Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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過不足なく主張する能力
84153.jpg今の自分に最も必要な能力のひとつが、過不足なく主張する能力だ。

科学の論文のように、何かの命題を証明するために過不足なく情報を提示するのは比較的容易だ。前提条件と論理的な展開から結論は間違いなく導かれるので、必要な前提条件をまとめたのちに、論証を行えばよい。論証が難しい場合においても、論証のために何をするべきかの見当はつく。

しかし、これが事業を行う上での主張となると、論証の難易度は一気に高まる。難易度の高さの理由は二つある。一つは、事業における主張に相手が耳を傾けてくれる時間は限られているからだ。もう一つは、主張をするうえで必要な判断材料が完全ではなく、かつ、物事に作用する因果関係のすべてを明らかにするのは不可能に近いからだ。

不完全な情報と限られた時間の中で、相手に自分の主張を受け入れてもらうためには、ある主張について過不足なく語る能力が必要となる。相手の意思決定(ここがポイントで、意思決定は自分のものではなくて、相手がすることだ)のための判断材料を、限られた分量で、必要なだけまとめることが重要になってくる。

前職での僕の仕事は「数字を積み上げる」ことだったので、主張のために必要な材料を揃えることは比較的容易だった。今の仕事やNPOの活動をすすめる上では、過不足なく主張する能力の必要性が高まっているのを日々感じる。


過不足なく主張する能力を鍛えるためには、二つのことが重要だと思う。

一つは、状況を理解することだ。どのような人に主張を受け入れてもらう必要があるのか。その分野に対する理解度はどれくらいで、意思決定においてどういう側面を重視する人々なのか。自分に与えられた時間や紙面はどの程度なのか。

もう一つは、物事を分析するに最適な枠組みを判断することだ。ある物事を、もれなく、かぶりなく主張するためには、分析の枠組みが大きな力を発揮しうる。ここでいう枠組みには、何かの学術的な理論や、戦略論で用いられるようなフレームワークなど、様々なものがある。こういった枠組みを理解することも重要だが、問題の内容や状況に応じて主張を論拠付けるのに最も適した枠組みを選びとることのほうがもっと重要だ。

適切な枠組みを選択することができるようになると、相手の主張のどこに問題があるのかだけでなく、相手の主張を論証するのに足りない情報が何かについても見つけられるようになる。「説かれていることの問題点」を見つけることより、「説かれていないことの問題点」を見つけるほうがはるかに困難で、多くの場合価値が高い。また、適切な枠組みを選択しておくと、どんな質問がくるのかも予想できるようになり、先回りができるようになる。


主張を過不足なく語るために必要な、状況を理解する能力や、適切な枠組み選択能力は、勉強と経験によって身につくのだと思う。一日で解決できることではないが、毎日の訓練を積み上げていけば、比較的早く身につけることができるようになるのかもしれない。そのために必要な訓練は、他人の主張を傾聴してよく考えること、発信の場を多く設けて他人からのフィードバックを多く受けられる場をつくることがありそうだ。幸いながら僕はこういった機会に多く恵まれているので、日々その機会を利用できるようにしたい。
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