Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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信託に対する課税について。
 信託について、個人レベルで興味のある人っているのでしょうか? 何とか口に糊している僕には、まったく生活レベルでの興味は無いので、ブログを読んでくれているみなさんの反応が気になるところですが、信託について書いてみようと思います。 試験勉強も兼ねているので、あまり手元に資料をおかずに書いています。 指摘等していただけるとうれしいです。

1.信託ってなに?
2.信託の分類 
3.信託についての課税を考える際のポイント
4.信託に対する課税の実際
5.特定信託に対する課税に対しての批判

1.信託ってなに?

 信託というのは、「信じて託す」ことです。 ほんまいかいな。
 投資家、もしくは委託業者がその財産を信託銀行に預けて運用してもらいます。 ほら、信託銀行を信じて財産を託しているでしょう。
 ここで、この財産のことを信託財産といいます。 信託財産を預けることを信託の設定といいます。 信託を設定する投資家や業者が委託者、信託を受ける信託銀行などが受託者といわれます。
 信託を設定した人は、代わりに信託受益権を受け取ります。 信託財産の運用によって得た利益の配分をうける権利のことです。 信託受益権は、売買が可能です。 たとえば、土地を信託銀行に預けて受け取った信託受益権(普通は有価証券のかたちをとります)を他人に売ることは可能です。


2.信託の分類  
 さて、現在の日本の投資信託の形態は、いくつかの分類があります。 ここんとこが、かなりめんどっちいのですが、大きく二つの方法による分類があります。
 
 1)契約型か会社型か
 2)資産流動型か資産運用型か

 
 1)契約型か会社型か
 これは、法律でいうと、投信法による分類となります。 契約型の信託は法人格を持たず、会社型の信託は法人格を持つ、というのがロジック上では原則となっているようです。 分類はこんな感じです:

 A.契約型投資信託~いままでの一般の意味合いでの信託
   ・委託者指図型投資信託 
     -委託者は信託銀行に信託を設定して運用の指図を行う
     -投資家は投資信託委託業者を通じて信託受益権の売買を行う
     -信託銀行は信託財産を運用し、収益分配金を投資家に支払う

   ・委託者非指図型投資信託
     -投資家自らが信託銀行に対して信託を設定し、信託受益権にかかる収益分配金を受け取る

 B.会社型投資信託~投信法の改正により認められたもの。 
   ・投資法人
     いわゆる投資会社とかがこれにあたります。 
 

 
 2)資産流動化型か資産運用型か
  資産の流動化、というのは、平たく言うと、土地だとか有価証券だとかが人々の間でぐるぐる回るようになることです。 資産がぐるぐる回るということは、すなわち、金がどうじにぐるぐると回ることもともないます。 
 資産の運用、というのは、まあ、そのまんまです。
 日本には、資産流動化法が資産流動化について、投信法が資産運用について定めています。

 A.資産流動化型の信託には、特定目的信託があります。 ちなみに、資産流動化法を根拠法とするものにもうひとつ特定目的会社(TMKと略して呼びます)があるのですが、これは、後に不動産や不良債権の証券化について話すときに説明しようと思います。

 B.投信法に基づく投資信託には、投資法人と特定投資信託があります。
 
 法人税法では、上の特定投資信託と特定目的信託をあわせて特定信託と呼んでいます。  

  


 3.信託についての課税を考える際のポイント

 重要なポイントは、なぜ会社に法人課税をするのか理解すること、その次に重要なポイントは、課税手続きの複雑さなどを考えること、にあると思います。

 1)なぜ法人税は課されるのか?
 法人税の対象の基本は株式会社なので、株式会社に的を絞って議論をしていきたいと思います。 
 株式会社は株主の集合体なのだから、株主に所得税を課せば、本来はそれですむはずなのです。 ですが、株式会社は利益の全額を株主にすぐ配分するわけではありません。 ある程度の利益は留保することになります。
 さて、こんな状況で、所得税オンリーで行こうとするとちょっとこまったことになります。 所得税は、原則として実現主義、というのをとっています。 すなわち、所得が実際に生じたときに課税する、ということです。 そうすると、会社が利益を留保している間は、株主に所得税がかからないことになってしまいます。 租税というのは、もともと、社会において生じた富に課すという性質のものです。 その趣旨を達成するためには、法人税を課すことが一つの解決策となります。
 だから、法人税というのは、ある意味、株主の所得に対する前取りなのです。 そういうロジックだからこそ、株主が配当を受け取るときに、配当控除という制度が認められているわけです。



