Taejunomics

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大阪高裁の靖国参拝違憲判決について。
( 2005年10月17日の参拝についても、取り急ぎエントリーを書きました。こちら。http://stjofonekorea.blog6.fc2.com/blog-date-20051017.html
 さらに、こちらの歴史問題についてのエントリーも、よかったら読んでみてください。
 http://stjofonekorea.blog6.fc2.com/blog-date-20051018.html


 9月30日、図書館においてあった夕刊の記事。
 「首相の靖国参拝 違憲」
 
 元、星野憲法ゼミの一員として、さっそく夕刊をコピー。

 そして、怒涛の週末に入り、エントリーを書き忘れていた。。
 書かねば。


 専門的な分析は学者がすること&予想以上に若い子達がこのブログを読んでいることが判明したので、ここでは、可能な限りわかりやすく、以下の点を話していきたいと思う:
 1.違憲審査制について
 2.今回の参拝に関する事実関係の概要
 3.靖国参拝、特に首相の参拝の憲法上の争点と、今回の大阪高裁の判決について
 4.私見
 
 
 1.違憲審査制について(知っている人は読み飛ばしてください)
 
 憲法、英語ではConstitution。制定、構成、機構などの意味。 国の統治の基本や制度のルールを定めた法律。 全ての法律の頂点に位置する法(これを、憲法の最高法規性という)。 憲法の重要な目的の一つは、人権の保障にある。
 その憲法の最高の法としての地位を維持して、人権の保障を徹底させるためには、どうすればいいか? 裁判所が、憲法に違反する行為に対して無効と判決を下し、その行為を取り除くのが一つの方法となる。 この制度が違憲審査制とよばれるもので、違憲の判断の対象は法律・命令・国家の行為である。 つまり、個人の行為は含まれない。 だから、個人的に憲法に反する行為を行っても、それは違憲審査の対象にはならない。 
 例えば、どこかの男尊女卑コミュニティで女性が著しい精神的苦痛を蒙り、苦痛を与えた人々を相手取り訴訟を起こすとする。 このとき、苦痛を与えた行為そのものは、違憲審査の対象にはならない。 もし、男尊女卑を厳しく取り締まるような法律が無いことを不服として裁判を起こすのなら(難しい言葉で、立法不作為という)、その、「法律が無いこと」を、違憲審査の対象とすることはできる。 

 今まで、最高裁判所で為された違憲判決は、4種類5件のみ。 日本において、最高裁の違憲判決は極めて少ない。
 地方裁判所や高等裁判所では違憲判決が比較的多くでる。 しかし、それらは最高裁の判決では覆されることがほとんどである。 元裁判官の教授に聞くところによると、違憲判決を出すことは、出世に響くのだという。。

 

 2.今回の参拝の事実の概要
 小泉首相は過去に
 ・2001年8月
 ・2002年4月
 ・2003年1月
 ・2004年一月
 の計四回、靖国神社を参拝した。 
 
 秘書官を同行して公用車で訪れ、「内閣総理大臣小泉純一郎」と記帳を行う。 献花の代金は私費で払っていた。
 各参拝は、首相就任前の公約であった。
  
 これに対し、2001年11月以降、合計で約900人が憲法違反だとして国と首相などに損害賠償を求め、8件の訴訟を起こした。
 このうちすでに7件は判決が出ているが、そのうちで福岡地裁のみ違憲判決を下している。 
 
 
 3.靖国参拝、特に首相の参拝の憲法上の争点と、今回の大阪高裁の判決について 
 
 日本国憲法20条では、政教分離(政治と宗教の分離)を定めている。 基本的な内容は:
 ①宗教団体が公的な団体・人から特権や政治的権力を得るのはだめ
 ②公的な団体・人は、宗教教育や宗教活動をするのはだめ

 の二つ。
 日本の軍国主義化の背景には、政治と国家神道の癒着があったためという反省から、日本国憲法では、政教分離を定めている。 政教分離といっても国ごとに程度に差があるのだが、日本の政教分離はかなり厳格なものとなっている。

  
 上の事柄からわかるように、今回の首相の参拝について違憲か否かの判断をする際には、いくつかのポイントがある:
 ①首相が参拝を行うことは、靖国神社(=宗教団体)に対して、特権や政治的権力を与えることになるのか。
 ②―首相の参拝行為は、公的な行為となるのか。
  ―参拝は、宗教活動にあたるのか。 

