Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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国をつくるという仕事。
国をつくるという仕事国をつくるという仕事
(2009/04/07)
西水 美恵子



著者のことは、雑誌「選択」(おすすめです)で知っていて、僕がこの雑誌を読み始めてまもなく、ブータンの雷龍王のエッセイを読み、いたく感動したのを強く覚えています。その「選択」に掲載していたエッセイをまとめたものが本書です。

世銀の副総裁であった著者の、各国(特にアジアの諸国)での随想録となっています。茨木のり子を彷彿とさせる著者の文体に、強い愛着を感じながら読みました。

珠玉ともいえる本書の中で特筆すべきは、ブータンに関するエッセイたち。僕がこの本を購入した理由もまさにここにあったわけですが、ブータンの雷龍王こそ、指導者のロールモデルだと思います。

思慮深さに裏付けられた知性と結びついた思いやりが余すところなくあらわれる行動、いつも自己省察を続ける真摯な姿、さらには民衆の盲従を避けるために自らすみやかに王位を去る潔さから、各国の指導者たちは多くを学ぶべきだと思います。雷龍王の人間性は国民に深く浸透し、ブータンで出会う国民の多くが素晴らしい人々であったと、著者は回想します。

さらに「さすが」と思ったのが、インドのブータンに対する態度。インドは人口70万人にもならないブータンを、大国に対すると同じ礼をもって遇しているそうです。これは、ネルー首相時代からのことで、現マンモハン・シン首相にも共通しています。国を遇するにおいて、その経済力や軍事力でなく、純粋な徳をその土台としているという点において、ガンジー以来の伝統を確かにインドは受け継いでいるのだと感じました。 

(ちなみにインドの人々がが人物を徳を基準に評価する伝統は、ブータン以外の例にも見られます。元々インド人ではなく、かつヒンズー教徒でもないマザー・テレサを「偉大なインド人」第1位に選出したのも、他ならぬインド人でした。(ガンジーは国父なので、この投票から除外されています))


本書の印税のすべては、ブータンの王妃が運営をするNGO、タラヤナ財団に寄付されています。著者いわく、このNGOは、経費を最大限に切り詰め、可能な限り寄付金を実際の貧困削減に充てているそうです。こういうNGOに対しては、NGO本体に寄付をするのが最も妥当であるにも関わらず、プロジェクト以外にファイナンスをつけられないのが多くの援助機関の弱点であり、だからこその著者の印税寄付なのでしょう。


本書の著者も指摘しているように、日本においても、家にお金がなければ教育を満足に受けられず、未来への希望が持てない世の中が現実になりつつあります。僕は自分の本の印税の半分は、これを少しでも抑えるための塾作りに充てようと思っています。(残り半分は著者と違い、親兄弟と僕の養育費をまかなってくれた親戚のために使います)

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