Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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いきの構造。
どんなに忙しくても、インプットをしない限りまともなアウトプットが出ないのを痛感します。忙しくても、ものをインプットすることは忘れないようにしたいですね。それは、もしかしたら長期的にはより時間を有効利用できるものにしてくれるかもしれないですし。

齋藤孝のお薦めだった、いきの構造を読みました。
「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫)「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫)
(1979/01)
九鬼 周造

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「粋」とはいったい何であるか、というのを、長い字数をかけて究明しています。 正直、その内容がどんなものなのか、というのは僕にとってはどうでもよいのですが(ごめんなさい)、物事の考察の進め方としては、非常に勉強になる本だと思いました。



1.まず本質を抜き取る
2.座標軸に配置する
3.現場を見る


1.まず本質を抜き取る

「粋だねえ」、というときに思い浮かぶのは、たとえばお祭りでの威勢のいい声だったり、凛とした正座姿だったり、地味な表地に派手な裏地だったりといろいろとがあります。 しかし、こういう現象を見つめるだけでは、一向に「いき」の意味にたどり着くことができません。 特に、「いき」のように、非常に広い範囲で使われ続けている言葉に対しては。


物事の意味を考えるときには、個別具体的な事象から、まず本質を抜き取る必要があります。
その本質の抜き取り方として著者が行っているのは、以下の2点です。
1)まず、ベースとなる概念をもってくる(宝石で言うと原石を持ってくる)
2)その概念を、他の視点をフィルターにして狭める。(宝石を削って宝石にする)

著者は、1)において、「いき」のベースとなるのはセックスアピール(媚態)とし、2)次いで、「意気地」と「諦め(運命に対してきっぱりとした姿)」によってフィルターをかけて、「いき」という言葉の意味を汲み取っています。 

フィルターは、当然ながら、ベースとなる概念に関連したものでないといけません。著者が「意気地」と「諦め」をフィルターとして用いた理由は、セックスアピールというのは、不確実な運命の下でこそ存在しうるものだからです(たとえばすでに男女関係ががっちり固まっていて動かす余地がないのなら、セックスアピールの存在はあまりない)。 不確実性を耐え抜くために意気地が必要だし、時には運命に対して諦め(Let it be的な心境)る心構えも必要になるでしょう。


2.座標軸に配置する

そして、次に、他の概念との位置関係を把握します。
渋み・野暮、意地・甘味、上品・下品、地味・派手を座標軸として、著者は「いき」の外延的構造をより明確にしようとします。 

この座標軸を設定するにおいても、当然ながら、「いき」そのものへの理解が必要です。 そうやって、「いき」に関連する概念たちとの比較により、概念の意味はより明確化されていくことでしょう。



3.現場を見る

そして、ここまでした後に、初めて、「いき」にあふれている現場について考えを巡らせるわけです。 すると、服装や声の出し方、美術など、すべての日本的なものに含められている「いき」という概念が、雑多な寄せ集めとしてでなく、一つの正しいロジックにしたがったものなのであることに気づくことになります。


知的作業をするときの教科書みたいな考え方の本でした。




Comment
≪この記事へのコメント≫
『関さん、「侠」ってのは言葉にゃできねぇんじゃねぇのかい?』

蒼天航路より劉備

『粋』ってぇのも言葉にしちゃあ野暮ったくなりやしませんかねぇ?
2008/08/15(金) 15:37:27 | URL | 三浦介 #-[ 編集]
仰る通りですね。。
まあ、それでも哲学者の仕事の一つはこういうことを明らかにすることなのでしょうね。
2008/08/16(土) 22:08:46 | URL | Taejun #-[ 編集]
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