Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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本当に世界の内需は経常収支不均衡に依存しないの?
 (経済学のエントリーです。 説明はかなりはしょっています。 興味の無い人は、読み飛ばしてしまってください。)

 この頃読み進めている本の一つ、経済学とファイナンス。 ファイナンスの側面から経済学に切り込んでいて、なかなか面白い本。 特に、前半が白眉だった。 斬新な経済学の教科書だと思う。

 問題の部分を担当されている須田美矢子さん(日本銀行政策委員会審議委員)の叙述に、ちょっと納得がいかない点があったので、どなたか解説、もしくは議論してくださる方がいればと思います。

 同書p496あたりで、2国モデルについて叙述をしている。


 Y(A国)+Y(B国)≡Ya、
 i(A国)+i(B国)≡ia
とすると、2国の所得の和は、

 Ya=cYa+ΣCo+I(a)+ΣG 
 となる。なぜなら、所得の一般式は、Y=C+I+G+X-Mだが、輸出Xと輸入Mは相殺されるため。

 ここまでは、まあ、その通りだろう。 問題は、この後のコメント。

 「世界全体の所得は2国のアブソープションの和(いわゆる、世界の内需の大きさ)によって決まり、2国の経常収支不均衡の大きさに依存しないことが分かる。」(アンダーラインはTaejunによるもの)
 
 これは、同意しかねる。


 本当に、世界全体の所得は、2国の経常収支不均衡の大きさに依存しないのだろうか?
 
 経常収支が多少の不均衡であれば、無視はできると思う。

 例えば、
 A国:20円の経常赤字
 B国:20円の経常黒字 の場合なら、

 ここで、A国は20円の赤字に見合って自国の内需を減らすであろうし、B国は逆に増やすであろう。 

 A国における内需の減少+B国における内需の増大=0、もしくはそれに近いのならば、著者の意見通り、2国の経常収支不均衡の大きさに依存しないということは可能だと思う。


 けれど、赤字と黒字の額が大きかったらどうなるだろう。
 
 ご存知の通り、所得の増加に伴う消費や投資の増加は逓減する性質のもの。 所得が増加すればするほど、それが消費や投資に与える影響は小さくなるし、所得がかなり落ち込んでも、一定額で消費・投資は保たれる。

 赤字と黒字の額が大きいと、、例えば、A国10兆円の赤字、B国10兆円の黒字の場合とか。

 A国における内需の減少+B国における内需の増大=0、もしくはそれに近いものとなる保証は無いと僕は思うのだけれど。

 モデルを作成する時に重要なことは、経済に影響を与える変数はしっかりと明示すること。 ファイナンスにおけるバリュエーションの際にもこれはかなり重要な事で、これをやっていないととんでもないところで躓いたりする。

 というわけで、僕だったら、問題の式は

  Ya=cYa+ΣCo+I(a)+ΣG+E(σCA) とでも書き換えようか。
 
 σCAは各国経常収支のバラツキ(こうしておけば2国以上に拡張した時に便利そう)、Eは経常収支の不均衡が世界全体の内需に与える効果の関数。
 

  
 どなたか、ご意見・指摘くださいm( _ _)m。 素人の僕がとんでもない間違いを犯している可能性があるので。

 もしかしたら、単純化のためにわざと上のような解説をしていたのかもしれないですね。 その時は、ごめんなさい。著者の方にも、ここまで御読労してくださったみなさんにも。
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