Taejunomics

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ブラック・ショールズ式を感覚的につかんでみる:LTCMの破綻についてその②
 (追記・訂正あり4月1日午前9時)


 本題とはそれているのですが、ちょうどisologueでブラック・ショールズ式の話題に触れられていて、その点では公共の利益に資すると思うのでトラックバックさせていただきました。 そういえば、TB機能を使うのは、ライブドアの一件以来久しぶりですね。


 (ちなみに、アメリカでは、ストックオプションの利用数がここ4年で30%減ったそうです。 最新のビジネスウィークの特集より。)


 2)の部分でオプション価格付けの原理について書いていきますので、そこだけ読んでくださっても結構です。

 さて、前回に続きLTCMの破綻の要因について考えていきます。


1)LTCMの破綻の要因について  
 色々な資料を読むに、失敗の要因として考えられているのは一般的に三つのようです:

 ・レバレッジをかけすぎた
 会社の規模をはるかに上回る額での資産運用をしていました。 会社の資産の10倍もの資産を運用していたそうです。 1400億ドル。 利益を出したら儲けは大きいのですが、逆もまたしかりなわけです。


 ・デリバティヴの監視体制が弱かった
 その資産運用額のさらに10倍にもなる額のデリバティヴ取引をしていました。 
 デリバティヴは、「派生」という意味の英語です。 デリバティヴは、「金融派生商品」とか訳されるのですが、オプションや先物、スワップなどは、これに含まれます。 ※野村證券の用語辞典を参照してくださると助かります。

 さて、デリバティヴのひとつであるオプションの取引は、一般的に高リスクのものが多くなっています(その分、リターンも大きい場合が多いです)。 そのため、過去に多くの企業がオプション取引による損失で多額の特別損失を貸借対照表に計上しました。 代表的なもので言うと、BP(ブリティッシュ・ペトロレアム)のケースなどでしょうか。

 こういうリスクの高い取引を多額で行っていたにもかかわらず、大してそれが危惧されなかった。 まあ、「市場の神々」の取引だから、心配はない、と思っていたのでしょう。 人間の心理にはそういう側面が少なからずあるのは事実だと思います。


 ・理論的な問題
 僕は、上の二つの事柄は、副次的な理由だと考えています。 なぜなら、LTCMが引き続き成功していたのなら、レバレッジの高さやオプション取引高の多さは、その利益をさらに増す理由になるものだからです。 根本的な理由にはならないのじゃないかと。 
 その理論的な問題について考えるためには、ショールズ氏やマートン氏が何を考えていたのかを、見る必要がありそうです。

 というわけで、ブラック・ショールズ式について感覚的に見ていこうと思います。



2)ブラック・ショールズ式

 ブラック・ショールズ式は、元は、オプション価格を算定するための公式でした。 しかし、これは、その他、為替、先物、債券、株式などの価格算定にも応用できる、スグレモノです。


 A)理論土台
 さて、僕にどこまで説明できるか分かりませんが、頑張って書いてみます。
 
 僕が思うに、基本的な考え方は二つのようです。 それは:
 ①全ての証券やオプションの価格変化は、一定の傾向と、全くランダムな部分からなっている。
 例えば、崖の上から石を落としたときを考えてみてください。 石は、下に行くことは確かです(傾向)。 しかし、下のどこに行くのかは、定かではないんですね(ランダム)。 真下あたりに落ちるのが一番確率は高いとしても、もしかしたら、真下から数百メートルずれたところに落ちるかもしれません。 さらに、このランダムな部分は、正規分布(偏り無くばらつく)になると、彼らは考えたみたいです。


 ②証券やオプションには、臨界点(なんていうか、英語のbreaking pointという表現が一番しっくり来ます)がある。
 オプションのみならず、例えば、株式であれば、その価格が下がったとき、株主にはその株を保有し続けるか、もしくは会社を解体してキャッシュを手にするか、決定するポイントがあるわけです。 

※もちろん、ファイナンス理論全般に通用する「裁定機会(無リスクでそれに見合う以上の利益を得られる機会)の不存在」も重要な前提です。


 ①の部分は、ちょっと数学的に書くと
 変化=傾向×経過時間+ランダムな部分

 となります。


 (ここから下の数行省略可)
 もうちょい数学的に書くと、
 lnSt=μ⊿t+σε√⊿t

 となります。
 lnStは、t時点での資産価格(S)の変化率(lnは変化率を表すときに使います。 関数電卓で試してみてください)

 μ(ミュー)はその傾向。
 ⊿tは、t時点までの経過時間。
 σ(シグマ)は、標準偏差で、確率分布のランダム度合いの指標です。
 ε(イプシロン)は、正規分布する標本からの無作為抽出を表します。

 
 -----------------------------------------(省略可能部分終了)



B) ブラックショールズ式の概略
 で、これを、土台にして、成り立っているブラックショールズ方程式は、以下の様な形をしています。 最初見ると、「なんじゃこりゃあ」と言うのが実感だと思います。。

 bsformula.jpg




 ここで、d1とd2の定義は、
d1.jpg

d2.jpg

 
 となります。

 一応変数について説明をします。


 Kはオプションであれば行使価格。   
 eは、自然対数といいまして、不思議な性質を持っています。 eの-r乗と言うのは、(1+r/無限)の無限乗で割ることと同じです。 eのr上であれば、(1+r/無限)の無限乗で掛けることと同じになります。
 T-tは、T時点からt時点までの時間の長さです。
 N(d1)は、累積確率密度関数といいます。これは、d1という場合が起こる確率を最大100%で示したものです。 なんでこれを求めるかと言うと、上で述べたように、全ての証券には、臨界点が存在するからです。



 この公式、原理的に導き出すためには、かなり高度なレベルの数学の山をいくつか乗り越えなくてはいけないので、これが限界です。 その過程を僕が正確に理解している自信はありません^^; 秋学期には大学院で習うつもりなので、僕がしっかりと理解できたら、責任をもって書いてみようと思います。




C) 何で人々の間で浸透したか
 大きな理由として挙げられるのは、計算が容易だという点です。
 ブラックショールズ式によれば、オプションの価格を知るために調べなければいけないものは、原資産の価格、行使価格、原資産のボラティリティ(σで表された「移ろいやすさ」)、安全利子率、時間で済むのです。 この中で、ボラティリティ以外は、とても求めやすいわけです。

 この計算の容易さから、ブラック・ショールズ式は一世を風靡することになります。
 
 ブラックショールズ式の第一項の部分に「eの-q乗」を掛け合わせたものは、汎用ブラックショールズ式と呼ばれます。 株価であれば、qの部分に配当率を、社債であればqにクーポンレートを、と入れるわけです。
 



 3)何が理論的な問題だったのだろう、、まで書くつもりだったのですが、もう大変な長さになってしまったので、ここらで切り上げます。 

 次回で考えていくことにします。


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