Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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経済学のためのゲーム理論入門。
最近は非常に忙しいのですが、その合間を縫って、Tirole勉強会の蟻川先生から紹介いただいた本をやっと読み切りました。
熟読するべき本はノートをとりながらじっくり読んでいくので、結構時間がかかるんですよね。

経済学のためのゲーム理論入門経済学のためのゲーム理論入門
(1995/07)
ロバート ギボンズ



本書は、ゲーム理論を学ぶのであればまず読むべきといわれている本です。コンパクトな本の中に、非常に簡潔で硬派な記述がされており、安心して読める本でした。(「定義」とか、「条件」とか、いう言葉でそれぞれの命題がくくられているような本の方が読んでいて安心できるような人間になってきました。)

ゲーム理論におけるゲームは、大きく4種類に大別され、それを分けるのは、ゲームが静学か動学か、情報が完備か(すなわち、それぞれのプレーヤーが相手の利得関数を知っている)か、不完備かという基準です。すなわち、ゲームには完備情報の静学ゲーム、完備情報の動学ゲーム、不完備情報の静学ゲーム、不完備情報の動学ゲームの4種類があるわけです。
それぞれには均衡の概念が存在し、ナッシュ均衡、サブゲーム完全なナッシュ均衡、ベイジアン・ナッシュ均衡、完全ベイジアン均衡がそれに当たります。といっても、これら均衡概念はお互いにかけ離れたものではなく、ナッシュ均衡の概念をゲームの仮定の複雑化に合わせて調整しているものというのが適切なのだと思います。「与えられた条件下で、合理的に、想定しうる相手の行動に対して適切な行動をする結果達成される」というのが、それぞれの均衡の共通点なのだと思います。


それぞれのゲームについて、現実の事象を例にとった研究の紹介がされていることがとても良かったです。なぜなら、これにより、ある経済事象についてゲーム論的に考える思考訓練が出来るからです。巻末の練習問題に解答がついていたら文句なしだったのですが、そこは少し残念。

もともと、僕はゲーム理論について多少の幻想を抱いていたのかもしれません。その幻想は、「ゲーム理論を分かれば、現実を打開する魔法の答えを得られるはずだ!」というようなものでした。これは幻想だったようです。(というか、もしそうだったら、ゲーム理論の学者は皆それら魔法の答えを実践しているはずなのだから、ちょっと考えればこれが幻想だという事は分かるはずなのですが。)

他の理論と同じように、理論が教えてくれたのは、現実を理解するためのフレームワークであり、魔法の答えではありませんでした。

しかし、この現実を認識するためのフレームワークが非常に重要な事は言うまでもありません。
フレームワークそのものが魔法の答えをもたらしてくれるわけではありませんが、フレームワークは、現実を打開するために考える戦略が正しいものかどうかについて、貴重な示唆を与えてくれるからです。また、フレームワークを持つ事は、明らかに間違いな戦略を排除できる事につながります。

幻想は消えたものの、やはり経済学は面白いです。
この秋は大学院の聴講で時系列分析を取っているのですが、これと同時に、下記を読んでいければと思っています。これを読むと、Tiroleの教科書がもっと面白いものになりそうですし。
The Theory of Incentives: The Principal-Agent ModelThe Theory of Incentives: The Principal-Agent Model
(2002/01)
Jean-Jacques LaffontDavid Martimort

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