 の3点。 
 
 
 今回の判決では:
 ①「靖国参拝を奨励する意図は認められず、控訴人らの人権の侵害は認められない。」 →参拝は、特権や権力を与えるものではない。

 ②
 ―「参拝は秘書官を伴い公用車を使用して行われたし、首相の参拝前後の発言は、その参拝が私的なものか公的なものかについて曖昧であった。 そのような場合、参拝を公的な行為と認定されてもやむをえない。」 →今回の参拝は公的な行為にあたる。 

 ―「国内外の強い批判にもかかわらず参拝をするのは、特定の宗教への助長、促進として限度を超え、憲法20条3項が禁止する宗教的活動にあたる。」 →事情を考えれば、参拝は宗教的活動になる。

 
 として、小泉首相の靖国参拝について、違憲判決を下したわけである。
 
 

  4.私見

 高裁の判決なので、まだ最高裁で覆される可能性が高いが、それでも、比較的多くの憲法学者たちからの評価は高いようである。 高裁では靖国参拝に関しての初めての違憲判決であるし、曖昧な行動であれば公的行為とみなされても仕方が無いという踏み込んだ判断に対しては、政教分離は厳格であるべきとの観点から、かなり評価が高い。
 
 さて、学者たちは概ね満足しているようだが、訴訟を起こした人々からすれば、どうか。 

 正直言って、首相の行為が公的な行為とみなされようが、それが宗教活動とみなされようが、満足は低いと思われる。 彼女・彼らが求めているのは、謝罪、賠償、反省であって、違憲であるかどうかの判断は副次的なものに過ぎないのだと思う。 今回の原告団の団長も、「違憲かどうかは日本人の問題・・・ それよりも、私たちにとっては、反省と謝罪と賠償が含まれなかったことに怒りを感じる」と判決後に語っている。
 ちなみに、裁判所は憲法判断を極力控えるべきで、本論と関係の無い部分について憲法判断をすることは慎むべきとされている。 が、今回の憲法判断は、本論の部分とは外れた傍論の部分でなされている。 これがされすぎると、三権のバランスはかなり崩れることになる。 少なく無い学者たちが、傍論で合憲判断がされた時にはそれを問題とするのに、今回のように傍論で違憲判決が為された時にそれを問題としない(明治大学の教授が話しているみたいだが、それ以外はあまりそのような主張は聞かない)のはおかしいと思う。

 本論に戻ろう。 今回の訴訟を起こしたのは台湾先住民族の出身者。 この人たちの感情を理解するためには、靖国神社について知る必要がある。
 
 なぜ、靖国参拝が、東アジアの日本以外の国の人々の反感を起こすのか、理由は大きく2つだと思う:

 ①彼・彼女らの「靖国神社=戦争のシンボル」という図式。 靖国神社は、明治維新及びそれ以後に戦争などの国事に殉じた人間の約250万人を合祀(あわせてまつること)している。 過去の戦争を侵略戦争と考えている人々は、その実際の関係者であった人々が英霊として祭られていることに不快感・嫌悪心を抱いている。 彼女・彼らにとっては、靖国神社とは、過去の戦争を髣髴とさせるものの一つであるのだ。

 ②徴兵された外国人の合祀。 靖国神社にまつっているのは、日本人だけではない。 日本の統治下で軍人として徴用され、戦死した外国人も、まつられているのである。 今回の訴訟を起こした人々の先祖の何人かは、靖国神社にまつられている。 靖国神社側は、この合祀されている外国人を除外する考えは無いとの事である。 これが、さらに、問題を根深いものにしている。

 ①だけならまだしも、②に関しては、理解できるのではないだろうか。 日本人でも、職務中に死亡した自衛隊員が護国神社に祭られたことに対して、その「未亡人(差別用語なのでカッコつき。 適切な言葉が見つからなかったのでご容赦を)」が訴訟を起こしている。
 
 ちなみに、戦争に関連しての賠償の請求などは、国家間でそれが放棄されていても、国家対個人では請求権は残っているので、「国家間の請求権を放棄する条約を結んだから」、と言う理由で彼女・彼らの請求を不当とするのは妥当ではない。


 憲法が個人の精神的自由権などの人権の保障をその目的の一つとし、同時に前文や98条において国際協調主義を掲げていることを鑑みるのならば、原告らの精神的な被害の側面について、何らかの言及があればよかったのではないかと思う。
 しかし、元裁判官の教授からぽろっと聞いたのだが、裁判所内は、恐ろしいほどの縦社会であるのだという。 政教分離や戦争放棄などの問題に関して違憲判決を出した裁判官は、左遷されるような状況らしい。 そんな状況下で、上で述べたような問題について、言及がいつされるか。 気の遠くなるような話である。


