Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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金融技術戦争? - High Frequency Trading System
ぐっちーさんのブログでも書かれていたHigh Frequency Trading(HFT) Systemですが、これ、海外のメディアでは先月末にかなり取り上げられていたものです。

コンピューターの計算スピードを可能な限り早くして、マーケットでの注文と執行のわずかなタイムラグの間に注文・執行を行い、利益を得るというもの。(NYTの例では、この時間差によって価格の0.5%分の利益が得られる場合もあるようです) Economistによるとこのシステムはなんと1秒に1000回の注文を執行できるそうです。HFTによる売買のボリュームはすさまじく、NY証券取引所の50%のボリュームがこのHFTによるものと推定されています。

コンピューターによるトレーディングシステムは、しばしば経済誌の話題にはなってきたのですが、7月にゴールドマンの従業員が会社のプログラムを盗用した疑いで逮捕されたのをきっかけに、注目が高まってきた感があります。


HFTは市場に流動性を提供するとともに市場の効率性(情報に対する市場の反射スピード)を高めることに貢献するのかもしれません。しかし、いくつか不安があるのも事実。ぱっと思いついたものを3つ取り上げると:

・過剰な価格変動:おそらくプログラムを何らかの形で制御しているとは思うのですが、バグが生じたときにこの高速でのトレーディングは恐ろしい結果をもたらす可能性があります。

・公平性の観点からの問題:優れたシステムの開発にはかなり大規模の投資が必要となるため、結果として大企業が圧倒的に有利となりがちです。この点について、公平性の観点から指摘がされる可能性があります。

・技術的に劣る投資家の退場による市場のパフォーマンスの低下:もし数社しか優秀なトレーディングシステムを作成できないような場合には、負けが見えてしまう機関投資家や個人投資家が短期取引市場から退いてしまう可能性があります。こうなると、市場全体の流動性の低下などの問題が生じる可能性があります。
ちなみに、一部の機関投資家は、これらHFTのアルゴリズムを狂わせるための注文を出すシステムを開発しているようです。


当分の間、短期トレーディングの世界では、こういうアルゴリズムの開発競争が過熱していくのかもしれません。短期トレーディングは基本的にゼロサムの世界なので、このトレーディングシステムそのものが世にとって価値あるものを創造するかはよく分かりませんが、こういう競争の副産物として様々な価値あるものが世に出ることは歴史上少なくありませんでした。個人的には、その副産物にちょっとワクワクしています。
Comment
≪この記事へのコメント≫
既にそうなっているのだろうとも思うのですが、HFTによって見かけの出来高が増えて、とはいえ必ずしもそのことが高流動性を意味しない状況もありそうですから、大きなポジションを持つ投資家は要注意かもしれませんね。
2009/08/14(金) 22:21:08 | URL | equilibrista #-[ 編集]
>とはいえ必ずしもそのことが高流動性を意味しない状況もありそうですから、

仰る通りだと思います。 10年後の市場はどうなっているんでしょうね。 これはこれで楽しみです。 
2009/08/14(金) 23:56:26 | URL | Taejun #-[ 編集]
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