Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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書くことの苦しみと喜び
本業のドタバタの中、児童養護施設本の原稿をようやく校了した。

前にファイナンス理論の入門書を書いたときは、原稿の下書きは5日で終わり、残り2ヶ月をかけて色々な人にコメントを頂きながら原稿は完成した。他にもファイナンス関連の本のドラフトを書いているのだけれど、このドラフトも書き始めてから3週間くらいで10万字くらいの分量を書くことができた。

でも、この本を書くのは本当に苦しかった。企画された段階からここまで一年半が必要だった。

この期間に、書くことの苦しみと喜びを味わった。

一番悩んだのは、「いつか、僕が関わった児童養護施設の子どもたちが大人になってこの本を読んだ時に、どう感じるだろうか」という点だ。確かに子どもたちが今置かれている状況はすごく大変だし、施設の状況も良くはないから、それを事実として書く必要はあった。けれど、子どもたちには未来があるし希望がある。特に、こういった困難な状況を乗り越えたときの子どもの強さは、他に比べ難い強みにもなる。実際、この期間に出会った子どもたちとのやり取りを通じて、僕は人がどれだけ多くの可能性を持っているのか感じることが本当に多かった。そういった思いをきちんとカタチにすることができるのか、ずっと思い悩みながら書いていた。特に子どもの描写については、何十回と書きなおした。最後の最後まで直し続けた。今もまだ不安でいっぱいなのだけれど、この本についてある施設出身者に話した時に「しんさんの本を応援するよ」と言ってくれたのが、本当にうれしかった。


次に悩んだのは、果たして外部者である僕が正しく児童養護施設の実態を描けているのか、という点。確かに住み込みはしたことがあるし、職員さんともやりとりはするし、客観的なデータはかなり集めた。でも、事実は部品の寄せ集めではない。人間のパーツを作って組み合わせてみても、そこに魂を吹き込まないと動き出さないのと同様に、色々な事実を魂をもって集約するということが必要だった。これも悶々と悩んでいたのだけれど、ある児童養護施設職員出身者に、「施設の様子や子どものセリフ遣いなどに、全く違和感がない」と言われたときは本当にうれしかった。単純に本で描いている風景がリアルで嘘でない、ということがうれしかっただけではなくて、僕自身が児童養護施設を総体として理解できていると感じたことがうれしかった。問題解決は対象に対する深い洞察から生まれるので、自分たちが行なっているプロジェクトの正当性についても確信を深めることができた。


今回僕の受け取る印税は全額寄付するので、これを買ってくれるだけでも、100円強が児童養護施設に寄付されることになる。


この本は、11月3日のLIP教育プロジェクトのフォーラムでの先行発売も予定しているのだが、最後にこのフォーラムの簡単な告知を。

今回の教育フォーラムでは、サブタイトルの「Think and Act Now」の通り、(1)子どもをとりまく状況と、(2)その未来への希望、そして(3)私たちのできることをテーマにお送りする。

(1)については岩波新書「子どもの貧困」の著者である阿部彩先生に子どもをとりまく状況の全体像をご説明頂きつつ、児童養護施設、筑波愛児園の山口公一理事長にお越しいただき、現場のお話も伺うことになる。

(2)については、子どもたちのロールモデルとなりうる素敵な二人、ヒューマン・ライツ・ウオッチの土井香苗さんと、女優のサヘル・ローズさんから、これまでの生い立ちと現在・未来についてお話をして頂く。お二人が現在されている活動も素晴らしいのだけれど、その背景にあるこれまでの物語を聞くとより多くの感動を得られるとともに、子どもの未来についての希望も抱けると思う。

(3)については、全参加者と会場を巻き込んだパネルディスカッションを通じてお話を出来ればと思う。

個人的にも自信をもっておすすめできるフォーラムなので、お時間のある方はぜひお越しください。フォーラム収支の半額は児童養護施設に寄付され、残り半額が今後の活動経費に充てられる。申し込みはこちらから。子連れの方向けのキッズルームもあります。

申し込みはこちらから。
http://ow.ly/70qiN

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