Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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買収時の株式交換とキャッシュの選択要因について。
 以前書いたライブドアの一件の基礎知識に関するエントリーに、47thさんやMIがコメントを下さったので、議論をより深められればと思います。

 買収時における、相手企業の株の購入手段について、研究の紹介。


1.持分と購入手段
 株式交換を行うと、当然ながら、買収前よりも、自社株の比率が減るので、会社の所有関係が異なってくる。 それが経営の運営に支障をきたすと考えられるのならば、特に現状において所有関係にかなりのばらつきがあるのならば、経営陣は、キャッシュによる買収を考えるだろう。 これは、Amihud, Lev, and Travlosによるもの(1990)。

 まあ、ライブドアのこれまでの成長経路は例外なのでしょうかね。。


2.Qレシオと購入手段
 (トービンのqというのがある。 これは、時価ベースでの企業の株式価値/企業の資本ストック(ここでいう資本ストックとは機械など)の再生産費用。
 Qレシオは、トービンのqを準用して作られたもので、株式時価総額/株式の簿価とされる。 基本的には、PBRと同じ。 株式の時価(Qレシオの分母)が高い、ということには、通常、「企業に将来投資機会が多く存在する」という期待が反映されている。 よって、Qレシオは頻繁に、将来の有力な投資機会を示す尺度として用いられている)

 将来にも有力な投資機会が見越されるのならば、株価は割高になるため、株式交換による買収を行うことが多く、また、相手企業のQレシオが低い(投資機会が少ない)のならば、よりその傾向は強くなる。 そのように、Martin(1996)は主張した。

 これは、ライブドアにも当てはまりそうですね。


3.購入手段とその後のパフォーマンス

株式交換による買収とキャッシュによる買収の場合、
 株式交換:買収5年後の平均リターンはマイナス25%
 キャッシュ:買収五年後の平均リターンはプラス61.7%

 という統計が出ているらしい。 Loughran and Vijh(1997)

 おそらく、買収の手段そのものよりも、その手段を選択することになった背景的要因が強く作用しているものと思われる。

 ライブドアの場合、、結果として当てはまりそうですね。
 
Comment
≪この記事へのコメント≫
通常のM&AはLBO(レバレッジド・バイアウト)という手法で行われます。
簡単に説明すると、「買収するターゲット会社の資産(株式)を担保とする借入」です。
つまり株式交換ではなくキャッシュによるばいしゅうです。

この場合、リターンは株式交換の場合と比較して業績面が全く同じ条件だとすると、必ずプラスになります。
理由は、M&A後のLBO借入に対する利息が損金算入されることによる税務面でのメリットを得ることができるからです。

買収資金に使われた借金の利息がなぜターゲット会社にチャージされるの?と思う方もいらっしゃることでしょう。
これは通常LBOによる買収のケースは、この税務メリットを取るために以下のようなプロセスが取られるからです。
①M&A実施前に、LBOファイナンスを受け、買収する法人主体を別会社として設立しておく。これをSPC(特別目的会社)といいます。
②SPCによりターゲットを買収する。
③SPCとターゲット会社を合併させる。
④連結されることにより、負債から生じる利息をターゲット会社の所得に対して損金算入することができる。
⑤節税効果があり、キャッシュフローがプラスになる。

株式交換とキャッシュによる買収、目的は同じでも手法は全く違います。
当然テクニカルに効果も違ってくるわけです。


2006/01/24(火) 16:32:13 | URL | MI #-[ 編集]
 MIさん、コメントありがとうございます。
 テキストを通じて、レバレッジのタックスシールドについて知識としては知っているのですが、やはり実際に目の当たりにしていないせいか、感覚的な部分でまだ足りない感じがしています^^;

 明日、楽しみにしてます。
2006/01/24(火) 23:43:52 | URL | Taejun #-[ 編集]
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