Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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あなたの中のリーダーへ
「国をつくるという仕事」は本当に好きな一冊。あまりにも好きだったので、音読して録音してずっと聞いていた。著者である西水美恵子さんの真似をして、マイクロファイナンス機関の調査にいくときは、いつもマイクロファイナンスの借手のお宅にホームステイさせて頂くようになった。

あなたの中のリーダーへ」は、西水さんの新刊。『電気新聞』のコラム欄「時評ウエーブ」での連載をまとめたもの。献本頂いて、読んで1ページでその世界に入り込むことができる、不思議な力のある一冊。

「国をつくるという仕事」では、書いている内容の多くは西水さんが仕事を通じて知ることになったリーダーたちに割かれていた。西水さん自身が当時取り組んでいた世銀改革の話は、雷龍王四世との会話の中でほんの少しとりあげられただけだった。本書は一転して、主に西水さん自身が取り組んできたことに焦点があてられている。

いくつか特に興味深いエピソードがあるので紹介したい。一つは世銀の人員削減における議論に関するものだった。「これから人の一生を変える決断に入る。その前に、案じることを率直に話しあおう」といって、3ヶ月以内に人員の2割を削減するためにどのような原則を作ったのか、というくだりは、自分の本業と関連してもたくさん考えさせられるものだった(創業者ほどでなくても、人員削減関連の話はかなり胃が痛くなるものだ)。

もう一つは、現在お住まいの英国領バージン諸島でのお話。本書では、この小さな島国の数字以上の豊かさとたくましさ、美しさが豊かな筆致で鮮やかに描かれている。前に一週間ほど滞在した壱岐島を思い出した。う

最後の一つは、アイデンティティに関するもの。言葉と国籍に関する思いが綴られている。スーパーシチズンと本書で呼ばれている、様々な生活上の便宜から住まう場所を変える人々の話があった。日本国籍を持っていないにもかかわらず、育った土地を離れることに強い抵抗を感じる僕からすると、何かしっくりしないところが胸に残った。僕はまだアースノイドで、スペースノイド
になるのは大変そうだ。


一つだけ贅沢を言うと、次の本は、書き下ろしで書いていただけたらと思う。本書は連載をまとめたもので、いくらテーマごとにうまくまとめたとしても、どうしても内容に重複があり、ところどころ既視感が出てきてしまう。一日一テーマずつ読むのなら良いが、多くの人は通しで本を読むのであり、読み進めているうちに「あれ、これ30ページくらい前に書いてなかったっけ」といったことが多くあると、本書の素晴らしい世界に入り込みにくくなる。

とはいえ、本書は前作と変わらず素晴らしい一冊。特に女性のリーダーたちには一読してほしい。
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2012/06/03(日) 13:12:15 | | #[ 編集]
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