Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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PEファンドについて②ファンド関係者との会話から。
 PEファンドの関係者とのQ&Aのうち、ブログに書いても問題ないと感じたものについて以下に書いた。 
 ちなみに、これは、Q&Aを通じて自分が得た理解について書いている。 原文ママではない。



1.PEファンドで働くのに、必要な能力は何か?
 一言で言えば、「頭がいいこと」。 インタビュー(面接)の際に見るのはここだという。 「」つきで書いているように、この言葉は、額面どおりに受け取ってはいけない。 ここでいう、「頭がいい」とは、「大局観をもちビジネスをつくれる」ということである。
 「頭がいい」能力は、知性、有能、経験からなっている。
・ 知性は、知識とセンスによるもの。
・ 有能は、いわゆるIQg(一般的知能指数。活動全般で発揮される賢さ。例えば、段取りがいい、とか。) のこと。 
・ 経験は、当然ながら、時間と密度による。 最低でも5年くらいは見た方がいいという。 ある程度の経験を積むと、仕事に安定感が出てくる。

 また、PEファンドが人的関係をとても重視するため、対人折衝能力は必須だといわれている。

 そして、採用する際の最低限の基準は分析能力だという。 分析能力は、知識とセンスから成り立っている。 分析に当たって、自分なりのロジックを持つ必要がある。 その能力をつけるためには、日ごろから、分析する癖をつけるのがよい。 お金に余裕があるのなら、実際に株を買うのが良い。それにより、分析に身が入るからである。 また、隣接業界で働くのが、能力をつけるのに一番よい。 コンサルタント会社、投資銀行、証券会社などで働くことにより、分析に要する知識とセンスの両方を磨くことが出来る。


2.PEファンドで働く人に一番大切な資質は?
 「人を動かせること」だという。 
 このためには、最低限のソフトスキルが必要である。 人が投資行動を決定する際の真理に関する洞察、会社の力学に関する洞察、コミュニケーション能力全般が要求される。 人を動かすのにあたって、方程式は無くても、ロジックは構築可能である。そのロジックを持っている事が重要である。 ―人により強い動機を与えるきっかけは少しずつ異なるので、ロジックを持ちつつも、それを金科玉条とせず、ケースバイケースで対応していかないといけない。
  そして、やはり、人間的魅力が重要となる。 しかし、これは、訓練して得るのがなかなか難しい。 しかし、日ごろの行いである程度の努力は出来る。 他人のためにリスクを取れること、人としての基本をしっかりと守ること、などである。 



3.10年後に自分がPEファンドを設立するのなら、何から始めるか?
  ゴールの設定と、それに至るまで必要なものを知れば、何から始めるか見えてくると思う。
まず、当然だが、どんな企業に対しどのような投資を行うのかを明確にする。 その結果、どれくらいの資金が必要なのかが見えてくる。
   それと同時に、「人はどういうときに金をだすのか?」という問いに対する答えを自分なりに考えておくことも重要。
  それらを考え、そのために必要な能力、資質、経験を今から積んでいく。 


4.PEファンドで働く人の一日はどのように流れるか?
 大きく3通りに分かれる。
 ①特に何もないとき:案件作りで時間をすごす。 基本は調査。
 ②ディール時はそれで時間いっぱい。
 ③投資直後は、会社に出向き、その会社の問題をあぶりだすために多くの時間を割くようになる。 なるべく多くの社員に会い、食事などをしながら話を聞くようにする。


5.ファンドのチームワークが重要と思うが?
 その通り。 現在のチームはすばらしい。 このメンバーでしか出せない相乗効果がある。 この楽しさは表現が難しい。
 このすばらしいチームワークは、創立者によるところが大きい。 彼はディシプリンマニア。 彼がいるから、今まで幾度かの不要な成長の誘惑に乗らずに、いいチームをつくってくることができた。