 読んでくれた方々、ありがとうございました。
Comment
≪この記事へのコメント≫
うーん・・・・・なかなか難しいですよね
小泉首相参拝について秘書官まで連れてきて
いるのだから(献花代は自腹だったけど)
完全に公的なものだと思います
靖国神社は「合祀されている外国人を排除するつもりはない」といっているということは
「合祀されている外国人を日本人と思っている」ということなのでしょうか
「賠償、反省」を要求する諸外国に対して
「いつまでそういうことを言いつづけるのか。われわれはきちんと謝ったからいいじゃないか」という人がいれば、小学生を修学旅行で韓国に連れて行って謝らせたりする学校もあります
小学生に謝らせるのはどうかと思います
諸外国は「個人に謝ってほしい」ではなくて
「政府に謝ってほしい、賠償してほしい」と思っていると思います
「個人」がいくら謝ったところで何の意味もないからです
それをわかってない・・・
もちろん、そうした場所に連れて行って
「歴史を学ばせることも大切」だと思います
それに修学旅行でそれをさせられる子供達の
心はどうでしょうか
きっと、「なぜ私がこんなことしなきゃいけないの」と思っていると思います
韓国が嫌いになる人もいるかもしれません
よくないやり方さと思います

2005/10/04(火) 11:51:00 | URL | hyanghyang #-[ 編集]
初めまして。
記事を楽しく拝読させて頂きました。
この件なのですが、本当に違憲判決なのでしょうか?ご存知のように、いわゆる判例として拘束力を持つ部分は、主文と判決理由のみだとされております。
そして、裁判の結論部分は、原告敗訴であり、判決理由は<各参拝により控訴人らの権利ないし法的利益が侵害されたとはいえない>の部分でしょう。

政教分離違反だという下りは、判決に直接必要ではない「傍論」部分では無いでしょうか?

レイシオデジデンダイとか、言っていた頃の法学性なので、古い考えかも知れませんが。ところで、この裁判ですが、各地で10以上起こされており、「参拝は違憲」と判示したのは、福岡地裁と大阪の二件だけで、後は政教分離違反とはされていないようです。

考えてみたら、首相の信教の自由を否定しかねないからでしょうね。
2005/10/18(火) 11:05:13 | URL | うぐぅ #PgXQQ0.I[ 編集]
傍論での判断を違憲判決とするのはそれこそ暴論では?
2005/10/18(火) 12:07:50 | URL | 忠烈王 #ELD9pjOg[ 編集]
興味深く読ませていただきました。

一点だけ、
実際に戦争を経験した台湾の遺族の方は、小泉首相の靖国参拝を支持する人が多くいる。という点は知っていてほしい。

事実、裁判の被告側応援に台湾から来日した人もいます。終戦記念日に自ら靖国参拝に参られた遺族の方も沢山います。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~kokumin-shinbun/H15/1507/1507086gao.html
大阪靖国訴訟の原告は台湾の戦没者の遺族らではない
http://www.emaga.com/bn/?2005100000676248027914.3407
2005/10/18(火) 13:08:00 | URL | kuma #tHX44QXM[ 編集]
初めまして。
読ませていただいて気になるところ幾つかあるんですが、長々書くの嫌なので一点だけいいます。
②徴兵された外国人の合祀 では
日本本土出身者以外を別に奉るほうが大変な問題だと思いますよ。
明確な差別ですからね。
2005/10/18(火) 14:44:36 | URL | ひぐらし #-[ 編集]
>うぐぅ さん
 コメントありがとうございます。

 >レイシオデジデンダイ 
 いやあ、懐かしい。 たしか、僕もテキストで読んだ記憶があります。

 傍論部分の法的拘束力については、諸説が分かれていたと思います(記憶は曖昧ですが)。 過去にも、「念のため」判決だとかがありましたし。 ただ、傍論部分で重要な判断を多くするのは、エントリーで書いてあるように、司法の暴走につながりかねないので、慎重であるべきだとは思います。 

 
 >忠烈王 さん
 コメントありがとうございます。
 これも、上のと同様で、まだ議論の余地は存在しているものだと思っています。

>kuma さん
 コメントありがとうございます。

 >実際に戦争を経験した台湾の遺族の方は、小泉首相の靖国参拝を支持する人が多くいる。という点は知っていてほしい。
 そうだったのですか。 僕の勉強不足でその点について分からない部分が多いのですが、ソースなどを教えてくださったら幸いと思います。

 
 「人々」だとか、「国民」だとかで一くくりにしすぎることが、誤解を生む一員ではないかと思っています。 その「人々」や、「国民」の中には色々な人がいて、個々の志向性を持っているのですから。 
 ただ、その志向性の方向を大まかに知ることが、僕たちがするべきことなのだろうな、と感じています。

