Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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バリュエーション:財務諸表からの投下資産の算定まで。
 さて、間が空いてしまっていますが、再開です。
 前回までは、こちらをご参照:
 http://stjofonekorea.blog6.fc2.com/blog-entry-406.html

 2回にわたって、企業が公表している財務諸表から、投下資産やNOPLAT、フリーキャッシュフローを算定していこうと思います。

 今回は、投下資産を算定するところまで。

0.はじめに
1.財務諸表の入手
2.要約損益計算書の作成
3.投下資産算定用の貸借対照表の作成
4.投下資産の算定
0.はじめに

 対象企業は、三共です。 はい、僕の家の近くに本社があります。 
 第2位の製薬会社で、最近、M&Aをした企業でもあります。

 この企業にした理由は4つです:
・参考書でもケーススタディとして取り上げているため、自分が正しく算定を行えているかどうかチェックが出来る
・安定した高い利益率。 
・R&D(研究開発費)が巨額なため、企業の成長サイクルをよく捉える必要があることなど、知的に面白そう
・転職第一志望先が、過去にこことディールを共にしたことがある。



1.財務諸表の入手
 
 グーグルやヤフーの検索エンジンで、"einet"と検索したらサイトに着きます。 そこで、企業の財務諸表を見ることが可能です。 業種別検索をすると、三共は一番上にきます。

 有価証券報告書に、財務諸表が含まれています。
 
 最近気づいたのですが、この財務諸表、コピーしてexcelにペーストできます。 僕は、これを知らずに何時間浪費したことか。。

 貼り付けたもので、重複する項目を一つにしたり、ある期にはあるのに、ある期にはない項目を足したりして、貸借対照表(BS、balance sheetの略)と、損益計算書(PL、profit and loss statementの略)を作ります。

 それが、以下のものです。 

※ 以下のエントリー、できることならある程度の会計知識があった方が良さそうです。 お奨めの本は、こちらです。

※ もし、以下のエクセルのファイルを見てくださる方がいらっしゃったら、メールかシークレットコメント欄にでも書いておいてください。 送ります^^

 
20060221091735.jpg

20060221091752.jpg

20060221091806.jpg

20060221091820.jpg





 ここで重要なのは、算定の際に必要となる事項、例えば減価償却費などが記載されていないとき、それを注記などから見つけ出すことです。 特に減価償却費などは、絶対に知る必要がある項目なので、しっかりとさがすようにするべきです。
 
 三共の場合、減価償却費は、セグメント情報に関する注記部分に書かれていました。
 しかし、少なくない企業が、減価償却の対象となる項目ごとに減価償却費を公表しているのに対し、三共は一括した減価償却費しか示していません。 このため、売上利益と営業利益の計算において、減価償却費がどれくらいの役割を占めたのかが良く分かりません。

 




2.要約損益計算書の作成

 Valuation 4th editionで、Tim Kollerらが頻繁にこう語っています:「ディテールは、それが必要とされるときに、初めて追求すべきものである。」  膨大な財務諸表の数字を一つ一つ詰めるよりは、本質をつかみやすいように財務諸表を要約する必要が生じてきます。 ざっくりと、以下のように要約します:


20060221091912.jpg

 


 減価償却費、支払利息、受取利息、受取配当金は、しっかりと残すことに注意してください。 なぜなら、以前に述べたNOPLATの算定のためには、これら項目をしっかりと知っておく必要があるからです。




3.投下資産算定用の貸借対照表の作成
 次に、バランスシートも投下資産を後に算定するために要約します。
 要約において、重要なポイントは二つ:
 ・同じ名目の項目を集めること
 ・しかし、ある項目の全体に占める構成比が多い場合、それは独立に表示すること(三共の事例では、土地)。

 20060221092002.jpg

20060221092009.jpg




 また、営業用現金は、財務諸表には表示されないので、近似値を割り出す方法を用います。 多くの場合は、売上高に0.5~2%をかけることによって求められます。 ただし、もしそうすることによって営業用現金がもともとの現金・預金を上回る場合は、現金・預金の上限内で営業用現金を設定します。
 さらに、もともと流動負債に組み込まれていた有価証券や繰延税金資産も、固定資産に振り替えます。これら項目は、多くの場合、企業の本業とは関連のないものだからです。


4.投下資産の算定

 今日はここまでにしましょう。
  
 営業用の運転資金と、有形固定資産、その他営業用資産を足し合わせたものが、事業用の投下資産になります。 
 それに、さらに、非事業用の投下資産を足し合わせれば、投下資産の合計額が算定されます。

20060221092042.jpg



 ちなみに、投下資産は、負債の側からも算定することが出来ます。
 視点は「投下資産に使われた資金はどこからやってきたのか」です。
 まず、株主資本から、繰延税金資産、有価証券評価差額を控除し、継続的引当金を足します。 そうして、資本の額を調整します。
 
 そこから更に、少数者株主持分、借入金、退職給付債務を足し合わせることによって求められます。



 説明を一つずつすると膨大な量になってしまうので、かなりさくさくと進めてしまいました^^;  この項目はなんでこうなるの?、とかコメントくださると、その部分は追記します。。
Comment
≪この記事へのコメント≫
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2007/02/18(日) 03:04:33 | | #[ 編集]
投下資産のバランス
シークレットコメントさんへ。

投下資産は、必ずバランスします。 それは、PLとBSだけを用いれば必ずバランスするようになっています。 (もちろん端数はずれたりしますが)。

よいバランスチェックのための方法は
・差額を計算してその差額から、どのアイテムが抜けているか判断する
・両方の項目に含まれたアイテムを書き出してみて変な部分が無いのか考える

あたりです。 頑張ってください^^

2007/02/18(日) 22:23:02 | URL | Taejun #-[ 編集]
ブログ拝見させて頂いております。
現在、バリュエーションに関して勉強しております。(ビギナーです)
エクセルのファイルをもしよろしければ送って下さると助かります。

失礼致します。
2007/05/19(土) 23:18:16 | URL | hiroki #-[ 編集]
hirokiさん、コメントありがとうございました。

これ、相当昔に作ったものなので、ファイルはもうありません… わからないことがあれば、適当にメールくださればお答えするので、どうぞよろしくです。 taejun.shinのGmailです。

2007/05/20(日) 21:02:32 | URL | Taejun #-[ 編集]
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2007/12/18(火) 11:19:21 | | #[ 編集]
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2009/08/06(木) 18:01:12 | | #[ 編集]
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