Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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金利決定の「もやもや」。
 明日はいよいよ証券アナリストの試験なのですが、完全に開き直っています^^;。 もともと、実力をつけるために始めた勉強で、試験用の参考書を一切読んでいない状況なので、この期間についた(はずの)実力試しのつもりで受けようと思っています。 もちろん、やるからには合格するつもりで受けます。
 
 光栄にも、47thさんのエントリーで、一部取り上げていただきました。

 ファイナンス理論についてもヒヨッコの僕ですが、胸を借りるつもりで書いていこうと思います。


 金利決定における、投資理論と経済学のちがいのもやもや 

 金利の決定について、47thさんは、以下のように書かれています。

 消費者金融における利息の負担の重さは、元本額に対する金利負担によって定めるのではなく、借り手の稼ぎ出すキャッシュフローとの割合で定まるものであって、「投資」と同じ感覚で金利を比べることは何の意味もないということです。

 (中略)

 消費者金融における「適正なスプレッド」というのは、消費者側のデフォルト・リスクから逆算して出るような類のものではなく、そのサービスにどのような価値を認めるかという、まさに需要と供給の作用によって定めるものです。


 経済学的に、金利が需給関係から定まる、ということについて、僕も異論は特にありません。 前回のエントリーの2.の部分でも書いているように、借り手側の人々が流動性制約に直面していて、その状況を所与とするのなら、もっとも効率的な金利(需給均衡点における金利)は高く定まる、のだと思っています。

 
 ただ、ファイナンスの理論を学んでいる(はずの)人間としては、一つ疑問が浮かぶのです。 この場合、投資理論におけるリスクとリターンの関係から推定される金利と、経済学における需給関係から定められる金利の関係は、どのように位置づけるべきなのでしょうか?

 
 とても乱暴な見解かもしれませんが、利益率を語るにおいて、経済学的な考え方はどちらかと言うと現実を説明するもの、投資理論からの考え方は、どちらかと言うと理論値を推定するもの、になるのではないかな、と感じています。 というのも、需要と供給の原理から価格を求める経済学的な考え方は、「今、均衡点はここらへんだよ。」と言う事を教えてくれるのに対し、投資理論は「理論的に言ってこれの本来の収益率はここなんだよ。」という事を私達に知らせてくれると、感じているからです。
(「どちらかと言うと」と回りくどく書いた理由は、経済学においても事実解明的な経済学と、規範的な経済学の2種類があるためです。)


 僕が47thさんの議論を読み違えていたら恐縮なのですが、「そのサービスにどのような価値を認めるかという、まさに需要と供給の作用によって定める」という謂いにはどうも違和感があるのです。 なんというか、経済学的にはとてもクリアーなのは理解できているのですが。。 

 もしかしたら、そろそろ僕の頭の中に「リスク&リターン」の考えがしみこみ始めていて、その考えが、僕に「てじゅーん、そりゃおかしいぞー」と命じているだけかもしれません^^;


 どなたか、このもやもやを解消してくださると嬉しいです。


 以下、Tipsです。
 ※金利を40%とするのならば、その金利が想定しているデフォルト率(債務不履行になる確率の事です)は結構高いと思います。 ここで、安全利子率ゼロ、リスク中立とします。 融資にまつわるコストを5%、貸し手の目標利益率5%として、出口時に100万円が110万円になっていれば、貸し手としては満足と考えます。  
 
 この場合、デフォルト時のペイオフがゼロなら、デフォルト率は21.6%と低めに設定されます。 
 20060422233416.jpg



 しかし、現実的にはデフォルト時にある程度のペイオフはあるわけです。 お金を借りて一銭も返さずに債務不履行になる人は、さすがにあまりいないと思います。 大体の場合、ある程度までは返済して、しかし残りは返せない、という状況でデフォルトに陥るのだと思います。
 ここで、デフォルト時のペイオフを54.3万円とすると、確率は以下のようになります。
20060422235206.jpg


  

 ※47thさんがお話になっていた、金融機関の利益の要素は市場利子率(≒time value of money)、貸し手・借り手へのサービス(信用リスクプレミアムと金融サービス)というのは、僕もちょうど大学院で学んでいるところでした。

 ちょっと言葉を言い換えて図にすると、こんな感じになる、と教授は話していました。
 20060422231837.jpg

 教授は元国税長官の渡辺さんで、中里先生と一緒に研究をされていたそうですね。 著書「ファイナンス課税」は、6月頃に出版される予定だそうです。 本当はこの本が授業の教科書になる予定だったのですが、会社法の変更に伴う修正が遅れまだ出版されず、今は、この本のゲラ版で授業をしています^^;





 何か、またまた走り書きのようなエントリーで申し訳ありません。。
 


 
 よし、勉強、勉強っと。。
Comment
≪この記事へのコメント≫
>Teajunさん
Teajunさんの疑問の答えになるかどうか分かりませんが、企業金融と消費者金融の根本的なフレームワークの違いと私が考えていることについて、ちょっと書いてみました。(ひょっとしたらTeajunさんには、コミットメント・ラインの手数料とのアナロジーで考えてもらった方がいいのかも知れませんが)
ともかく、アナリスト試験が終わってからゆっくりとご覧になって、また考えを聞かせてください。
試験頑張ってください^^
2006/04/23(日) 08:51:23 | URL | 47th #cyygG8p6[ 編集]
 47thさん、コメント有難うございます。

 他にも、isologueさんやbewaadさんのエントリーも読みながら、「なるほどなあ」と思ってはいるのですけれど、このしっくり来ない感じにすごいもどかしさを感じています。 
 
 せっかく大学院にいるので先生方ともディスカッションしてみて、考えを深めてみようと思います。
2006/04/23(日) 19:38:42 | URL | Taejun #-[ 編集]
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消費者金融について経済学的な議論をしようとすると、意外なほど基本的なところで、そ...
2006/04/23(日) 01:43:07 | ふぉーりん・あとにーの憂鬱
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