Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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阪神上場について:続き。
 続きです。
 
 1.IPOパズルって何?
 2.上場したらなんかいいことあるの?
 3.上場したらまずいことってないの?
 4.そもそも、阪神って上場させられるの?



 1.IPOパズルって何?

 IPOというのは、「新規公開」と同じ意味。 Initial Public Offering の略。 上場したら、新しく上場した株式の売出しを募ることになるから、こんな名前なのだろう。

 さて、この新規公開銘柄は、投資家の間で人気がある。
 なぜだろう?

 図を見れば一目瞭然なので図を作ってみた。
 出所:金子隆「なぜ企業は新規公開時にブックビルディング方式を選択するのか」2002.5

 IPOの件数とその平均初期収益率をしめしたもの。
20051016072544.jpg
 

 「公開価格で新規上場株を入手できれば、必ず儲かる」とさえ言われている。 
 この初期収益率は、ブックビルディング方式というIPOの価格決定方式に移行して以来、さらに高まっている。

 この不思議な現象の事を、IPOパズルと呼ぶ。 英語では、ちょっとした謎などについても、「パズル」という表現をする。

 やけに初期平均収益率が高いということは、新規公開(IPO)がされるときに、その株式が本来より低い価格をつけられているということになる。
 
 なぜ? という問いには、仮説が4つほどある:
 ①引受会社要因
 引受とは、発行された株式や債券を買い取ること。 その目的は、自分で保有すること、と、相手に転売すること、の2種類。 主な引受会社は、証券会社。
 証券会社としては、自分が引受けることになる株式が全て売れないのは困るし、売れ残ったりしたらなかなか大変である。 そのリスクを回避するためには、株式が割安で新規公開されているととても助かるわけ。

 ②経営者要因
 経営者は、新規公開株式を割安にしてもらうことにより、それを買ってくれる人々に喜んでもらおうとする誘引がある。 新装開店のパチンコ屋で出玉を多くするのと気分は似ている。 (けれど、株式を割安で買って喜んでも、投資家の場合は、パフォーマンスが悪いと観るや否や問答無用で売り飛ばす気が僕はするのだが)


 ③投資家間の情報の非対称性
 投資家は、経営者やその引受会社ほどには、相手企業のことを知らない(これを、情報の非対称性と呼ぶ)。 もし、全ての株が割安でない場合は、投資家は警戒してなかなか新規公開株を買わないかもしれない。 そうなると、資金を調達するために株式を売り出すのに、その目標が達成されない。 ならば、株式が割安であることは都合がいいわけである。

 ④価格付けをする会社要因
 新しい価格付けの方式であるブックビルディング方式では、機関投資家の意見が新規公開価格に反映されることになる。 機関投資家としては、それを割安に設定するのならば、他の投資家から喜ばれはしても、憎まれたりはしない。 しかし、低く設定してしまい、損をする投資化が出てくると、その価格づけをした会社の評判が落ちてしまう。 だから、価格付けをする会社としても、株価を割安に設定するのは都合がいいことになる。


 と、色々なことが話されているのだが、全ていまだ仮説に過ぎない段階。 実証分析がいっぱいされているが、いまだに決着はついていない。

 ただ、結論は簡単。

 阪神タイガースが上場したら、一年目の株式はかなり高い確率で上がる。 だから、その株式をはじめから持っている人は、大きな利益(株価の上昇による利益をキャピタルゲインという)を得ることが出来る。
 村上ファンドにとって上場が好ましい更なる理由。
  


 
 2.上場したらなんかいいことあるの?
 

 上の事柄に加えて、
 ・阪神ファンのファン意識が高まり、結果として企業の収益が上昇。
 ・球団の正確な価値が市場から評価されること。
 ・タイガースが阪神電鉄の支配から脱することになるので、より透明性の高い経営が可能になる。 多くのタイガースファンが、「阪神はフロントがくさっとる」と嘆く中、これは、なかなか嬉しいこと。
  
  

 3.上場したらまずいことってないの?

 一番言われているのが、敵対的買収にあう危険。
 「よーしゃ、俺が阪神こうたるわ」と思っている人のなかで、実際に過半数を取れるくらいの金持ちが出てきたらさあ大変。
 阪神タイガースはその人の支配下におかれてしまうわけ。 ファンとしてもこれはやる気が下がってしまうのでよくない。

 ただし、事前に買収防衛策を作っておけば、そんなに問題は無いと思う。 村上ファンドも同様の説明をしている。

 
  
 
 4.そもそも、阪神って上場させられるの?


 実は、これが一番頭の痛い問題だったりする。現状ではほぼ不可能に近い。
 日本のプロ野球協約では、株主に変更があった場合、そのつど届出をしなければならなくなる。 これを、株式が公開されている状態でやるのは、難しい。 しかも、われらが阪神タイガース、一口でもその株を買おうという人が多ければ多いほど大変なことになる。
 あと、上場のためには、正確な財務諸表を作らなければいけないのだが、これもまた大変。 もし出来たら、是非観てみたい。 

 財務諸表の問題はまだしも、株主変更の届出の事項を何とかしない限り、果てしなく不可能でしょう。 村上氏は、それを知っているはずなのだが。
Comment
≪この記事へのコメント≫
実は、堀江氏逮捕から、この件についてずっと考えていました。
この村上氏は言うまでもなくフジテレビ買収騒動の際の登場人物の一人であり、その意味では堀江社長にかなり近い人物の一人でもあり、従って実は少々まずい資金を扱っているとの噂が絶えない人物です。

その上で考えてみたのですが、どうひっくり返してみても、現在の阪神電鉄の株価は正当化できる時価総額ではありません。たとえ持っている土地などの資産の有効活用によってさらに利益を出せるとすれば、ほとんど運用路線が重なる上に関係会社に東宝グループがある阪急ホールディングスのほうが潜在価値としてははるかに上です。

ここで一つの仮説を挙げます。村上氏にとって「阪神タイガース」とは利益を挙げる対象にしているのではなく、実は俗に言う「広域ほにゃらら」からの「弾除け」としてどんどん積み上げているのではないか。ということです。それ以上は流説の流布に当たるかもしれませんので書きませんが、之だけ集めているのに全く村上氏が阪神関係の発言を行なってこないことといい。買収にしてはおかしなことが多すぎます。
2006/02/02(木) 23:29:11 | URL | F.Nakajima #-[ 編集]
 F. Nakajimaさん、コメントありがとうございます。

 とても興味深いご指摘ではあると思います。 しかし、ソースが無いので、あなた自身仰っている通り、仮説の域は超えられないのでしょうね・・・ 事実であれば、これから先に明るみになるときがあると思うので、それまでしばし静観となりそうですね。
2006/02/04(土) 07:19:34 | URL | Taejun #-[ 編集]
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