Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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B/S式を前よりは深く書いてみる①:株価変動モデルについて。
 今日、デリバティヴの授業では、いよいよ本格的にブラック・ショールズモデルに入りました。 ブラック・ショールズ式は、20世紀後半におけるファイナンス理論の中でも最も革命的なものの一つです。 他にMPTやCAPM,APTなども革新的とされていますが、B/S式はその数理的難易度においては他の理論と一線を画しています。  今までは先物とか、普通の二項モデルしかやっていなかったので、ドラクエに換算すると、カンダタとバラモスくらいの落差がありました。 といっても、まだまだ深入りしていない解説のレベルのようです。(先生談)
 

 僕がここで学ぶ目的は、将来に自分で投資をするときに、その活動に理論的な意義を自分でつけられるようにすることにあります。 もちろん、理論がなくても実務で成功しうるとは思いますが、理論がないことに起因するあほらしい失敗は避けたいんですね。
 ですから、こういう授業は大歓迎です。 なので、今日のデリバティヴの授業は大学院一学期の全授業の中でも結構上位に入る面白さでした。

 といってももちろん、なかなかその理論は深遠のようです。
 
 先生に、

 「BS式とその真髄の考え方を、2年間で身につけたいんです!」

 と話したら

 「あまり深追いしない方がいいと思います。 とりあえずユーザーになれるように頑張ってみてはどうでしょう。 それでも十分大変ですよ。」

 という答えが返ってきました^^;
 基本的にチャレンジングな状況で燃える人間なので、かえって勉強する意欲が増えています。

 と、前置きが長くなってしまいましたが、今日は、授業の復習をかねて、株価変動モデルについて、書いてみようと思います。 しかも、可能な限りわかりやすく。 といっても、やっぱり、基礎知識がないときついかもしれません。。


0.概論
1.ランダムウォークとドリフト
2.幾何表示
3.連続系

0.概論

 株価変動モデルと言うのは、その名の通り、株価の変動過程を描写したモデルです。
 
 B/S式はオプションの価格付けをするためのものです。 オプションとは、「ある価格である資産を買う権利」のことです。 権利と言っても、たとえば、将来1000円になりそうなものを500円でかえる権利であれば、相当の価値があるわけで、オプションには価格が存在します。

 そんなオプションの価格を算定するためには、色んな事を知らないといけないのですが、そのうちの一つが、オプション権利の対象となる資産の変動です。 そりゃそうですよね。 「~を500円で買う権利」といっても、その~の価格が将来どうなるのかを知ることが出来なかったら、何の意味もありません。

 さて、何をするのか、概要を示します。それは、以下のようになります。

 株価のランダムウォークを考える。 ランダムウォークをしたからといって、株価がマイナスになることはありえないので、そうならないように、幾何表示で変動を示す。 その変動を連続系で示す。 この連続系での運動はブラウン運動、幾何表示ならば幾何ブラウン運動と言われている。



1.ランダムウォークとドリフト
 ここで、ファイナンス理論では、株価の変動に対して、重要な仮定をおきます。
 それは、株価の変動はランダムウォークする、という点です。 ランダムウォークとは、株価の変動が、過去の動きとはまったく無関係に動くことで、しばしば、酔っ払いの千鳥足にたとえられます。

 式にすると、 
 
 S1=So+e

 ここで、S1:将来の株価、So:現在の株価、eはランダムな部分です。  eの平均値はゼロで、eとS1は確率変数です。

 ここで、e≡σεと書き換えられます。 ε(イプシロン)は、標準正規分布をする確率変数で、シグマはその標準偏差です。 eはぶれの大きさをしめすのですが、それを標準偏差の部分と確率の部分に分けたと考えてください。たとえば、もしσ=0.1なら、eの大きさは、95%の確率で-0.196から0.196の間に収まります。


 しかも、ただのランダムウォークではなく、株価の変動は、一定の方向性(ドリフト≒慣性)を持っていると考えます。 だから、イメージとしては、行く先もなしにさまよう酔っ払いと言うよりは、スイカ割りをするまえに、頭を棒につけてぐるぐる20回くらい回った後に、スイカに向かって行く人にどちらかと言うと似ています。 ただし、スイカに到達できるかどうかは定かではありませんが。。
 