 2)手続きの煩雑さ 
 課税の手続きを馬鹿正直にやっていると、国全体としてとてもコストがかかってしまいます。 なので、徴収手続きがただでさえ複雑になりそうなものは、ある程度簡単に徴収できる仕組みを作っています。 信託に対する課税については後に述べることにして、例として源泉徴収税をあげましょう。
 源泉徴収税というのは、所得がその当人に届く以前に徴収される税のことです。 これが課されるのは、利子所得、配当所得、給与所得、(あと、、なんだったっけ、たしか、事業所得)など、いちいち個人に対して課税するととても煩雑になるものが主になります。
 
 こういう煩雑な手続きを簡便にするための課税技術、という側面からも事を考える必要がありそうです。



4.信託に対する課税の実際

 信託に対する課税は、法人税に書いてあります。 何条かは今わかりませんが、法人税法の目次を見たら「所得の帰属にかんするうんぬん」という部分に載っているはずなのでそれをみてください。 税法について勉強するときのコツは、ロジックだけはきっちりと頭に入れておいて、後は条文の場所と大体の内容を覚えておく、ということにあるようです。
 僕はもと法学部でしたが、条文が最もすくない六法である憲法、しかも人権の部分、以外まともに勉強していないので、この感覚は初めてのものですね^^; 

 ちなみに、信託に対する課税は法人税法に規定されてはいますが、信託は法人格を持ちません。 株式会社などと比較したらわかると思います。


 1)本文信託(法人税法の条文の本文に列挙されている信託のことです)において、受益者が特定可能な場合は、受益者に対して課税がされます。 すなわち、信託に利益が留保されていても、利益から支出を控除した額が課税の対象となります。 反面、受益者が特定不可能な場合は、委託者に属するものとして課税がされます。


 2)但書信託(その条文の「但し~」以下の部分に列挙されている信託です)においては、受益者が多数にのぼるため、受益者が特定可能であっても、受益者課税をすると手続きがとても煩雑になってしまいます。 そのため、但書信託に対しては、留保されている分に対しては課税がされないということになっています。 この但書信託に該当するものは、合同運用信託、特定信託を除く投資信託、的確退職年金契約・厚生年金契約などにかかる信託です。


 3)特定信託には他の信託と同様法人格を持ちませんが、信託財産の収益は信託に留保されていても法人課税の対象となります。 これは、課税技術上、便宜的に受託者を納税義務者としているので、受託者が本来納付すべき法人税にプラスされるわけではありません。 信託会社自身の収入・支出と、特定信託の収入・支出とは、別々に税額が計算されます。

 上のようなロジックで法人課税がさてれいるので、特定信託の収益の分配については損金参入が認められています。

 ですが、投資信託の投資について生じた損失を、投資家は利用することが出来ません。





5.特定信託に対する課税に対しての批判
 特定信託と同様の根拠法を持つ特定目的会社や投資法人を用いたスキームとの中立性を保つため、という理由で、特定信託(特定投資信託と特定目的信託)に対してこのような課税方式をとることになったとされています。 しかし「課税の中立性を保つため」というのは、ロジックとしては不十分なのではないかという批判があります。 他の投資スキームとのバランスを保つ、という趣旨はごもっともかもしれませんが。




 また、今回の問題のみならず、投資において生じた損失について損益通算を認めることというのは、リスクが高い投資が社会において必要とされているときに、投資家に一歩踏み込むインセンティヴを与えるものです。 投資による損失が所得から差っぴかれずに所得税が課されるのなら、そりゃあ投資したくなくなりますよね。

 90年代から20年代前半にかけて、不動産にかかる不良債権を流動化し、マーケットが動くようにするためには、投資家がリスクを負いこれらに投資する必要がありました。 批判もありますが、いくつかの外資系金融機関がリスクをとってバブル後の不動産とそれにかかる不良債権に対して投資をしたことによって、日本の市場は回復を早めたというのは、事実ではあると思います。

 法律論ではないのですが、政策論として、このような視点を持つことも、損益通算の是非の議論において、必要なのではないかと思うんですよね。


 と、信託に対する課税は、大体こんなもんで。 不動産投資をするときに信託をかませると課税上有利なのですが、そういった内容は、他の場所で書いていこうと思います。 
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