6.ファンドのサイズは、必ずしも大きければよいというわけではないのでは?
 たしかに、そうはいえない。 ファンドには最適サイズがある。 投資の対象を明確にすることにより、最適なサイズが決定される。 必要以上に大きくても使い切れないため、結果収益率は下がる。 
特にうちのPEファンドは少数精鋭。かつ、日本の事情(先のエントリー参照)により、担当者が案件にかかわることになる時間はかなり多い。 そのため、一度のファンドの組成に当たり、最大で10回が限界。 

7.案件は、持ち込まれるものと発掘するものどちらが多いか?
 50:50くらい。 
 持ち込まれる案件は、年に100くらい。 
 案件を自分たちで発掘するときには、トラックレコード、インタビュー、経営陣との食事などを通じて、会社の情報をとり、吟味する。


 8.精査時に粉飾は見抜けるか?
 精査は会計士や弁護士に依頼して行う。これで基本的に粉飾は発見できる。 また、もしものときのために、事前に契約書に提出された情報に粉飾があった場合の条項を盛り込んでおく。 見つかれば、買収価格の引き下げ等を行う。


9.資金調達比率はファンド・出資者・相手企業の三者にとってとても重要な決定事項だと思うが、それはどのように決定しているのか?
 事実資金調達比率の決定は重要事項。 だが、これといった比率はない。 最適な比率は、企業ごとに違う。 現状で倒産のリスクが高い企業などには、レバレッジは低めにかける。 ケースバイケースで対応している。


10.再生・モニタリング過程で一番重要なことは?
 ガバナンスの仕組みづくり。 言い換えれば、正常な意思決定をできる枠組みをつくることが一番大切。 そうすることによってリスクをコントロールする。


11.回収の際に何%ほどの年利を上げることを目的としているか? また、対象企業を他企業に売却するかIPO(株式の公開)かで、経営者との対立があるのでは?
 目標は30%。
 対立は可能な限り避けたい。 足並みをそろえた意思決定を出来ることが大切。 でないと、レピュテーションに傷がつく。 一人の従業員が偶然メディアにぽろっと不満をこぼしただけで大変なことになる。 レピュテーションは、今後の活動のために最も重要な無形資産。
 また、対立がなるべく生じないように、ディールに回収時のことについて盛り込んでおく。


12.買収されると決まったときの被買収企業の反応はどうか?
  冒頭で喜ばれることなどは、基本的に無い。 それが普通の感情だと思う。 そのあとにどうして行くかが重要。


13.PEファンドやヘッジファンドの業界には秘密がおおい気がするが?
  有名になる必要が無いので、要求されない限り情報を流す必要がない。 われわれのパフォーマンスの評価は、実際に投資を行った先の結果を見ればそれで分かること。 また、有名になることにより得られるメリットよりも、デメリットの方が通常大きい。


14.EBITDA倍率は実際にどのくらい?
 (※EBITDAは、earnings before interest, tax, depreciation and amortizationの略で、EBITDA=売上―費用―利子払い―税+減価償却費+無形資産の償却費である。 そのうち、なぜEBITDAが使われるのかをエントリーで書くことにする。)  
 日本において現在は3~10くらい。 しかし、今後は業界の平均5~10倍に落ち着くと思う。 このEBITDAは、資本を最適化することを想定して算定したEBITDA。
妥当な倍率で購入するのが望ましい。 そのため、事業価値を不当に吊り上げてしまう(=倍率が不当に上がってしまう)可能性を持つオークションは好ましくない。 

15.やりがいを感じるときはどんなときか?
 投資対象において、新たな一歩のための意思決定が下され、会社の従業員が動くときに沸々と感じる。 その意思決定は従業員皆の生活に影響をするのだから。
 また、若年でありながら、現場で重要な意志決定過程に携われることにもやりがいを感じる。 それを通じて多くのことを学んでいる。

  

 これら話を通じての感想は、今度書こうと思う。 
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