>ひぐらし さん
 コメントありがとうございます。  

 >日本本土出身者以外を別に奉るほうが大変な問題だと思いますよ。 明確な差別ですからね。
 短い文章なので、ひぐらしさんの真意と違うように受け止めていてしまったらと不安なのですが、
 同じ分けるのにも、差別と区別があると考えています。 「別に奉る」ことが、差別なのか区別なのか、その判断をするべきだと思います。 そして、このときに、判断基準として最も重視されるべきは、合祀された本人と親しかった人々の感情・想いなのではないかと、感じています。 残念ながら、本人はもういないので。


 コメント、ありがとうございました。
2005/10/18(火) 20:23:12 | URL | Taejunomics管理人 #-[ 編集]
横からすみません。kumaさんのご発言に関連して、ご参考までに…

「小泉首相の靖国参拝は当然 李前総統、中国を批判」
http://news.goo.ne.jp/topics/kokusai/china_taiwan/taiwan/
中国を警戒し日本の国際発言力に期待する、台湾における意見の一端を表していると思います。
2005/10/25(火) 11:42:55 | URL | june #ffrl57rc[ 編集]
 >Juneさん
 コメントありがとうございました。 小泉氏がアメリカの報道機関に対して、「なぜ、ここまでに問題になるのかわからない。」という内容の発言もされたみたいですね。

 まあ、政治的に中立な国家などはありえないのですが、台湾の前総統発言にも、多少の他の政治的インセンティヴがあったのではないかと考えています。 それは、台湾のみならず、他の国東アジアの国家も同じことなのだと、僕は思っていますが。。
2005/10/26(水) 00:17:27 | URL | Taejunomics管理人 #-[ 編集]
主文とまったく無関係の「判断」をいつから「判例」と呼ぶようになったのでしょうか・・・・。
2006/01/26(木) 13:38:09 | URL | 河田少年 #PgXQQ0.I[ 編集]
 もうとっくに法律から離れた人間ですが、判例というもののエッセンスは、裁判官の法解釈にあるという見方も可能なのだと思っています。 だから、主文以外の傍論の効力について論争が起こっているのではないでしょうか。
2006/01/26(木) 14:09:12 | URL | Taejun #-[ 編集]
いや・・・・・。
法律に詳しい方ですから敢えて指摘したのですが。

判例と呼ばれるものは
判決主文・・・結論
判決理由・・・結論の直接の根拠となった理由
だけですよね?

って確認したかっただけです。
違憲判断は、このどれにも当たりません。

それから、全国で10以上、この手の裁判が起こされているようですが、「違憲判決」はこの裁判を含めて出ていませんよね。

法律に詳しいのであれば、そのことを良く理解したうえで、敢えて「判例」として居られるようだったので指摘してみました。
2006/01/26(木) 15:53:04 | URL | 河田少年 #-[ 編集]
 ご指摘ありがとうございます。 かなり知識が抜け落ちているので、そうやって指摘くださると助かります。
 
 違憲判決の出にくさについては、このエントリーの最後のあたりに書いているような要因も作用しているのかもしれませんね。
 それと、福岡高判1992・2・28判時1426号と大阪高判1992・7・30判時1434号で、違憲の「疑い」については指摘しているようです。 さすがに、資料を図書館に行って探す作業をする時間は無いので、もしよかったら、この判決の内容について教えていただければ幸いです。
2006/01/26(木) 17:05:50 | URL | Taejun #-[ 編集]
本件、政教分離原則の新しい問題提起
 大変、興味深く読ませて頂きました。
 また、その学際的発想、その調査研究アプローチは、このテーマに限らず、今後の日本における社会科学、人文科学、自然科学のあり方として、必要不可欠と痛感致しました。
 小生は、たまた長野県松本市旭町会の「神社公民館」同一建物事件にぶつかりました。三日で話し合いができると思ったのが、結局、民事訴訟の違憲審査請求の提訴し、平成18年3月1日東京高裁で、憲法第20条、89条違憲判決となり、損害賠償命令の勝訴でした。
 ところが、その間に、市内の実態を調べて、国立信州大学の本部キャンパスに神社があることを、”発見”しました。これは、平成16年7月14日東京高裁の国家賠償法訴訟で、憲法89条違反の実質勝訴となりました。ちなみに、これらは本人訴訟でした。
 さらに、最大の町会である村井町で、保安林に神社を新建していまして、その他市内に神社仏閣と自治公民館の併用施設で、違憲状態にあるケースが約10件ありました。
 これらは、当然ながら、天皇制・国家神道のいわば遺物というか、昭和20年15月マッカーサー「神社指令」(連合国軍総司令官の命令)の対象として、またその後の新憲法において政教分離原則に違反するケースです。
 この当HPの靖国訴訟問題も、所詮は、同じく天皇制・国家神道問題として、歴史的な政治課題となってきた経緯です。そこで、今後、こうした政教分離原則について、こうした新しい視点から、少なくとも学会、学際的な専門集団が取り組む必要があろうかと、思われましてご参考まで。

