Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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「北朝鮮どうなってんだ!」と言われても・・・
 朝鮮籍なのもあって、友人や知り合いから、「北朝鮮どうなってんだ!」という類のお話を色々と伺いました。 結構前に書いたのですが、僕は、本当の洗練というのは、自分の意見を、相手の気を害することなく、しかし率直に誠実に述べることだと思うので、書いていこうと思います。 意見を表明しないと、何も始まりませんしね。


 情報が錯綜していて事実関係がどうなっているのかは、いまいちよくわかっていないのですが、日本政府の発表によると、日本の国土から500km~700kmほど離れた場所に、ミサイルか何らかの飛翔体が落下したようです。

 
 日本の500kmといったら、東京から大阪くらいまでの距離ですから、かなり近いように感じられますね。
 ですが、グーグルマップで見るとどうなっているかと言うと、


20060706010029.jpg



 ここら辺のようですね。

 このあたりの地理を鑑みるに、軍事演習だとしたら、まあ、適切な場所に落とした感じがします。 というより、変な表現ですが、他に落とす場所が無さそうですね。。

 僕は武器そのものが嫌いなのですが、まあ、そんな話は置いておいて、国家の自主権というロジックを用いたのならば、今回の行動そのものには一応の筋が通るとは思います。
 
 
 そして、これが、日朝ピョンヤン宣言に抵触しないのか、と言うと、どうなんでしょう。



 3.双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認した。また、日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した。

 4.双方は、北東アジア地域の平和と安定を維持、強化するため、互いに協力していくことを確認した。
 双方は、この地域の関係各国の間に、相互の信頼に基づく協力関係が構築されることの重要性を確認するとともに、この地域の関係国間の関係が正常化されるにつれ、地域の信頼醸成を図るための枠組みを整備していくことが重要であるとの認識を一にした。
 双方は、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守することを確認した。また、双方は、核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図ることの必要性を確認した。
 朝鮮民主主義人民共和国側は、この宣言の精神に従い、ミサイル発射のモラトリアムを2003年以降も更に延長していく意向を表明した。



 このモラトリアム、延長したのでしょうか? 僕はよくわかっていないので、どなたか事情に詳しい方がいたら教えてください。 していたら、アウトっぽいですね。

 相互の安全を脅かすか、と言う点については、論争の余地がありそうです。 国と国との間だとしても、公海にあたる部分にミサイルを落としてそれが直接に、相互の安全を脅かすのか、というと、一概にそうとは言えない気もします。 この国に住む人々の感情論で言うのなら、「十分に安全を脅かしている」となるのかもしれませんが、そういった感覚的な議論と政治議論は、ちょっと分けておくべきなのかな、と感じます。




 発射の意図だとかは、まだ全然わかってもいないのですが、一つはっきりとしていることがあります。
 それは、この類の出来事が起こるたびに真っ先に大変な目にあうのは、在日コリアンの、特に民族学校に通うこども達だという事です。 知り合いに朝鮮学校の先生が多いのですが、今、父母からの苦情への対応や、通学路の子供たちの安全を確保するための対策の準備などに、おおあらわだそうです。 深夜宿直をしていると、学校に脅迫電話がいつも以上に来たりして、それもかなり鬱陶しいという話もよく聞きます。


 なんだかなあ。


 ポストスクリプト。


 ちなみに全くの余談ですが、僕はこの宣言に不満がありまして。 それは、ここ。

 2.日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した。
 ・・・
 双方は、国交正常化を実現するにあたっては、1945年8月15日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権を相互に放棄するとの基本原則に従い、国交正常化交渉においてこれを具体的に協議することとした。


 
 ピョンヤンの政府は、今までどんな問題に対しても原則を守ってきた感があったのですが、ここは間違いなく妥協している、と考えています。
 同様の請求権を、韓国政府は日韓条約のときに放棄していて(ですが、国民レベルの請求権は残っています)、多くのコリアンが、朝鮮の政府に「原則的にやってくれるだろう」という望みを託していたのが当時までの状況だったのです。 老年代の人々で、この部分に失望を覚えた人はかなりいたのではないかな、と感じています。
Comment
≪この記事へのコメント≫
心中お察しします。朝鮮学校の生徒さんに
心無い被害が及ばないことを祈っています。

今回の件については(誰でもそうだと
思いますが)分からないことが多いので
エントリに感謝します。早速質問。

本当に素朴な疑問なのですが、
>国家の自主権というロジックを用いたの
>ならば、今回の行動そのものには
>一応の筋が通るとは思います。

というのはどういうことなんでしょうか?
(自主権という言葉の意味がよく
わかっていないのですが)
つまり日本が同様のミサイルを同様の
場所に打っても、北朝鮮からの抗議に
対して「自主権の範囲なので」と
言い返すことが国際法や諸外国との
関係上可能、ということなのでしょうか?

前提としての米国等の脅威に対して、
ということでしょうか。

この「自主権」の論理がニュースを聞いて
いて一番違和感があったので教えて
いただけると嬉しいです。
忙しいとこゴメン。
2006/07/06(木) 08:04:20 | URL | taka #-[ 編集]
請求権の問題をやると、日本側の受取の方が大幅に超過するそうです。現地に莫大な資産を置いて帰っていますので。だから相互放棄なのでしょう。
2006/07/10(月) 16:58:42 | URL | xxx #mQop/nM.[ 編集]
 xxxさん、お久しぶりです。コメント有難うございます。
 そういう視点があるということを、おかげで知ることが出来ました。 
 ちょっと質問なのですが、植民地に自らの意思で置いていった資産だとしても、それに請求権は生じるのですか? 
2006/07/10(月) 23:58:35 | URL | Taejun #-[ 編集]
発生するのが通例なようです。
特に、大部分を占める民間人の資産については、旧植民地が無償で譲渡を受けられる理由自体がないでしょうね。政府の資産については良く知りませんが。
ちなみに、オランダは350年間残虐な支配を続けたインドネシアに対し、独立祝いはビタ一文出さず、請求権に基づく莫大な取り分だけはきっちり要求して行ったそうです(実際に取ったかどうかは不知)。普通は放棄してあげるものなんですが・・・。さすが欧州で最も評判の悪い国ですな。
2006/07/11(火) 09:46:19 | URL | xxx #mQop/nM.[ 編集]
ついでですが、オランダのベアトリクス女王は1995年にインドネシアを訪問した際、「植民地支配は互恵的だった」と開き直り、インドネシア国民を憤慨させたそうです。この方は、宮中晩餐会で今上陛下に向かって日本の戦後処理批判を一席ぶったこともあります。お前が言うな、と。つうかせめて場所を選べと。皇太子ご夫妻も、何もこんな連中の所にご静養に行かなくても良さそうなものなのですが・・・。
2006/07/11(火) 09:59:12 | URL | xxx #mQop/nM.[ 編集]
 なるほど、勉強になります。
 それをもとに、もうちょっと考えてみます。

 オランダの王室、というと、ビルダーバーグ会議とかが連想されてしまいますね。。 内在する論理がどの辺にあるのか、非常に興味深いところです。
 租税条約とかでも、オランダと日本の間のそれにはなかなか問題があったりしますしね。
2006/07/11(火) 12:26:52 | URL | Taejun #-[ 編集]
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