Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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租税の基礎②:分類、法律関係、理念。
 isologueですこし触れられていた不動産の流動化による税その他コストを最小化するスキームについて考えても見たいのですが(アセットのサイズはかなり大きそうなので、信託を使ってTMK-YKでしょうか)、まあ、それは夕方に時間ができたらゆっくり考えるとして。


 租税の基礎その2は、
 
 1.租税の分類
 2.租税法律関係
 3.課税原則

 の3点で。
  
 
 1.租税の分類
  この手の分類に何の意味があるのか、といわれるとちょっと答えに窮してしまうのですが、理解を深めること、と、政策論議をしやすくなるという点で、分類することに一定の意味はありそうです。 たとえば、直間比率(直接税と間接税の比率)は、税制について議論する際によく引き合いに出されるものです。

 さて、分類の方法は、ざっくりというと、
 1)経済活動による分類
 2)直接税・間接税による分類

 となります。

 1)経済活動による分類
  ①「フローとストック」による分類
   ・フローに対しての課税:所得税、消費税など
   ・ストックに対しての課税:固定資産税など

   と、分けられます。 経済学になじみのない人もいるというのでもうちょっと説明すると、フローというのは、財産の流れ(支出や収入)をさしていて、ストックというのは一定期間とどまっている財産(持っている土地)を指します。 ちなみに、国内総生産はフローの統計、国内総資産はストックの統計です。

  
  ②経済活動を表す事実や法律行為による分類 
   これには、印紙税、登録免許税などがあげられます。



 
 2)直接税・間接税による分類

 直接税の代表選手は所得税、間接税の代表選手は消費税です。 では、直接税と間接税はどのようにして分類されるのでしょうか。 大きく、二つの分け方が考えられています。

 ①転嫁の有無による分け方
  直接税は、納税義務者と納税負担者が一致しています。
  反面、間接税は、納税義務者と負担者が一致していません。 
  このような方法で分類するのが、従来の一般的なやりかたになっています。 
 

 例:消費税

  ちょっとこの事について理解するために、消費税について、詳しく見てみましょう。
  消費税は、別名「付加価値税」とも呼ばれています。 単純な例で言うと、原価100円のものを200円で売ったら、売った人が産み出した付加価値は100円です。 
 
  商品が1000円だとします。 このとき、僕たちは、消費税を50円払いますね。
  さて、その50円、実は、以下のような構成で成り立っています。

  500円の付加価値を産み出した生産業者の負担額:500×5%=25円
  300円の付加価値を産み出した卸売業者の負担額 :300×5%=15円
  200円の付加価値を産み出した小売業者の負担額 :200×5%=10円

  
  付加価値を生み出したことに対して納税義務を負っているのは、各業者です。 しかし、実際に負担をしているのは、消費者です。
 このように、納税の負担が転嫁されているのです。

  
 そういった負担の転嫁による分類が、従来の間接税・直接税の分類の基準だったわけですが、すべてがすべてそういくかというと、そうでもないんですね。

 たとえば、法人税の場合をあげると、誰が実際に法人税を負担しているのかが、なかなかわからない。 債務者なのか、法人そのものなのか、株主なのか、取引相手なのか。 

 そういう意味で、従来の分類には限界があると考えられています。


 ②納税者の個別的事情を考慮するか否かによる分類
  ワトキンソンという人が、このような分類をしました。 これによれば、従来の分類の問題を回避することができるようになります。

 ・納税者の個別的事情を考慮する税 :直接税
 ・納税者の個別的事情を考慮しない税:間接税
 
  という分類です。
  直接税には累進性があります。 これは生活レベルでなじみがあると思いますが、所得が大きな人ほど、課せられる所得税率が高くなっています。 これは、言い換えると、納税者の個別的事情を考慮していると言えそうです。 逆に、消費税などでは、税率は一律して同じ額です。

 
 間接税と直接税のどちらがいいか、というのは、他の社会保障のあり方その他を総合して考える必要がありそうです。
 
 中里実先生などは、付加価値税が新しい税のあり方だと主張されているようです。 このような一律的な税制をとれば、租税回避スキームがあまり生じなくなることなどがその主な理由なのだそうです。
 もちろん、付加価値税オンリーの税制をとりながら社会保障のあり方を変えない、となると、実質的公平・垂直的公平の観点から問題が生じるので、そのような税制をとるためには社会保障制度も一緒にいじらないといけなさそうですね。  

 ちなみに、ちょっと前にtakaさんに教えていただいたのですが、官僚の間では常に「省益(省庁の利益)」の争い、いうなれば省庁間のものすごい縄張り争いがあるので、事はそう簡単にいかないかもしれません。 

 
 ※国の発展と税制

 参考までに、日本では明治初期の政府の税収は地租56%、酒税23%で、所得税は1.7%に過ぎなかったのに対し、現在では所得税・法人税がともに28%、消費税が23%と、構成が大幅に変わってきています。 国家の発展段階にしたがって、税制も変わっていくのですね。 発展初期においては、関税や酒税、地租などが主なものであるのに対し、ある程度発展すると所得税や法人税、成熟期には消費税などの付加価値税が主な税収になっていくようです。 
  
 
 とりあえず、租税の分類については、以上です。




 2.租税法律関係
  ここはさらりと書いていきましょう。
  租税法律関係とは、「国家と納税者が法の下に債権者・債務者として対立しあう公法上の関係」をさします。
  
  公法上の関係、という理由を考えるには、租税法律関係の私法的な関係との違いを見ればよさそうです。
  ・法廷債務であること:契約によって変えたりはできない
  ・公法上の法律関係であり、問題があるときには行政事件訴訟法の適用を受けること
  ・国家に特権があること:
   -自力執行権が国家に認められていること:「払えないのなら物を売り払ってだしてもらおうか」ということが国家には可能です。 私人間ではこれは禁じられています。 漫画とかではしょっちゅうやっていますがね^^; 
   -質問検査権があること
   -国家が債務を確定させることができること
   -他の債権に対して一般優先権があること(担保権とかがある場合以外には、国家は税金を他の債務者に先んじて徴収することができます。)
  ・強行法規であること

  などがあげられます。
 



 3.課税原則
 
  これは、税制を改正するときにその理念として現れてきます。
  ざっくりいうと、以下のものがあげられます:
  ・公平
  ・中立
  ・活力/経済成長
  ・簡素
  
  よく問題になるのは、「活力」と「中立」の間の対立のようです。
  不況の際にどのような税制をとることが望ましいのか、判断は難しいところでしょうね。




 以上です。
 毎度のごとく、質問・つっこみは歓迎します^^

Comment
≪この記事へのコメント≫
ポリンキー
ポリンキー
2007/05/22(火) 15:56:06 | URL | ポリンキー #kXPuCJp6[ 編集]
三角形の秘密、、、
もしかして、ご存知なのですか? でしたらぜひ教えてください^^
2007/05/24(木) 00:06:05 | URL | Taejun #-[ 編集]
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