Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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なんでハングルと書いたか。
 通りすがりの方から、大変な質問を頂きました。

>はじめてコメントさせていただきます。^^在日朝鮮人でトライリンガル。という部分でハングル、日本語、英語・・・とありますが、ハングルはクルとあるように、朝鮮語の文字を表すことだと心得ておりますが、テジュンさんは朝鮮語の文字が書ける能力があるということではなく、日本語、英語と同様、朝鮮語の4機能すべてが可能ということでしたら、朝鮮語と表記すべきなのではないのでしょうか?朝鮮語と韓国語の表記についてすこし迷われて、ハングルという表記になったのでしょうか?その微妙な迷いぐあいを今度ブログでかいていただければと思います。期待しています。とおりすがりの者でした。


 言葉については、特に自分の思想信条とかかわるものについては極力意識しているので、この自己紹介記事でもかなり微妙な書き方をしているわけです。 ハングルと書いた理由について述べるためには、在日朝鮮人・韓国人の分類についても書かなくてはいけませんね。 かなり込み入ったもので、難しくはあるのですが、説明してみようと思います。

1.在日朝鮮人と韓国人
2.なんでハングルと書いたか
3.結びに



 1.在日朝鮮人と韓国人

 僕は、在日朝鮮人です。 韓国人ではないんですね。 大きな理由は、国籍が朝鮮であることと、朝鮮学校で育ったことにあると思います。 ちなみに、この呼称は、在日コリアンの間では、主観的な意味合いが強いと思います。 韓国籍でも自分を在日朝鮮人と呼ぶ人がいますし、逆もまたしかり。


 1)国籍
 在日コリアンは、戦前までは、日本の国籍保持者でした。 そして、戦後、サンフランシスコ講和条約の発効とともに、無国籍者となります。 その後、彼・彼女らには国籍選択の機会があり、多くの人が、当時DPRK(日本のメディアでは北朝鮮)を支持していたので、朝鮮籍を取得しました。 戦後の当時、大半の人は、朝鮮籍保有者。
 しかし、面白いことに、朝鮮籍と、DPRK国籍は違うんですね。。
 僕は、旅行に行く時、再入国許可証とビザで旅行に行きます。 僕の外国人登録済み証明書には、ただ「朝鮮」としか書かれていません。 朝鮮民主主義人民共和国、とはかかれていないのです。

 ちなみに、在日コリアンのうち90%以上は、ルーツを南に持っています。 ルーツを北に持つ人々は、戦前中国の方に流れていったからです。 僕の祖父母は済州島からきました。 なので、先祖の墓はそこにあり、母はつい最近墓参り&祀り事に行ってきました。 

 
 2)朝鮮学校
 は、戦前から在日コリアンコミュニティで形成されていた国語講習所がもととなっています。 もともとは、戦後帰国する時に子供たちがコリアンを使えないといけないから、という趣旨で設立されたものでした。
 しかし、戦後、状況が変わり(最も大きなのは朝鮮戦争とその後の停戦状態でしょうか)、4分の1(だったはず)のコリアンは、永住をすることに。 朝鮮学校は、継続することになります。

 朝鮮学校は、一番苦しい時期に、朝鮮民主主義人民共和国(以下DPRKで書きます)から援助を受けた(半世紀前の当時において、毎年数回ずつ数億円単位。 損得勘定では説明できない部分でしょう。)という経緯があり、その恩を今も感じている人たちが、ベテランの先生や一世の同胞に多いです。 
 といっても、思想教育をがんがんにしているわけではなく、公共心や弱者をいたわる心、相互扶助精神の涵養を目的に教育がされています。 それが今の自分にかなり生きていると感じます。 

 韓国からの援助を受けて建っている学校もあるのですが、そこでは、朝鮮文化全般に関する教育が弱く、そのためか、朝鮮学校には国籍を問わず在日コリアンの子供が通っています。 朝鮮・韓国、なかには日本国籍の子供たちがいるようです。

 
 
2.なんでハングルと書いたか

1)ハングルについて
 まず、ご指摘の通り、ハングルは、厳密に言うと「朝鮮・韓国の文字」の事です。
 ハンの語源は、ハナで、これは、「天」や「一」、「大きな」を意味していて、それが転じて、コリアを指す言葉になっているようです。 韓国のハンナラ党もこの語源からです。 英語では、universe(uniは「一」、verseは「回る」が語源)が一番近いのかもしれません。 朝鮮半島においてuniverseなもの、というと、コリアン的なものを意味したのです。
 グルは、「字」という意味です。

