Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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映画感想文:ゲド戦記。
 午前中は体調が悪くて死んでいたのですが、ちょっと気を取り直して、昨日から放映されているゲド戦記を見に行ってきました。



 machi.jpg

 均衡が失われつつある世界、それがゲド戦記第三巻(映画はここです)の舞台です。 魔法使い達がどんどん力を失っていっている世界。 人々はせわしなく齷齪働きながらも精神的な柱を失い、人身売買が横行し、麻薬が多くの人を蝕んでいる。 


 この設定において、「魔法」というのは比喩的な表現で、一種の「心の支え」と置き換えたらわかりやすいのかもなあ、と感じました。 僕たちは、魔法と言うと、何か不思議な力を持っていて、それを使えば事はなんとかなると思いがちです。 ちょっと前まで、人々は、イデオロギーに対して、同様の地位を与えていたと思うんですね。 イデオロギーが力を失ったことにより、人々が心の支えとするものを失った現代。 人々に自分の力で考えることを要求するようになった現代と、かぶる部分がとても多いと感じています。




 allen.jpg


 主人公であるアレンは、父である国王を刺し、その剣をもって国を飛び出した少年です。 剣には魔法がかかっていて、アレンにはまだ抜くことが出来ません。 心の寄り処を持っていない少年の精神状態を描いているのだなあと感じました。
 時々見せる神経質そうな表情が印象的な彼は、絶え間なく自らの影におびえています。 その影は、少年の精神の負の部分がいつの間にか擬人化されてしまったものでした。
 
 「いつ死んでもいい」という厭世的な側面をみせる反面、不死を目の前に差し出されるとそれにすがり付いてしまう少年アレンの精神性の問題は、一つの事に起因しています。 それは、死を生との関係から捉えることができないと言う点。

 光があって闇があり、悲しみがあって喜びがあり、そして死があってこそ生がある。 いつ死んでもよい、不死になりたい、という精神的態度は、一件相反するもののように見えつつも、「生から目を背けている」という点において一致しているのでした。 



 20060730230225.jpg
 
 それを指摘するのが、不死の象徴である竜の化身である少女テルー。 彼女の援けを得ながら、自分の生を直視し、そのことによって主人公は魔法の剣を使えるようになり(自分の心の支えを取り戻す)、物語は解決へと向かっていきます。

 
 現代に生きる人々にとっては、とても興味深い話題なのではないでしょうか。 特に、「一番悲しいことは、悲しくなれないこと」というような精神的な問題が噴出している僕が住む社会においては。



 、、、なんて事を考えなくとも、いつもどおりの美しい絵なので、ただのエンターテイメントとしても楽しめる作りとなっています。 原作がとても長い小説らしいので、かなりキャッチアップが大変ですが、時間がある方はどうぞごらんあれ。 


※「ハウルの動く城」の感想文の記事

※ 精神性の問題として関連がありそうな記事
Comment
≪この記事へのコメント≫
おすぎがラジオでゴミみたいな映画って言ってたらしいよw
内容がまったく無いって。
実際はどうなんかなぁ?
やっぱ自分で見て判断しないとなんとも言えないよね(ノ∀`)
2006/07/31(月) 00:42:49 | URL | しも #JalddpaA[ 編集]
 Yahooとかの映画評論でもかなり叩かれているようですね。。 内容そのものもそうですが、人々の期待の大きさも一つの原因かな、と思います。
 映画って、自分がどう感じるかによって評価がかなり変わってくるものだと思うんですよね。 まあ、かなり強引な展開とか、愛すべき脇役の不在とか、今までのジブリ映画に比べると見劣りする部分もあるのですが、僕としては、見て悪くなかったなと感じています。
2006/07/31(月) 01:12:39 | URL | Taejun #-[ 編集]
はてさてどうしたものか・・・
迷っております。1500円払って(シネコン割引で)見に行くべきかどうか。何しろ、7000円以上する某洋書買ったばかりでサイフが苦しいもんで(爆)

冗談はともかく、ネットで流れる酷評の嵐は、当事者でないにもかかわらず見ていてつらいです。とはいえ単なる悪口雑言は別としてきっと傾聴すべき意見はあるでしょうから、それを無駄にすることなく次には良い作品を作ってくれることを、1ファンとして切に祈ります。
2006/08/04(金) 12:27:05 | URL | 匿名希望の大学院生でございます。 #jsBW8FAg[ 編集]
おg、おっと、匿名希望の大学院生さん、コメント有難うございます。

 確かに、批評には一理ありますね。 しっくりこないものを感じた人も多いでしょうし。 けど、やっぱり、ジブリファンなら映画館で見ないと。(笑)

 P.S.教科書、届きましたか?
 個人的には、あのレベル(=読者は多分少ない)の洋書でハードカバーで7000円ってかなり安いと思っています^^; 相当人気のある本なんでしょうね。。
2006/08/04(金) 23:26:19 | URL | Taejun #-[ 編集]
無事届いていました
はいはい、今日無事届いていました。買ったからには、しっかり読んで元をとりましょう。この内容でこの値段は、洋書としては確かに安いですよ。

第一章からして既に、そのスタンスがものすごく明確で直球勝負。論旨が明確なので、英語力を鍛えながら読むにもいいかも。
2006/08/05(土) 00:24:28 | URL | 匿名希望の大学院生でございます #jsBW8FAg[ 編集]
あの、まず結論となる公式を示してから説明に入るってやりかた、いいですよね。 どこがポイントかわかるのでたすかります^^
2006/08/05(土) 11:40:40 | URL | Taejun #-[ 編集]
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