Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/--(--) --:--:-- | スポンサー広告 | Trackback(-) | Comment(-)
PEファンドについて①全般。
 (めちゃ、長いです。 ちなみに、今日7月28日はこれ以外に一つエントリーがあるので、よかったら、それだけでも見てやってください。)
 アクセス解析を見ると、ビジネス関係の需要がとても高い。 そういえば、このごろビジネス・経済関係を書いていない。 ちょっとバランスをとるためにも、ここいらで、ビジネス関係も書かねば。

 前にプライベートエクイティファンドについてちょっと述べたが、その部分(ここをクリック→前回の部分その1その2)となるべく重複しないように、書いてみる。 全二回構成。 第一回は、最初にしてもらった説明ともども全般的に書く。 第二回は、前にPEファンドの関係者と話したことを重点に、あまり書籍では見つけられない事柄について書いていく。


 1. PEファンドとは
 プライベート・エクイティ投資は、本来は未上場企業に対して成長資金を供給する(=プライベート(未公開)・エクイティー(株式)投資としてアメリカを中心に発展してきた投資形態である。 とくに、近年は、上場企業を経営陣が非公開化して独立するマネージメント・バイアウトや、再生企業の債権などにおいてスポンサーとして資金提供をするという投資形態も増えている。
 ヘッジファンドなどと並んで、PE投資は代替的投資(オルタナティヴ投資)の一つとされる。
 PEファンドは、広義の意味では、ベンチャー企業に投資するベンチャーキャピタルを含む。狭義の意味では、上で述べたようなPE投資活動を行うものをPEファンドという。 ちなみに、PEというと、この①プライベートエクイティ投資をさす場合と、②それを行うPEファンドをさすような場合の、二種類の用語法がなされているのが現状のようである。 新しい分野なので、かなり用語が紛らわしい。
 
 PEファンドには、企業再生ファンド、バイアウトファンドなどなど、いろいろな呼ばれ方があるが、それは、当該PEファンドが行っている活動がどこに重点を置いているかにより呼び方が変わっているだけのことである。全てに共通しているものは、ファンドが投資・買収した企業の価値向上という目的のみ。
 日本において、PEファンド=リップルウッド=ハゲタカというとんでもない方程式を成り立たせている人々がいるが、これは、正しくない。 リップルウッドがPE投資をする会社であることは正しい。 ただし、ハゲタカファンドとは通常、投資・買収後、企業の価値向上のためにはどんな手段をも辞さず、結果、被買収企業はめちゃくちゃ、ファンドとそれに対する投資家だけぼろもうけというような結果をもたらすファンドの事を言う。 リップルウッドが日本で行ってきた投資を見る限り、ハゲタカという表現は適切でないと思われる。 欧米にはもっとえげつないPEファンドがいっぱいあります。。

 PEファンドは、日本でもここ6,7年の間に浸透してきた感がある。
 近年、終身雇用、金融機関・資本市場による無規律な信用提供、国内外市場における日本企業の相対的優勢性といった、過去の日本企業の成長を支えていた事業環境が大きく変わってきている。その中で、大企業やオーナー系の企業を含めて、抜本的な資本政策と事業戦略遂行のニーズが増えてきているのが背景としてある。 90年代後半の金融機関の大型倒産は、PEの浸透の明確なきっかけであるとされる。 

 2.PEファンドの活動内容
 だいぶ前のエントリー(クリック)でも書いたので、活動サイクルの部分は割愛。
 「ほとんどの企業は、成長のための価値を持っている」という、基本的な考え方をもって投資をすることになる。
 投資・買収後に投資先が長期的な成長をおさめるために行う基本的なオペレーションとしては:
1) 成長基盤を作るための資金調達
2) 経営チームの組成
 -必要に応じては、外部から取締役を連れてきたり、ファンドから取締役を就任させるようにする。
3) ストックオプションや給与・賞与を会社の方針とあわせるインセンティヴ作り
 -多くの場合、MBOによりインセンティヴが上がりにくいしがらみを取り払うことが出来る。
4) 事業戦略の立案と経営のガバナンスへの参画
 -事業計画の立案はさほど難しくない。
 -重要なのは、事業計画と現実のギャップに対するレスポンス。 そのレスポンスが、ガバナンスの役割。
 -ガバナンスの本質は意思決定過程にある。
5) 財務・経営企画部門の側面支援
 -コンサルタント的な役割。
6) M&Aや資産処理プロセスの遂行
 -成長の過程に必要となるM&Aの支援。
 ―無駄な資産の削除が資産処理の基本。


3.PEファンドの経営参入の度合い
ざっくり見積もって、4段階がある。

LV1(インフルエンザ治療級):取締役就任(非常勤として)
・業績報告のチェック
・予算・投資案、戦略策定時のインプット
・経営陣の評価・報酬の決定
・月次取締役会+α
  を、行う。 ファンドの介入の度合い(=ファンド関係者たちの消費する時間量)は少ない。
欧米におけるPE投資において、ファンドの経営関与の度合いはでは基本的にLV1である。 多くのプロの経営者の存在があるので、PEファンドがそれ以上の事をする必要がない。 ディールを作り経営者を連れてくればそれで問題が解決することが多い。そのため、欧米においては、「ディール作り」と「適切な経営者選び」が、ファンドが行うもっとも重要な仕事である。 この前提には、欧米にはプロの経営者集団のプールがあるという事実がある。 

LV2(早期発見ガン治療級):特命プロジェクト
・事業戦略見直し、資産売却、事業買収
・管理会計導入、コンプライアンス強化
・調達方法の見直し、生産効率の改善
 を、行う。 週1~3日担当者が会議主催、または直接遂行する程度。 これも、まだ、ファンドに対しての時間的負担は少ない。

LV3(脳移植手術級):経営陣の外部調達
・新経営陣(一部または全部)を組成
・新チームの円滑なスタートをサポート
を行う。 ファンドチームの中の担当者が買収後一定期間常駐することになる。 
この段階から、一気にしんどくなる。 関与の度合いがかなり上がる。 しかし、日本ではLV3以上の案件が多い。 ファンド関係者のみならず経営者も、従来の従業員たちもより多くの困難に直面することになる。 そのため、リスク要因が上がり、収益がぶれる可能性が高くなる。


LV4(ブラックジャックの手術級):直接経営
・ファンドから経営執行のトップに就任
・事業再生、特定の業種専門家の場合
を、行う。 ファンドの担当者は、相手先に長期間常駐することになる。 
日本で多いのはLV3、LV4である。 オーナー企業の多さ、そのオーナー経営者の放漫経営が多くの場合原因となっている。 
ちなみに、海外ではLV4はありえない(時間がかなりかかるため)、というより、LV4は、欧米PEファンドでは基本的に投資対象とみなされない。 これが、海外のファンドが日本にあまりこない理由の一つなのだという。 


 パソコンの熱が、手のひらに伝わって、かなり気色悪い。
 今日は、こんなところで、ご勘弁を。
Comment
≪この記事へのコメント≫
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する
 
Trackback
この記事のトラックバックURL
≪この記事へのトラックバック≫
Designed by aykm.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。