 もともと、ハングルは文字を表す言葉だったのですが、最近では、慣用的に、文字のみならず、言語全体を指すことがあるようです。 そして、それが、自己紹介記事で、ハングルと書いた一因となってきています。


2)自分の思い
 朝鮮語と書くのもありなのですが、それに対しては対立している概念として韓国語というのもあるので(朝鮮語と韓国語には、文法的にほんのわずかな違いがあります)、その対立を乗り越えたいという想いが、この言葉の選択にこもっています。
 さらに言うと、僕が朝鮮学校で習ったのは朝鮮語ですが、職場でソウルのオフィスの人とコンタクトする時に使うのはソウル言葉なんですよね。 ソウル言葉は、日本語で言う東京弁(≒標準語といったら誰かから怒られそうなのでやめときます^^;)です。 もともと同じ言語なのだから、そんな分けられるものでもなく。
 
 
 

3.結びに 
 
 自分を規定する言葉選び一つ一つに神経を使うのは、在日コリアンくらいかもしれません。 かなりしんどいです。 また、事情を知らない人から質問を受けて、一から説明するのにも、すこし時間を削られます。 ですが、こういったしんどい精神的作業一つ一つが、自分のアイデンティティの模索と確立へとつながるので、避けては通れない問題なのですよね。 
 むしろ、そういう神経を使わざるを得ない状況にあることは、幸せなのかもしれません。 「自分は何者なのか」、という普通はめったに発しない質問、自分の精神性の確立に援けとなる質問の前にいつも立たされているのですから。 
Comment
≪この記事へのコメント≫
こんにちは。恥ずかしながら全て初めて拝読する話でしたが、自分のうちにあったいろいろな疑問がこちらのエントリで解決しました。勉強になりました。
2006/10/24(火) 20:21:19 | URL | bun #pT3V5BCg[ 編集]
朝鮮語でいいと思う。韓国ではハン半島でも日本では朝鮮半島だし。でもまあ、こだわりたくなる気持ちもわかる。

去年まで延吉に行ってたけど、朝鮮語も韓国語も延辺語もウリボンマル(日本なまりの朝鮮語/造語)も全く対等だということに気付いた。
そこの朝鮮語はヨンビョンマル(延辺なまり)とかいって韓国の人たちに馬鹿にされているそうな。理由は漢語混ざりだから。例を挙げると『二(イー)』を『両(リャン)』と言ったり(これは中国語の『一(イー)』と音が重なっているため)。

韓国の人々に言わせてみれば、在日の話す『ハングル』の発音は日本語に近く、まるで別の言語に感じる(完全に喋る側がつたないせいだが)そうだ。

俺は韓国人に『ウリマル』を喋れるか質問されたときに、
「ウリボンマルだけどね」
と、冗談半分で答えることにしてる。皮肉ではなく、
「お前らのハングルは日本語に混ぜてもおいしいよ」
というのを密かにアピールしてるんだが…

個人的な意見では、「ハン」という言葉は中国で言う「漢」ほどに普遍的で力強い文明を感じさせるものではないと思う。漢民族という族分けが、いかに漠々としているかを考えてみるといい。朝鮮語でそれに匹敵する言葉は「ウリ」だろう。

