Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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司法試験の「資本試験化」について考える。
 司法試験は、資本試験になりつつある気がします。
 
 現状について頭の体操をしながら、何らかのインプリケーションを得られればと思い、つれづれなるままに書いてみます。
 
1.現状 -友人たちからの夙聞より
2.なんでこうなった? -考えるべきは、卒業生の合格率の低さ
3.どうすればよかった? -真剣なシミュレーション






1.現状(友人たちからの夙聞より)
 
 確か、ロースクール制度の趣旨は
 ・テクニックではない学問としての法学を修めた法曹を増やす
 ・絶対数としての法曹を増やす(ロースクール生の7,8割が受かるようにする)

 だったと記憶しているのですが、多くの受験生が言うように、「ロースクールの勉強だけでは新司法試験には合格できない」仕組みとなってしまっていて、かつ、合格率も今後は2,3割と、骨抜きもいいところ。

 必要な知識は、従前どおり、試験テクニックとなり、かかるお金は数倍となっています。


 今後、司法試験を目指す人が通らなければいけない道はというと:

 ・ロースクール受験勉強
 ・入学後ロースクールの勉強
 ・かつ、受験予備校で新司法試験対策
  
 、、、ざっと見積もって、最低でも400万円くらいでしょうか。

 合格後に返済する類の学生ローンを組むのもありですが、今後、試験合格者は、2割程度。 かなりのリスクです。

 さらに注意しなければいけないポイントは、この「2割」の母集団はロースクール卒業者である、という点です。 ロースクール受験生までを母集団に含めると、倍率はさらに低くなります。
  

 

 と、制度を批判するだけなら誰でも出来るので、こうなってしまった理由と、打開策について、考えてみます。


 
 2.なんでこうなった? -考えるべきは、卒業生の合格率の低さ
  
 金銭的負担の増加そのものは、必ずしも問題ではないと思います。 合格までに必要な金銭が絶対額として増えることは、その対価として、法曹の質(微妙な言葉ですが)がさらに向上するのであれば、肯定しうると思います。 受験者の金銭的負担を社会的にある程度保障するような仕組みさえ作れば、経済全体による「信頼できる法制度への投資」としては、ペイするでしょう。

 
 よって、問題として理由を考えるべきは、低い合格率と変わらぬテクニック偏重。

 
 ちょっと考えてみると、両者の間には因果関係がありそうです。 えてして、合格率の低い試験に対しては、テクニックが偏重される傾向があるからです。


 と、すると、まず考えるべきは、低い合格率の原因。

 皮相的な理由として、ロースクールを創設する学校が予想以上に多かったことがあげられます。 しかし、なぜそのようなことが起こったのか、もうちょっと考えてみる必要がありそうです。
 制度設計側の読みの不足でしょうか。 多くの大学が財政難に陥っている状況において、ロースクールの創設は、財政改善への貴重なチャンスなのだから、少なくない学校が創設の申請をすることはちょっと考えればわかったはずです。 合格者数を絶対数として定めたのなら、その受験者枠の因子となるロースクール数も、もうすこし引き締めるべきだったのではないか、と思います。  といっても、ロースクールの数が増えることにより競争が激化し、これから先少なくない学校が淘汰されるとは思いますが。 学校が淘汰されたら、この状況は変わるのかもしれませんが、その過渡期に受験生が負うことになる痛みは、ちょっと。

 

 

 3.どうすればよかった? -真剣なシミュレーション

 本来の趣旨であった①真の知識を持った法曹の育成、と、②法曹の絶対数を増やすことを達成するための代替案を考える必要がありそうです。

 ②は、最終合格者数を増やせばいいだけの話なので、大した問題ではないでしょう。 

 そこで、①なのですが、資格試験というものの性質を鑑みるのなら、たとえば、教育制度は合格前よりも合格後により整備すればよいのではないかな、と思います。 司法修習の期間を2倍にしてその質を高める、などをすれば、より実務のためになる生きた勉強が出来ると思うのですが。 かてて加えて、この場合には、受験生の合格までの金銭的負担をより下げられる気がします。  (ただ、ロースクール制度創設の目的が、法曹ではない法実務家の養成にもあるのなら、すこし話は違ってくるかもしれません。)



 
 制度設計をする場合には、趣旨の達成のために複数の案を立てて、それらについて真剣にシミュレートし、比較検討するものです。 というか、ビジネスの場においても、基本中の基本です。 立案者は、それをしていたのでしょうか? していたら、ここまで問題は生じなかったと思います(立案者の皆さん、もし真剣にやっていたらごめんなさい)。
 
 
 なんにせよ、現制度の問題は、多くの人が指摘するところなので、今も必死に勉強している受験生のためにも、早いうちに手を打ってもらいたいものです。 そんなことを、新司法試験合格者発表の新聞記事を読みながら思うのでした。
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