Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/--(--) --:--:-- | スポンサー広告 | Trackback(-) | Comment(-)
ライヴドアへの強制捜査に関する基礎知識。
(専門家の方には、退屈なエントリーの可能性大です。
 GREEやRSSだと、図を見られないので、本ブログのほうで見てください。
 追加で記事書きました。http://stjofonekorea.blog6.fc2.com/blog-entry-393.html こっちは、ちょっとかたいかもしれません。
 )

 こういう時期ほど、メディアの伝える内容が疑わしい時期は無い。
 なぜなら、各メディアがお互いを出し抜こうと躍起になり、それが誤報につながるから。 岩波新書赤、「誤報」出来ればご参照。

 だから、まだ、この件についての明言は避けたいと思う。

 その代わりに、このブログを読んでくれている人には、もともと買収とかにさほど興味が無い人がいるとは思うから、とりあえず、知って得する基礎知識について、書いていこうと思う。

 1.株式交換について
 2.株価はどういうときに上がるのか?
 3.株式分割について
 4.今回、疑いがある内容について


 1.株式交換について
 ライブドアは、今まで多くの企業を買収してきた。

 さて、買収ってどうやってするのだろう。
 株式会社の場合、方法はたった一つ。 
 相手企業の株を買い占めること。 今の制度は、株式民主主義と呼ばれていて、株を多く持てば持つほど発言権は強くなる。 だから、過半数をもし持っていれば、大体の場合、株主総会で意見を通すことが出来る。 100%保有していたら、完全子会社という。 50%以上なら子会社。 20%以上50%未満なら、関連会社(場合によっては15%)。 

 相手企業の株を買う方法は、二通りある:
 1)お金で買う
 2)株で買う

 で、2)の場合が株式交換といわれる。
 図を見てみよう。 今、PCにパワーポイントが入ってなかったから、エクセルで作成。
20060117183116.jpg

 こうやって、A社の株式の10億円分と、B社の株式の10億円分を交換するとする。
 すると、A社は、B社の株を100%持っていることになる。 反対にB社は、A社の株を10%だけ持つことになる。 こうして、B社はA社に買収されるわけだ。
 この株式交換という方法が存在する場合、重要なことは、
 株式の現在価格の全額(これを時価総額と呼ぶ)が大きければ、株式交換による買収が有利になる
 と言うこと。
 
 実際に、ライブドアは、この方法を通じて、買収を続けてきた。



 2.株価はどういうときに上がるのか?
 上では、株式交換をするためには、時価総額(株式の今の価格×全ての株式)が高いほど有利だということを見た。
 じゃあ、株価ってどういうときに上がるのか?
 買いの注文が多ければ上がる。 もちろん、売りが多ければ下落する。
 
 じゃあ、どういうときに買いの注文が増えるのか。
 株を買う人が「この株、もっと高くなるはず」と思ったら。 言い換えれば、期待したら。  
 株式の価格に対して、「期待」は大きな影響を及ぼす。 本来は、株式の価格は会社の本当の価値を反映するべきものなのだけれど、少なくとも短期的には、株式の価格は期待に影響を受ける。

 例えば、製薬会社が、開発中の新薬製造の承認を得た事を発表した時などは、株価がドーンと上がる。 買収や合併(M&A)の発表もこの一つ。 ただし、買収に関しての今までの実証研究を見る限り、M&Aに関しては、発表後株価が必ず上がるわけではない。 株を買う人たちが、買収に将来性を見出すのならば、株価は上がることになる。



 3.株式分割について
 自分の会社の株式への買い注文を予想できるとする。 さっきも言ったように、買い注文によって株価は上がる。
 この株価が上がる効果を高めるためにはどうすればいいか。
 
 そこで出てくるのが、株式分割。
 ここも、図を参照。 例えば、10分割をするとしよう。
20060117183124.jpg

 10万円の株式×10でも、10分割した後の1万円の株式×100でも、総額は100万円で変らない。
 しかし、以前1株10万円だった株式が1万円となり、新しく分割した分(10分割なら、残りの9割)が市場に回るまでの50日の間には、株の数は、本来の10分の1にしか過ぎなくなる。 そのため、株価の変動が激しくなる。 
 だから、株価の上昇が見込めるときに株式分割を行えば、上昇も大きくなる。

 ライブドアは、今まで数多くの株式分割をしてきた。 100分割など、前代未聞の分割をしたこともあった。



 4.今回、疑いがある内容について

 2.で述べた、株式の価格を上げるために、ライブドアの関連会社が、不正な情報を流したのではないか、という疑いがある。
 
 一つは、一回事実上買収を行っているのに、さらにその後、買収をする発表をしたこと。
 もう一つは、短期の企業のパフォーマンス報告(決算短信と言う)に関して、嘘をついて実際より高い業績報告をしていたこと。

 さらに、ライブドアそのものも、2件の過去の買収について虚偽情報を流していた疑いがあるとのこと。

 もし本当だとしたら、市場の公正さを害するということで、処罰を受けることになる。 証券取引法158条。 罰則規定は197条。


 ここらへんは、真相が分かってから書きます。
Comment
≪この記事へのコメント≫
このページ、プリントアウトさせてもらっていいかな?
今日、生徒にも説明してあげて、こうゆうのあれば、もっと簡単に教えてあげられるなと思ってね。
2006/01/17(火) 22:15:43 | URL | a Go #-[ 編集]
 光栄です!
 いやー、手間かけた甲斐があるってものです。
2006/01/17(火) 22:25:52 | URL | Taejunomics管理人 #-[ 編集]
本題と関係ないところですけど
>株式の現在価格の全額(これを時価総額と呼ぶ)が大きければ、
>株式交換による買収が有利になる。

