Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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A Can't-do government翻訳(拙速)。
9月2日のNew York Times に記事が載っている。

 気鋭の経済学者クルーグマンの、猛威を振るったカトリーナの被害に関する論説だ。 アジア通貨危機の研究をしていた大学生時代、この人の論文にはかなりお世話になった。

 一つ前の貧困に関するエントリーとかなり関連した問題でもあるし、公益に資すると思うので、訳文を書こうと思う。 細かいチェックとかをする時間的余裕は無いので、固有名詞等の誤訳・意訳はご了承を。 大枠での意味が伝わるように、努力はしました。
 記事を含め、この問題に関する感想は明日にでも書こうと思います。

 "A Can't-Do Government"

 
 Before 9/11 the Federal Emergency Management Agency listed the three most likely catastrophic disasters facing America: a terrorist attack on New York, a major earthquake in San Francisco and a hurricane strike on New Orleans. "The New Orleans hurricane scenario," The Houston Chronicle wrote in December 2001, "may be the deadliest of all." It described a potential catastrophe very much like the one now happening.

 9月11日以前、連邦緊急事態管理庁(FEMA)はアメリカに直面している三つの最も可能性の高い大災害をリストしていた:ニューヨークへのテロ攻撃、サンフランシスコでの大地震、そして、ニューオリンズでのハリケーンである。 ヒューストンクロニクルは2001年9月に「ニューオリンズ ハリケーン シナリオは致死的なものとなるだろう」と書いている。 それ(ヒューストンクロニクル、おそらく雑誌かレポート)は、今起こっているそれと見事なまでに類似した災害を描写していた。


So why were New Orleans and the nation so unprepared? After 9/11, hard questions were deferred in the name of national unity, then buried under a thick coat of whitewash. This time, we need accountability.
 なぜ、ニューオリンズと国家はこんなにも準備をしていなかったのか? 9.11以降、難しい問題は国民的連帯の名の下に先送りにされ、そして、石灰の熱いコートの下に埋められてしまった。 今、我々は説明責任を必要としている。

First question: Why have aid and security taken so long to arrive? Katrina hit five days ago - and it was already clear by last Friday that Katrina could do immense damage along the Gulf Coast. Yet the response you'd expect from an advanced country never happened. Thousands of Americans are dead or dying, not because they refused to evacuate, but because they were too poor or too sick to get out without help - and help wasn't provided. Many have yet to receive any help at all.

 第一の問い:なぜ援助と救助は到着するのにこのように長時間を要したのか? カテリーナは5日前に直撃した。 そして、カテリーナがガルフコースト沿いに甚大な被害を与えることは、先週の金曜日から明らかであった。 しかし、一般の先進国に期待される反応(救助活動のこと)は起こらなかった。 避難を拒絶したからではなく、脱出するのに援けなしでは不可能なほど貧しく病んでいたため、そして、援けが与えられなかったため、数千のアメリカ人が死に、今も死んでいるのである。 多くの人々はいまだに助けを一切受けていない。


There will and should be many questions about the response of state and local governments; in particular, couldn't they have done more to help the poor and sick escape? But the evidence points, above all, to a stunning lack of both preparation and urgency in the federal government's response.
 国家と地方政府の反応に対して、多くの問いがされるだろうしされなければいけない。 特に、貧しい人々、やんでいる人々が逃げるのを助けるためにもっと出来なかったのか? しかし、証拠は特に、連邦政府の反応には驚くべきほど準備と危機意識が不足していたことを示している。


Even military resources in the right place weren't ordered into action. "On Wednesday," said an editorial in The Sun Herald in Biloxi, Miss., "reporters listening to horrific stories of death and survival at the Biloxi Junior High School shelter looked north across Irish Hill Road and saw Air Force personnel playing basketball and performing calisthenics. Playing basketball and performing calisthenics!"
 適切な場所における軍事物資(の供給)すら、命令されなかった。 The Sun Herald in Bilioxiの編集者は、「水曜日、Bilioxi中学校の避難所における死と生存の恐怖の物語を聞いていたリポーターたちは、アイリッシュヒル通りの北沿いを向き、そこで徒手体操をし、バスケットボールをしている空軍の兵士を見たんだ。 バスケットボールと徒手体操をだよ!」



