に応じたものにすべきという考えを応益原則、支払い能力に応じたものにすべきという考え方を応能原則という。 

公平性と効率性の間にはトレードオフがある。 たとえば、人頭税は、インセンティヴをゆがめないが、公平性の観点から問題となる。 逆に、累進課税は公平性にはそぐうものだが、平均所得税率よりも限界所得税率を高めうるので、インセンティヴに悪影響を及ぼす。


貧困線とは、受け入れ可能な生活水準を実現するために最低限必要な年収の推計値だ。 貧困率は、この貧困線以下に暮らす人の総人口に対する比率を示したものだ。 貧困層に対する援助としては、福祉、現物給付、負の所得税がありうる。 ただし、このような所得の再分配についても、効率性と公平性のトレードオフが存在する。



技術・情報財・ネットワーク外部性

情報そのものが主な価値となる情報財が、経済において重要性を増してきている。 情報財の特徴は高い固定費と非常に低い限界費用にある。 情報開発のインセンティヴを向上させるための仕組みには、特許と著作権がある。

情報財の特徴の一つにはネットワーク外部性(多くの人が利用することによりその情報財の価値が高まること)がある。 このネットワーク外部性が働く時、初期の失敗や成功は後々にも反復されるが、このことを、ポジティヴ・フィードバックと呼ぶ。 よって、初期において小さな優位しかもたなかった財が、後に支配的な財になることがあり、この事をなだれ現象(ティッピング)と呼ぶ。 

ある人があるネットワークに入っても良いと思う時の最小のネットワーク加入者数の事を、臨界的ネットワーク規模と呼ぶ。 ネットワーク加入者数が臨界点を超えると、その市場は爆発的に成長する可能性がある。 

ネットワーク外部性を強めるには、競合する財が共に使えるようになる標準の形成が重要となる。 また、政府の役割として、この標準が劣ったものに固定されないようにすることがある。 劣った標準が固定されていることを、QWERTY問題(キーボードの上の段のアルファベット配列がなぜかQWERTYになっていることに由来)という。 

Comment
≪この記事へのコメント≫
こういう理論の使い方
は、実際問題を考える際に、これら経済学のロジックをフレームワークにしていくことにあります。もちろん経済学のロジックで環境問題をすべて斬ることはできないと思うのですが、すごくいい訓練になると思います。
2008/07/27(日) 00:58:58 | URL | Taejun #-[ 編集]
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