ファイナンス理論からみると、①株式の方が一般的に資本コストが高い(時価総額が高い場合には、倒産リスクは相対的に低いので負債の資本コストに対する倒産リスクの割引も低いですよね)、②株式により資本調達は株価が割高であるというシグナルになると言われている、③(米国では)実証的にみても、株式を対価とした買収の方が買収企業の株価にネタティブナ影響を与える・・・ということが言われていますよね。
本筋とは関係ないんですが、「株式交換が解禁されると時価総額の大きい外資が日本企業を買収する」というロジックが使われたりするので、いつも気になっていたので、ちょっとコメントさせてもらいました^^
2006/01/18(水) 00:09:29 | URL | 47th #cyygG8p6[ 編集]
 47thさん、コメントありがとうございます。
 去年の12月に実証研究をいくつか見た記憶があって、机をがさごそしていたのですが、見つからなかったので諦めてしまいました^^;

 ご指摘の通りですね。
 コストもかかるし、市場からのリアクションもキャッシュによる買収にくらべよくないですよね。

 たしかに、時価総額が高いことそのものが、直接的に「株式交換が解禁・・・」の議論につながるのは、おかしいと思います。 プロパガンダなのか、はたまた、わざと話を単純化しているのか。。

 けれど、不思議なことに、株式交換の方が買収にコストがかかる状況に置かれているにもかかわらず、株式交換による買収を選択する企業が結構存在するのは事実のようです。 コスト以外に色々な要因があるのかもしれませんね。 


 調べてみようかな。
2006/01/18(水) 10:38:13 | URL | Taejunomics管理人 #-[ 編集]
実務的な観点から、ライブドアの株式交換活用の理由を考えてみましょう。

-企業買収をキャッシュで行うためには、LBOスキームによるファイナンスが必要となります(10数億の小規模M&Aの場合は手元キャッシュでしょうが)
-LBOファイナンスは、株式交換と異なり第三者(銀行及び証券会社)との交渉が必要不可欠であり、金額が大きければプロジェクト遂行に時間と手間が増えます。
-銀行は、LBOファイナンスで貸付を行う場合、ターゲット会社の財務状態や営業・経営状態を監査(Due Diligenceという)することが条件となります。
-株式交換の場合、対象会社の買収総額が現行法だと5%以下(新会社法では20%以下、だと記憶)であれば、簡易株式交換という手法を活用でき、取締役会の承認と新聞への公告でファイナンスが完了します。基準を超える場合は、臨時株主総会の招集が必要となるため、2ヶ月以上の時間ロスが加わります。
-ライブドアの株式時価総額を7000億円とすると、その5%である350億円までの株式交換はほぼ簡単に遂行できるということです。

ここで、ライブドアのビジネスモデルである、M&Aによる事業拡大を思い浮かべてください。

株式交換による買収実施⇒新株発行により更にターゲット分の時価総額上乗せ⇒時価総額上昇⇒株式交換による買収可能価額上昇⇒更に大きなM&A案件が可能になる

このサイクルで、ライブドアは急成長を遂げたと言ってもいいのではないでしょうか。

ファイナンス理論、資本コストなどのロジックは必要不可欠ですが、実際のM&Aにはそれだけでは対応できないことも事実です。
仕事していていつも思います。
「M&Aって難しい・・・」
2006/01/18(水) 11:06:35 | URL | MI #-[ 編集]
バッチシ使ってきましたよ!
ありがとう(・∀・)
最近の小学生、<株>とか<M&A>っていう単語だけはよく知ってる。。。(もちろん意味はびみょ~だけど)
ま、ニュースで頻繁に出てくるからね~。。。
<ライブドアが違法!>って聞くと、すぐ食いつくよ!!
今度、ウリハッキョきて講義してみる?
<小学生でもわかる株式会社>とかって(・∀・)
2006/01/18(水) 16:45:37 | URL | a Go #-[ 編集]
 MIさんの書き込みを見ていると、実務の世界に早く入りたくてしょうがなくなります^^; 何とか書類選考は通ったので、面接をうまくやって、絶対に希望のファームに入りたいと思ってます。
 これからも、よろしくお願いします。


 a Goさん、ありがとうございます。
 小学生の前での話は是非してみたいと思いますが、株式会社は嫌です・・・ 理科とか社会とか教えさせてください^^
 小学生に投資を学ばせる人たちがいるみたいですけれど、僕にはちょっと理解しかねています・・・
2006/01/18(水) 23:25:16 | URL | Taejunomics管理人 #-[ 編集]
<投資の方法>は私も賛成はしないな~。。。
それによって<自分でやる>ってよりも、
<他の人にやらせる>って、
小学生らしくない癖がついてもイヤだしね。。。
ま、<投資>の概念は、最近の時事とリンクしちゃうので、最低限教えるけどね(・∀・)
2006/01/19(木) 08:34:48 | URL | a Go #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する
 
Trackback
この記事のトラックバックURL
≪この記事へのトラックバック≫
ライブドアが株式分割を利用したインサイダーを行ったとして強制捜査を受けています。ライブドア、証取法違反で捜索――NHKが報じるNHKは16日夕方、インターネット関連企業のライブ
2006/01/17(火) 23:34:39 | 幸せな小金持ちへの旅路(分割株・外貨FX・Bビジネス)
当然のごとくストップ安だったライブドアの株価。今日(18日)以降どうなるんでしょうか? IT企業と言うよりは、収益の面では「金融」が中心だった会社だけに「信用」が揺らいでいるいま、かなりの正念場であるような気がします。・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2006/01/18(水) 02:49:30 | テレビ的なものの概念 Der Begriff des Fernsehen
Designed by aykm.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。