Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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仮想マーケットの実習を終えて。
 じつは、試験が終わった後にも、最後の課題が残っていました。 自分はトレーダーには向いていないことを実感させてくれた、「マーケットメカニズムとトレーダー行動」の最終レポート。


 その課題の最後に、全体の総括コメントを書くスペースがありました。 そこに書いたものを、以下に貼り付けます。 あたふたと書いたので構成はちょっと微妙ですが、ご容赦ください。。


 



 今まで多くのことをレポートに書いてきたので、最後には、定性的な感想を述べようと思う。

 全体を通じて、市場構造における参加者の心と行動の関係について、感じることが多かった。 


 市場は、心を持っている人間が参加して出来ている。 にもかかわらず、多くの場合、その点は看過されがちである。 得体の知れない怪物のように取り扱われている場合が非常に多い。 今回のトレードを通じて、市場参加者の心理や性質がいかにマーケットの動きに影響を与えるのか良く知ることが出来た。 そして、その知識を前提にして、マーケットの構造について考えることが多かった。

 マーケットの構造は、場合によっては市場参加者の「人間らしさ」を増幅させ、場合によってはそれを減少させる。 相対取引と電子取引、ミッション、グループ行動、流動性制約などによって、同じ人間であっても、とる行動が異なってくる。 (※「人間らしさ」、という言葉を定義するのは難しいが、非合理性や感情と連想される概念として用いる事にする。)
 

 ただし、このことは、現代的(あいまいな表現だが)な市場ほど「人間らしさ」を覆い隠すことになる事を必ずしも意味しない。 むしろ、過度に提供される情報によって、市場参加者が非合理的に行動することもあるのだということを、仮想取引を通じて学ぶこととなった。

 また、市場の構造から影響を受ける度合いも、市場参加者によって異なっていた。 ミッションや制約が課せられてものびのびと行動する人々、そうでない人々、ある程度までは制約を意識する人々と、さまざまだった。 さらに、市場参加者の意思決定が個人によってされる場合と、集団によってされる場合においては、この現象に一定の違いが見られた。 人は、多くの人が賛同すると思うが、集団で行動するほど保守的になるようである。
 
 さらに、アニマルスピリッツが支配すると言われている金融市場においてさえ、人々のモチベーションは、利益の達成だけにあるのではなかったということは、貴重な発見だった。 自己実現、協調性の維持や社会関係などが、意外と人々の行動に大きな影響を与えていた。 自らの戦略に拘泥し損失を増やしてしまう人や、集団において声の大きな人の意見に不本意であっても従ってしまう人々がいる。 理不尽な事と知りながらも、顧客との付き合いを維持するために取引せざるをえない証券会社がある。


 これらのことは、市場参加者、市場設計者、理論家たちに重要なインプリケーションを与えてくれるように思う。

 市場参加者にとっては、自らが参加する市場の構造と、市場参加者の構成を知ることが重要となる。 具体例をあげると、個人投資家が多く参加する市場と、機関投資家が主に参加している市場では、ニュースに対する動きを一つとっても、マーケットの反応が異なってくる。 「個人投資家の多い市場ほどエモーションによって移ろいやすい」、など、市場の性質について知ることはとても重要だと思う。

 市場設計者には、「正義」や「公正」の理念のみならず、「読み」の能力が必須であるように思われる。 市場の制度を変えることにより、それが市場参加者にどのように影響を及ぼすか、よくよく考えてみないといけない。 介入する市場の性質によって、介入の手段を考える事はとても重要だと考える。 また、市場が壊れてしまう予兆について常に察知し、事前に策を講じないといけない。

 理論を考える人々は、市場の性質を常に意識しながら理論を構築しないといけない。 体系化のための前提単純化は必要であるが、その単純化は、このような市場の性質を毀損していない程度においてのみ許されることである。 理論が砂上の楼閣となってはいけない。



 あふれる情報を参考にしつつも、自分の目で見、自分の頭で考え、行動する。 市場をよく捉えることも、人生をよく生きることも、根本は同じなのかもしれない。 必要なのは、コモン・センスと、知恵と、そして、ほんの少しの勇気。
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