藤原英夫 拝
2007/08/12(日) 02:49:03 | URL | 藤原英夫 #qog0F8tk[ 編集]
追伸
 この信州大学神社ケースで、平成19年3月3日国立大学法人信州大学は、松本市旭団地の本部キャンパス神社を、総て収去(壊して持ち去ること)し、神社境内跡地をブルトーザーで更地としました。
 その境内地跡を、学生たちが自転車駐輪場に利用しています。この経緯は、結局のところ、国と信州大学が本件の東京高裁違憲判決(確定)に基づいて、憲法第89条に違反するとされた神社構築物を、総て収去したものでした。
 その経緯は、若干、複雑ですが、このキャンパス境内地を監査請求によって、固定資産税の課税対象としたから、新たに徴税問題が提起されました。その結果として、もはや、違憲判決となった物件を学内に放置して置くことは、事実上できなくなりました。以上の経緯で、違憲審査請求の判決に基づく、初めての国の先例になったケースでした。
2007/08/12(日) 03:09:25 | URL | 藤原英夫 #qog0F8tk[ 編集]
 藤原英夫さん、貴重なコメントをありがとうございました。 寡聞にして、この訴訟については知りませんでした。 勉強になります。 
 
 グーグル等で調べてみたところ、その後同様の神社建築物の問題が多く生じているようです。 となると、これは特異な事例というよりも、より一般化されるべき事例という印象を受けます。 
 といったことを鑑みると、おっしゃる通り、特に憲法に関わる問題においては、それらが多分に政治・経済・文化的背景を有しているため、学際的な研究が必要となるのかもしれませんね。 
 
 ありがとうございました。
 
2007/08/13(月) 00:47:14 | URL | Taejun #-[ 編集]
その後の動き、、、
あなたが、「これは特異な事例というより、より一般化されるべき事例という印象を受ける」旨、上記に07.8.13述べておられましたが、平成220年1月2日最高裁大法廷、北海道砂川市空知太神社の市長上告審、住民訴訟でも、この信州大学神社の判決が1,2審で証拠採用されて、その支えで政教分離違憲の確認になったけれども、上告審の新しい違憲判断基準に基づく、違憲判決となった。
 その直感的な慧眼には、恐れ入りました。但し、この市長上告が原告、控訴人の神社収去(撤去)請求を、棄却して札幌高裁差戻しになって、出直しとなったのには、些少ならずとも驚きました。やはり、最高裁は、「政治的判断を下す」のが、ムベなるかなと感じ入りました。


 しかし、信大の構内神社収去の折に、固定資産税非課税、その賦課の上、減免措置となって、財務省、文部科学省、国立大学法人信州大学らに対して、「違憲神社の判決に反して非課税、減免税の特権を、公的機関の政府、信州大学が付与することは、二重に政教分離違憲となる」と、財務省を説得しました。
 その結果として、「東京高裁の違憲判決に基づいて、当該神社を収去するように、文部科学省へ指示した」という、正式回答でした。そして、平成19年3月3日、信州大学理事長、兼学長が、その構内神社を、大学キャンパス外へ収去して、その跡地を更地化しました。日本で、今次大戦の戦後、違憲判決に基づいて神社を収去された最初のケースでした。
 これは、世界的にも、初めての前例がない憲法政教分離原則に基づく神社の収去事例でした。
2010/03/05(金) 14:05:09 | URL | 藤原英夫 #qog0F8tk[ 編集]
Re: その後の動き、、、
藤原さん

ご無沙汰しています。その後のこと有難うございました。
年が経つにつれ、大学の頃にあんなに一生懸命勉強した憲法のことを忘れそうになっています。。もう6年も経つのでしょうがないかもしれませんが、常日頃追いかけられるように努力したいと思っています。

もう片方のコメントも感謝です。このままでは器用貧乏なのですが、目指すは大局観をよめる人間になることなので、ある程度出来るコトはしてみたいと思っています。色々な分野の知見から勘所がわかってくる気がしているので。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

2010/03/09(火) 03:34:04 | URL | Taejun #-[ 編集]
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