Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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出口なし
二日連続The Economistネタを書くのも恐縮なのですが、池田信夫ブログで言及されていたこの記事は、読むに値すると思います。記事の内容を僕なりに要約すると、こうなります。


家族的資本主義は戦後の日本の資本主義の姿であり、経済のスムージングを果たしてきた。家族資本主義の日本では、この最悪の状況においてもパフォーマンスの悪い企業は救済されている。最近通過した2兆円の予算はパイオニア、エルピーダ、日本航空などの救済に充てられるだろう。救済は欧米でも行われているが、大きな違いは、これが例外であるか(欧米)、システムの根幹をなすか(日本)、にある。

救済は、パフォーマンスの良い企業への負担となり、経済全体を停滞させる。パフォーマンスの良くない企業は市場から退場するのが常であるのに、日本では政府の援助によりそれがなされてこなかった。たとえば携帯メーカーなど、海外では少数の企業による競争が主流である分野においても、日本ではいまだ多くの企業が生き残っている。

資本主義における破壊と再生の重要性こそ、日本の失われた10年から得るべき学びであり、日本でいま必要なのは、より多くの倒産である。




経済が成長するために最も大切なことは企業でも国家でも同じで、それは働く人一人ひとりの意欲、インセンティヴにあると思います。Living in Peaceが今マイクロファイナンスに注目しているのもこの信条に由来しています。

インセンティヴという点から考えると、企業救済は、税金の無駄遣いであると同時に、より深刻な問題をもたします。それは、救済されることが「事前に」分かってしまうと、企業は生き残りのための自助努力を怠るようになり、それが生産性、効率性、創造力の低下につながるからです。

この「事前に」、というのがポイントです。企業が倒産する以前の段階において、救済はされないと人々を信じさせることが出来るのなら、実際に救済がなされたとしてもその悪影響は小さいものにとどまります。The Economistも指摘するように、欧米における救済は、いまだに「例外的なもの」と捉えられているため、救済がなされたとしても、それが今後ほかの企業に対してもなされるという保証はないと人々は考えるゆえに、インセンティヴを悪化させる可能性は比較的低いと言えます。しかし、日本における救済は、半ば常態化している感があり、これは、インセンティヴに大いなる悪影響を及ぼしています。


もう一つの問題は、雇用の流動性の低さです。終身雇用が保障されたいわゆる「勝ち組」が、まともな仕事もろくにせずにふんぞり返っていることに代表されるようなインセンティヴへの悪影響そのものも深刻です。ですが、それとともに、固定化された雇用システムは、上述の破壊と再生による痛みを大きくするために(一度会社が倒産すると、どこにも働き口が見つからなくなってしまう)、抜本的な改革を踏みとどまらせるという、もう一つの深刻な問題を有しています。

雇用の流動性を達成するために、選挙を通じて改革を行っていくしかないのですが、こういった目的を掲げる大きな政党はなく、また、高齢化社会となった日本では、この固定化された雇用から便益を得る中高年が、投票源の多くを占めているため、まさに八方手ふさがり。

この紹介した記事のタイトルは、No Exit。タイトルの通り、出口が見えません。強烈なリーダーシップなしには、何も進まないように思います。



Comment
≪この記事へのコメント≫
初めまして
いつもブログ興味深く拝見しております
よく言われることかもしれませんが、経済発展が全てではないという観点からの政策もあるのではと考えたりします
確かに、書かれたような救助政策は下策だと思います
しかし池田さんが最後にかかれたように、日本オワタでもいいと思うんです
そこまで行かなくても、京都のように利益ではなく技術や付加価値に重点を置いた論点もあるように思います
Taejunさんのようなファイナンスに詳しい方から見るとそういうのはどういうものになるんでしょうか?
ふとした疑問で申し訳ないです
2009/06/20(土) 16:12:55 | URL | anybaby #-[ 編集]
まさしくtaejunさんのおっしゃる通りだと思います。確かに、戦後高度成長を遂げるためには従来のシステムが適していたのかもしれません。
しかし終身雇用も今は足枷でしかないように思います。制度は常に時代によって変わるべきであり、日本に今必要なのは制度改革能力だと思います。

よく「成長が全てではない」という意見がありますが、未だ情緒論でしかないように思われます。もっと議論を深めることが社会を通して必要な気がしています。
2009/06/21(日) 12:00:07 | URL | highlighter #-[ 編集]
Re: タイトルなし
anybabyさん、はじめまして。コメント有難うございました。
仰る通り、別に成長を望まないのも、もしそれが国民の総意であれば、ありだと思います。しかし、そうだとは思えなかったりします。

また、何かを目指すときに、それを出来るけれどやらない、と出来ないでは、大きな違いがあると感じています。
2009/06/21(日) 17:09:29 | URL | Taejun #ZMelWszU[ 編集]
Re: タイトルなし
highlighterさん、はじめまして。コメント感謝です。

そうなんです。誰かが現状をがっつり打開しないといけないと思うんですよね。
リーダーが求められていると思います。
2009/06/21(日) 17:10:16 | URL | Taejun #ZMelWszU[ 編集]
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