Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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マージャー エンド アクイジション。
 件のライブドアの買収騒動、ついにソフトバンクが乗り出した。 結果はどうなるかまだわからないが、今日は、M&Aについて少しまとめてみようと思う。

 Merger(合併)&Acquisition(買収)、略してM&Aである。 一般的に言うと、買収される企業が消滅する時がM,存続して経営権が移行するのがAである。 買収全般を指して、バイアウト buy outともいう。 


 日本におけるM&Aは、80年代後半は400~500件だったのが、2000年には1700件を超え、急増している。 背景には、合併基準の緩和、持ち株会社の解禁、合併届出基準の簡易化、株式交換・株式移転制度の導入など、規制緩和や法制度の整備と、世界的な金融緩和、規模の経済性(大規模で作るほど、生産コストが低下する程度)の上昇などがある。 

 M&Aを行う目的は、大きく分けて3種類である。
 1.業界の再編成
 2.競争力の強化
 3.救済 

 M&Aの種類は、垂直・水平的~、など色々があるのだが、今話題になっている敵対的M&Aと友好的M&Aの区別を。 両者を区別するのは、大まかに言えば、買収される側の合意があるか否かにある。 
 買収を仕掛けられた際に、より好ましい相手に買収してもらう方法がある。 このより好ましい相手が、ホワイト・ナイト(白=良、という価値観がこんな所にまで…)である。

 
 30年以上前は、M&Aの多くは友好的なものであった。 しかし、75年以降のアメリカを皮切りに、敵対的M&Aが急増した。 当時のアメリカの企業の23%は敵対的買収を経験したのだという。

 しかし、日本においては、敵対的買収にはかなりの嫌悪感があった。 和を好むとされる、この国の風土には合わなかったとされている。 


 さて、しかし、敵対的M&Aは、果たして悪なのか。 それが問題である。 

 上でも述べたようにM&Aの最大の目的は、事業構造の再編成にある。 過剰雇用とか過剰設備以上に、事業構造の問題は大きな非効率を生んでいる。 イメージとして、一つの商店街に八百屋が10軒もある場合を考えてみて欲しい。 こんなに八百屋がいっぱいあったら、値切りがかなりしやすい。必殺の一言、「じゃあ、他のお店で買うことにします。」   
 具体的には、建設業界などがあげられる。 去年行っていた建設会社の秘書バイトで痛いほど経験したが、この産業では現在、圧倒的に売り手が過多である。 こうなると、商品の価格が下がってしまい(安請け負いの建設が増える)、利益率が下がる。 結果、経済全体に負担がかかっているのである。

 この類の問題の解消では、経営陣に多く負担が行きがちであるため、経営のトップはこの手の問題を回避する傾向がある。 自己の保身を第一に考える経営陣に、現在の問題の一部の理由があるのである。 不況期に生じる問題の解消のためには、敵対的M&Aを行うのがベストの場合もあると思われる。 
 ちなみに、75年以降急増したアメリカにおける敵対的M&Aの増減は、不況とリンクしている。 日本で急増したM&Aは、その殆どが友好的なもので、さらに、業界構造の変革を必要とする産業においては、相対的に少ない。 



 事業構造の再組織化と言うと、雇用の削減などが連想されるが、そうとは限らない。 特に、日本において、雇用の削減が従業員のモチベーションを下げ、結果企業の競争力を低下させることは周知の事柄であるので、組織の再構築が直接失業者を大量に生じさせるとは考えがたい。
 
 
 ここまで鑑みると、日本における敵対的M&Aの是非を判断するのは、かなり微妙な問題だと思われる。 なのに、現在の日本における言論は、感情論が跋扈している。 経済問題、法律問題や、歴史問題など、理知的に考えるべき問題が、感情問題に摩り替わる事が多い現状は、かなり、危険だと思う。 

 個人的には、M&Aを奨励すべきと思っている。 特に、結果的に敵対的になるであろうと思われる、事業構造が奇形化している分野、例えば、建設や不動産分野において。 

 ただし、ただ奨励するのみではいけない。 政府の制度的保障を強化する必要がある。 M&Aの増加により、失業者が、一般の予想よりは少ないとは言え、それでも出ると思われる。 この人々の生活を保障する制度を民間で作ることは難しい。 これは、政府の仕事である。 M&Aを容易にする制度を作るだけでは、片手落ちの政策である。 政府のセーフティネットの整備を伴った、M&Aの促進は、日本の経済の回復に大いに資すると思われる。


                        以上。


 読んでくれた方、ありがとうございました。
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