Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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演劇と印象
"The Presentation of Self in Everyday Life"は、演劇のアナロジーを使って、社会関係を分析した本だ。Lakeoff&Johnsonの主張したメタファーの力強さを教えてくれる一冊でもある。

演劇で構築される世界は、服装、演技、舞台、など各要素の完璧な統一により成立する。調和しない要素が一つでもあると(例えばローマ時代の演劇で携帯が鳴ったりすると)世界を崩してしまうため許容されない。この演劇の世界の構築のされ方こそ、社会の本質であると著者のErvin Goffmanは考えた。

一度ある状態が設定されると、人々はそれに従うように協調する。例えば、江戸時代という状態が設定されれば、役者はそれに合わせて自分の演技を作り込む。これは、実社会でも同じ事で、例えば優雅なパーティではドレスコードが厳しく設定される。


この考え方はいくつかの貴重なインプリケーションを与えてくれる。まず、ある人が他人に良い印象を与えたいのであれば、まずするべきことは、場の作り込み(状態設定)であるということだ。例えば、家をきちんと片付けて人を招くことは、状態設定の一つのテクニックだろう。

他にも、演劇では裏舞台を見せない(すなわち、実世界でいえば、私生活を見せない)などの工夫がこらされている。こういった演劇で用いられる世界観構築のための全ての技術というのは、私たちが普段自分の印象をよりよいものにしようと努力する時に用いる技術に他ならないと彼は喝破した。

また、演劇の各要素に要求される全体としての調和は、その時代時代において、人々がその役に対して抱く観念や価値観の総体を反映しているものでもある。なので、ある役がどのように演じられてきたのか、世界がどのように描かれてきたのかを見ることによって、その時代とその社会における価値観の総体を見つけることができるだろう。
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