でもプロフィールに「ウリマル(母国語)を喋れます」なんて書いたらアホだしなwww

Taejunの言うとおり、こんなことで悩むのも在日くらいだな。

結論だけ書けばいいのに、長ったらしく関係ない話をした。ごめんさい。
ではでは(・ω・)ノシ
2006/10/24(火) 22:23:51 | URL | 唐紙(JONYだよ) #-[ 編集]
さっそくのブログ、ありがとうございました。このブログのほとんどを拝読させていただき、一言一句、言葉を選んで書かれているなと感じられたため、敢えてこのような質問をさせていただきました。ブログを読ませていただき再度質問させていただきますが、自らを在日朝鮮人、朝鮮独立後にDPRKを支持し、現在も(ご自分がその子孫であり)その国籍を維持されている点、ル-ツは南であるが、国籍は「朝鮮」であるということをハングル表記を選んだ理由の前に述べられていますが、ハングルと表記された理由としてはそれでは少し弱いように感じます。まず、ハングルが最近慣用的に言葉全体を指す様になっているとありますが、どこを基準にお話でしょうか?日本でのみでしょうか?ちなみにソウルの某大学ではハングルとは文字のことで韓国語の総称ではないと教わり、ハングルに相当する外国語を指す言葉はアルファベットや漢字であると教わりました。私も納得です。
もうひとつ、朝鮮語と表記してもよいが、韓国語と言う要素もあり最終的にハングル表記になったとのこと。ここで朝鮮語をDPRKの言葉、いわゆる北朝鮮語、ピョンヤンマルと理解なさり、韓国語を現在大韓民国でつかっている言葉、ソウルマルとご理解なさっているのでしょうか。しかし、朝鮮語と日本でよばれているものは朝鮮半島が分断される前から使われている言葉だと考えられ、現在の東京外国語大学をはじめ、学問的にコリアン(言葉)の研究をしている人が指す用語は殆どが朝鮮語と言及しています。すくなくとも李朝時代からの言葉を朝鮮語として指しているならば、その言葉と朝鮮半島分断後の韓国で使われている言葉を並立させて考えるのは違うのではないかと思います。
朝鮮語は実はピョンヤンマルではなく、古代から伝わる朝鮮半島の言葉(文字含める)だと考えます。朝鮮学校で習うウリマルというのはピョンヤンマルを朝鮮語として教わりますが、そこにもやはり、政治的バイアスがかかっているのでしょう。もしくはDPRKおよび、朝鮮学校が古代の呼び名を尊重していると考えられます。なので、テジュンさんが北と南の口語のイントネ-ションを操り、そのほかの機能をお持ちなのでしたらやはり「朝鮮語」と表記すべきではないのでしょうか。テジュンさんが前述なさった自らのル-ツ、そしてバックグランウンドをご理解なさり、尚且つ、それをお書きになる一言一句に反映させるならばこそ、「朝鮮語」なのではないでしょうか。ながながと申し訳ございませんでした。私自身もこれを書かせていただきながら再度学びなおす所存です。
失礼いたしました。そして応援しています。
2006/10/25(水) 00:20:40 | URL | 権兵衛 #-[ 編集]
bunさん、お久しぶりです。 ご参考になれば幸いです^^
これからもどうぞ宜しくお願いします。


JONYこと、唐紙、コメントありがとう。
確かに、朝鮮語でも良くは有るのだけど、こだわってしまうんだよねぇ。
ウリボンマル、面白い。 ちなみに、ウリサラムの前では、ウリマルしゃべれます、としか言いません。 
馬鹿にされるのがやなので、現在韓国語ジャーナル(笑)でイントネーションの真似事中。


権兵衛さん、ありがとうございます。
「理由として弱い」ということの理由は
 ①ハングルはそれでも文字
 ②朝鮮語は朝鮮半島固有の言語
 ということでしょうか。 間違っていたらご指摘お願いします。 
 上のコメントでも少し触れましたが、当然ながら、このブログは、日本語を分かる人、すなわち必然的に日本人と在日コリアンその他の人々をメインの対象としています。 その日本においては、ハングル講座、ハングル検定(といっても巣ピーキングの試験はありませんが・・・)のように、ハングルというと、言語全般を指すように感じられます。 それが、本国でどう取り扱われているか、というのは、寡聞にして知りませんでした。 ご指摘ありがとうございます。
 次に、朝鮮語の与える印象についても、それが学術的にどうであれ、僕が皮膚感覚で感じていることに間違いはないと思います。 朝鮮語:北、韓国語:南、となっているのではないでしょうか。 学術的に厳密な議論はよく分かりませんが、ブログにおける自己紹介を考えた場合、ハングルが最も適切と考えました。 上でも述べたとおり、ネイティヴと話す時には、そんな回りくどいことは話さず、ただ、「ウリマルとクルを使えます」と話しています。 

 なんにせよ、アドバイス、大変参考になり、また考えるよいきっかけとなりました。 ありがとうございます。
2006/10/25(水) 09:22:28 | URL | Taejun #-[ 編集]
韓国語ジャーナルっていうのはソウル弁のことかな?
確かに京言葉みたいで綺麗だしね。でも馬鹿にされてもいいと思うんだけどな。

おいらは延辺訛り(ハムギョン道訛りに近い・・・というか同じ)が抜けません。むしろ直したくないww
2006/10/26(木) 23:09:17 | URL | 唐紙 #-[ 編集]
うん、ソウル弁(のはず)。

よんびょんなまりかぁ。 まあ、それもありだよね^^
2006/10/28(土) 02:17:34 | URL | Taejun #-[ 編集]
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