Maybe administration officials believed that the local National Guard could keep order and deliver relief. But many members of the National Guard and much of its equipment - including high-water vehicles - are in Iraq. "The National Guard needs that equipment back home to support the homeland security mission," a Louisiana Guard officer told reporters several weeks ago.
 多分、行政当局は州兵が秩序を維持し安堵をもたらすことが出来ると信じていたのだろう。 しかし、多くの州兵と、多くの洪水時用の車両を含む機器は、イラクにあるのだ。 数週間前にルイジアナ州兵の役員は、国土の防衛任務を助けるために機器を戻す必要があると話していた。

Second question: Why wasn't more preventive action taken? After 2003 the Army Corps of Engineers sharply slowed its flood-control work, including work on sinking levees. "The corps," an Editor and Publisher article says, citing a series of articles in The Times-Picayune in New Orleans, "never tried to hide the fact that the spending pressures of the war in Iraq, as well as homeland security - coming at the same time as federal tax cuts - was the reason for the strain."
 第二の問い:なぜ、もっと予防的な行動がとられなかったのか? 2003年以降、工兵は、沈んでいる土手へのそれを含む洪水対策の事業を急速に減速させていた。 編集者と出版社の記事は、「工兵はイラクにおける戦争と国土防衛のための支出圧力が、緊張(予防対策に関する財政逼迫のことだと思う)の理由であるということを、隠そうともしなかった」と、ニューオリンズのThe Times-Picayuneの一連の記事を引用しながら話している。

In 2002 the corps' chief resigned, reportedly under threat of being fired, after he criticized the administration's proposed cuts in the corps' budget, including flood-control spending.
 2002年、行政により言い渡された洪水対策支出を含む兵団の財政の削減を批判した後、その兵団長は辞職した(解雇の脅しの下とされている)。

Third question: Did the Bush administration destroy FEMA's effectiveness? The administration has, by all accounts, treated the emergency management agency like an unwanted stepchild, leading to a mass exodus of experienced professionals.

三番目の問い:ブッシュ当局は連邦緊急事態管理庁の有効性を破壊したのか? 当局は、誰に聞いてもそうであるが、危機管理庁(おそらく、自然災害を担当する部署だと思う)を、望まなかった継子のように扱ってきた。 

Last year James Lee Witt, who won bipartisan praise for his leadership of the agency during the Clinton years, said at a Congressional hearing: "I am extremely concerned that the ability of our nation to prepare for and respond to disasters has been sharply eroded. I hear from emergency managers, local and state leaders, and first responders nearly every day that the FEMA they knew and worked well with has now disappeared."
 昨年、そのクリントン政権時における危機管理庁のリーダーシップにより超党派的な賞賛を得たJames Lee Wittは、議会尋問において次のように話していた「私は、わが国の災害への準備と反応の能力が急速に弱まっているのを非常に懸念している。 私は、危機管理担当者、地方と州のリーダーたち、そして最初の反応者(first responders、よく意味が分からない。昔の同僚ということか?)から、毎日のように、彼らが知っていて働いていた連邦緊急事態管理庁は無くなってしまった、と聞いている。」


I don't think this is a simple tale of incompetence. The reason the military wasn't rushed in to help along the Gulf Coast is, I believe, the same reason nothing was done to stop looting after the fall of Baghdad. Flood control was neglected for the same reason our troops in Iraq didn't get adequate armor.
 私は、これが単純な無能に関する話だとは思わない。 軍がガルフコースト沿いに援けに駆けつけなかった理由は、バグダッドの陥落の後に略奪をとめるために何もなされなかった理由と同じものであると、私は信じている。 洪水対策は、イラクの米軍が十分な防具を得られなかったのと同様の理由で無視されたのである。 


At a fundamental level, I'd argue, our current leaders just aren't serious about some of the essential functions of government. They like waging war, but they don't like providing security, rescuing those in need or spending on preventive measures. And they never, ever ask for shared sacrifice.
 根本的な次元で、我々の現在のリーダーたちは政府の本質的な機能のいくつかに関しまじめではないと、私は主張する。 彼・彼女らは戦争を行うことを好むが、安全をあたえること、貧者を救うこと、もしくは、予防的対策に支出することを好まない。 そして、彼女・彼らは、犠牲の分担を絶対に求めない。

