Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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Judas' pain
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  「ユダは裏切っていない? 1700年前の写本解読」

 内容をかいつまんで言うとこんな感じです:
 ユダ(正確には、イスカリオテのユダ)は、自らの意思のみでなく、キリストの嘱託を受けてキリストを「裏切った」―そう書かれている「ユダの福音書」が見つかり、解読がが終了した。


 英文のPDFファイルはこちらです。


 PDFファイルの内容を果敢に翻訳しようと思ったのですが、今回ばかりはさすがに著作権その他が怖かったのでやめておきました。 のみならず、僕みたいに宗教は好きだけれど無宗教の人間が、翻訳を書くのはどうもまずいと感じたのも、理由の一つです。

 それでも、感想だけは書きたいので、エントリーを書いているわけです。



 1.ユダこそ「もっともキリストに近い使徒」説について
 2.資料の信憑性
 3.ユダの『裏切り』に関する個人的な意見
 4.結びにかえて 




 1.ユダこそ「もっともキリストに近い使徒」説について

 実は、文書に書かれていた内容自体は、大して新しいものじゃないんですよね。 日本では、例えば遠藤周作さんなどが、同様のお話をしていた記憶があります。 「イエスの生涯」という本です。 
 ユダは、誰よりもキリストの苦悩を知っていて、キリストもまたユダがそう感じているのを知っていた。だから、彼は、ひそかにユダを呼び、彼に裏切りを頼んだという内容のものです。 

 ですから、今回の資料の意義は、その内容そのものと言うよりも、一部の人々が主張してきた説に対し、文献的根拠を与えたという点にあります。



 2.資料の信憑性

 生きてきた環境のせいか、僕はどうも資料の信憑性を疑ってしまう性質のようです。 今回の資料についても、年代的にはかなり事実に合致したものであることが分かっていますが、それが、「ユダの福音書」である根拠はないんですよね。

 例えば、考えてみてください。 僕が当時に生きていて、思い付きを、本にとどめておいたとします。 それを現代の人たちが発見する、なんてことがありえるわけです。

 人間は自分に有利な、もしくは、自分の考えを肯定してくれる情報だけを真に受けようとする性質があるので、この点には用心しようと思っています。

 

 3.ユダの『裏切り』に関する個人的な意見

 と、資料の信憑性を疑っておいてなんですが、僕としては、どちらかと言うと、「裏切り者」としてのユダよりも、キリストの思想を不滅のものにするためにわが身を犠牲にしたユダのイメージの方がしっくりとくるんですね。 

 30枚の銀貨でキリストを裏切って、そして、罪の意識に耐え切れず首を吊って死ぬ、というのは、あまりにも安直な気がするんです。 長い間迫害を受け続けてきたキリストと苦楽を共にしてきた使徒の一人が、あんなにもあっさりと裏切りを働くというのは、どうしても想像しがたいのです。 他の使徒のように、キリストが捕まったときに逃げ去ることはありえるとしても。 
 
 さらに、「他人の罪をあがなうために、己の命さえもささげる」というキリストの思想を体現するには、皮肉なことですが、やはり「裏切り」が必要だったわけです。 キリストが、ただ単に戒律を批判した罪で、イスラエルで捕まったのでは、この他人の罪をあがなうということを体現は出来なかったんですよね。 と、考えると、やはりユダの「裏切り」は意図されたものだったということも、いえなくはないと思うんです。

 キリストの思想は、二人の人間の死によって不滅のものになった、片方が欠けても不滅にならなかった、そう感じている僕がいます。
 
 
4.結びにかえて 

 数千年の過去の事実は過去に生きた人のものであって、僕たちのものではないと思っています。
 僕たちにできることといえば、過去を自分の頭で想像して、そこから学ぶことにあると思うんです。 彼らが何を考え、そのような行動をとったのかを可能な限り想像し、そして、自分の生き様について省察すること。 それが、一番大切なことだと感じる今日この頃です。
 
 2000年以上、裏切り者の汚名を、自分のみならず、自分の子孫までもかぶる事になるかもしれない。
 僕だったら耐えられるか?



 そんな問いが胸中渦巻いていた、仕事の帰り道でした。
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