 そのドリフト部分を考えると、

 S1=So+μ+σε ・・・X式

 となり、ここで、μ(ミュー)は、その傾向を意味します。 いわゆる、株価の期待収益額がμです。
 

 
 上のは、1期間のものでしたが、これをt期間に移し変えると、
 
 St=So+tμ+σε√t  ・・・A式

 なぜ、σの方についているのがtではなく√tなのかと言うと、分散だと、上のものは
σ^2((ε+ε+・・・+ε)/t)×t  

(↑εの合計をtで割ってこそ分散として表示できる。そのため、片方をtで割り、代わりに他の場所でtを掛けている。)
 

 ここで、分散を標準偏差にするために平方根をとると、σε√tとなるわけですね。

 ※ちなみに、tで割ってこのようにすっきりさせられるためには、一つ重要な仮定があります。 それはある時点のεと他の時点のεとの間に全く相関がないことです(ちょっとかっこつけると、「撹乱項には系列相関がない」と表現します)。 この仮定、すなわち、cov(ε1、ε2)=0、というのは、ファイナンス理論においてはかなりポピュラーな仮定です。 例えば、CAPMも実証はとても困難なので、上の様な仮定を用いてインデックスモデルを作り、実証を行っているわけです。




2.幾何表示
 
 さて、上のX式を整理すると、

 S1/So=1+μ+σε ・・・B式

 となります。 ここのμとσεは、A式のものと少し違います。 A式のものは、「額ベース」だったのに対し、B式のものは、「率ベース」になっています。 先生は授業中にその事に触れてはいなかったのですが、そうしないと理解不可能なので、たぶんそうなのでしょう。 授業後に確認するのを忘れていました・・・ メールで質問してみますね。


 たとえば、現在の株価が100円だったとして、A式で株価の期待収益額が10だったとしましょう。 A式ではμは10ですが、B式ではμは10%になります。


 B式に対し、両辺に自然対数をとります。 自然対数をとることによって、それを連続複利形式で表示できるようになります。

 ln( St/So)=ln(1+μ+σε) ・・・C式

 ここで、

 ln(1+x)≒x-x二乗/2+x3乗/3-x4乗/4・・・ 

 として近似できることがわかっています。 この近似の仕方を、テーラー展開と呼んでいます。

 同様の事を例えば、自然対数eのx乗でやってみましょう。 これをテーラー展開で近似すると、1+x+xの2乗/2!+xの三乗/3!+・・・となります。 !は階乗のことで、例えば、5!=5*4*3*2*1です。 試しに、xに適当な数字を入れてやってみてください。 


 上のln(1+μ+σε)で、μ+σε=Qとおけば、ln(1+Q)となり、それは、上のテーラー展開で近似することが出来ますね。

 2次まで近似すると、
 
 ln(1+μ+σε)=μ+σε-1/2(μ+σε)の二乗 ・・・D式

となります。

 ここで、εの2乗=1です。 原理的にはとても難しいらしいのですが、たとえば、εが50%50%の確率で1か-1になるとします。 εの2乗はこの結果を2乗することになるので、両方1となるので、εの2乗は1になる、というのが、直感的な説明みたいです。


 さらに、μはもともと小さな値で、二乗するとさらに小さくなるので、無視してしまいます。 すると、D式は

 ln(St/So)=(μ―1/2σ^2)+σε・・・E式

 となります。 これが、幾何ベースでの株価の変動率を、2次のテーラー展開で近似したものになります。
 

 
3.連続系での表示

 さて、上のE式のtを、とても微小にとってみます。 数学やファイナンス理論では、結構大き目の変化の場合⊿やδ(両方デルタと読みます)で示すのに対し、微小な変化はd(めんどくさいことに、これもデルタで呼ばれることが多いです)でしめします。 すなわち、tの微小な変化は、dtで示されます。 


 すると、E式は、

 ln(So+dt/So)=(μ―1/2σ^2)dt+σε√dt  ・・・F式

 となります。

 ここで、結論だけを述べます。
伊藤のレンマを用いると、ε√dt=dzとなります。
 
 すると、
 株価の微小な変化→ln(So+dt/So)=(μ―1/2σ^2)dt+σdz ・・・G式
 

 となります。
 

 伊藤のレンマについては、今回はさわりだけやっていて、次回きっちりとやる予定なので、そのときにまた触れようと思います。

 ワクワクしますね^^

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