Taejunomics

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福島原発事故と日本の組織構造
薦められて、船橋洋一さんの「カウントダウン・メルトダウン」を読んだのだけれど、相当に読み応えがある一冊だった。思う所が多かったので、感想をまとめておきたい。

数百にも及ぶインタビューと膨大な資料の読み込みを経て作成された本書では、東日本大震災直後に福島原子力発電所の問題にあたった関係者らの行動と思考が重奏的に綴られている。分かりやすい結論・ストーリーにはめ込むのではなく、あったことをそのままに語りつつ、事態の全容を描き出しているその筆力には脱帽の一言(いつか、自分もこんなものを書けたらよいなと思う)。福島原発事故とは何だったのか、ということを考えてみたい人には、是非に一読をすすめたい。


本書を読みながら思い出したのは野中郁次郎教授らの「失敗の本質」だった。優秀な現場と無能な司令官、タコツボ化した組織における情報共有システムの機能不全(仕事柄、こういう組織のことを「神経系が通っていない」と表現する)という構造は、旧日本軍の時代からほとんど変わっていない。本書に登場する複数の関係者らも、同様の内容のコメントをしている。福島原発事故は、敗戦と同様に、(悪い意味での)日本的組織運営の帰結だというわけだ。

個人的な見解だが、こういった組織の仕組みは風土レベル(生活習慣や言語レベル)で根付いているもので、そう簡単には変わらない。敗戦によってでさえも日本の組織構造の本質的な問題点は変わらなかったのだから、今回の事故によってもそれは変わらないのだろう。本来であれば、株式市場による規律が組織構造変革の呼び水になるのだが、日本では株主によるガバナンスはなかなかききにくい。そういった状況下でも変革に成功している少数派の企業の特徴は、強力なリーダーシップの存在にあるが、これは再現性がない。

「こういった旧態依然とした企業が自然に淘汰されるのを待てば良いのではないか」、というのは気楽だが、そうなってからでは遅い。手術と同じで、変革は元気の残っているうちにやらないと手遅れになることが多い。どうすれば状況を打開できるのか、鬱々と考えている。
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2013/03/23(土) 09:40:30 | | #[ 編集]
こんばんは。私も組織の在り方に興味があります。この前、職場の研修で学習性無力感について学びましたが、より素晴らしい組織を作るためには、歴史に学ぶとともに、経営や組織に関する事などを深く学ばなくてはならないと思いました。これからさらに研究していきたいと思います。
2013/03/27(水) 20:42:38 | URL | 智行くん #.1MYugug[ 編集]
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