 Yesterday Mr. Bush made an utterly fantastic claim: that nobody expected the breach of the levees. In fact, there had been repeated warnings about exactly that risk.
 昨日、ブッシュ氏は全くもってファンタスティックな主張をした。誰もが堤防の決壊を予想しなかった、と。 実際は、そのリスクそのものに対して相次ぐ警告があったのだ。

So America, once famous for its can-do attitude, now has a can't-do government that makes excuses instead of doing its job. And while it makes those excuses, Americans are dying.
 かくして、以前はその熱意のある態度で有名であったアメリカは、いまやその本分を果たす代わりに言い訳をする、熱意の無い政府を持つようになっている。 そして、政府がそれら言い訳をする間にも、アメリカ人は死んでいっているのだ。

 
Comment
≪この記事へのコメント≫
TBありがとうございます。
Katrinaのもたらしたものは、とても大きくて根深いような気がします。クルーグマンの論説に対する考察も楽しみにしています。
2005/09/04(日) 11:53:31 | URL | 47th #-[ 編集]
アメリカ政府の二面性はその政策に色濃く反映されてると思う。
「テロとの戦い」「安全保障」ではcan-doだけど
国内の政策や貧困層や一般市民への福祉政策なんかは全くcan't doなんだよね。
この政策面での二面性は、ブッシュに始まったことじゃないけど・・・
自然災害が黒人差別問題にまで波紋を及ぼしている現状は、環境問題を考える上で核心的な問題だし。
大きな被害が出ないと、議論が熱くならない点も、なんだか皮肉だよね。
2005/09/04(日) 16:54:50 | URL | にょん #-[ 編集]
>47thさん
 コメント恐縮です。 ホームページのみならず、最近出版された著書も拝見させていただいております。
 もしよかったら、これからもこのブログに遊びに来てくださいね。
 

>にょん 
 おー、ブログへの書き込みは久しぶりだね。ありがとう。
 「自然災害が黒人差別問題にまで波紋を及ぼしている現状は、環境問題を考える上で核心的な問題だし。」
 とても、興味深い指摘ですね。 是非、君のブログに書いてトラックバックしておくれ。 

2005/09/04(日) 23:20:13 | URL | taejunomics管理人 #-[ 編集]
はじめまして
クルーグマンのエッセイに関し拙blogで紹介させていただきました
Katrinaの提起した問題はアメリカだけのものではなく、日本にも内在してるように思います。
2005/09/07(水) 00:03:50 | URL | go2c #RAa2TALo[ 編集]
 go2cさん、
ご紹介ありがとうございました。
 
 日本にも内在しているという点、同感です。 ただ、程度の問題で考えるとすこしずれがあるようにも感じています。
 
 また、これからも見に来てくださいね。

 
2005/09/07(水) 00:38:51 | URL | taejunomics管理人 #-[ 編集]
初めまして・・・ニューオーリンズと「カトリーナ」が少し気になり、めぼしい記事はないかと泳ぎ回っているウチに当blogに辿り着いたという次第です。無学、無知な者にとって非常にありがたいサイトです。
私の下世話なblog中よりリンクさせて頂きました・・暇な時にでも覗いて下さい。
また勉強に来ます。今後ともヨロシク・・・
2005/09/07(水) 12:00:54 | URL | Tokira #-[ 編集]
 Tokiraさん、コメント&リンクありがとうございます。 blog見に行かせていただきました。 上にある写真に度肝を抜かれました。笑
 これからも、頑張って書いていくので、よろしくお願いします。
2005/09/08(木) 00:33:19 | URL | taejunomics管理人 #-[ 編集]
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カトリーナである。http://www.manasepro.co.jp/cather/(注:瀬戸カトリーヌのことではない。ハリケーンである。)これってやっぱり地球温暖化のタマモノなんだろなーブッシュが京都議定書を批准せずにCO2を増やし続けた報いが、カトリーナなんだろうなー...
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2005/09/15(木) 21:28:04 | 日々のうたかた
Nice to meet you.              このページは みなさんのコメントやトラックバックにより、      必要に応じて記事内容を更新してゆきます。      特に、先のハリケーン被害における?ニューオーリンズ関係の      積極的なご意見を反映
2005/12/18(日) 16:11:08 | ”Mind Resolve”
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