Taejunomics

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効率的フロンティアと安全利子率と市場均衡。
 ファイナンス理論からの10のメッセージの、前回記事へのコメントへの返信記事です。
 
 Henryさんからのコメント:

 効率的フロンティアが双曲線というのはおかしくないですか? 安全資産の収益率によっては、接線が存在しなくなるような気がします(双曲線の漸近線との位置関係を考えるとわかる)。むしろ放物線なのではないかと思うのですが?



 ごもっともな疑問です。 順を追って話していきましょう。

 

 



 まず、安全利子率が、危険資産からなる最小分散フロンティア(双曲線の部分です)より下にある場合。 

 MV1.jpg


 このときは、上の図のように、あっさり線を引けますよね。


 さて、問題は、こういう場合です。
 安全利子率が、最小分散フロンティアの頂上より高い場合。
 
 MV2.jpg

 
 双曲線だと、絶対に上のほうで接することは無いのですよね。
 最小分散フロンティアが放物線(Y=xの2乗、を横に倒した線を最小分散フロンティアとして考えてみてください。)であれば、上の方で接することは可能です。
 だから、Henryさんは、この最小分散フロンティアは放物線なのではないか、と考えられたのです。 安全利子率が最小分散フロンティアの頂点より高いのに、接してしまっている恥ずかしい本が少なくない中、とても素晴らしい指摘だと思います。

 
 さて、本当に上の様な場合に、接線は引けないのか? 引けますよね。 下のほうに。 でも、下のほうに行く接線は、リスクが増すほどリターンが増えるというアホみたいな関係を示しているので、だれもそれを選ばないはずです。

 じゃあ、どうなるのでしょう。

 ヒントです。
   
MV3.jpg


 教科書では通常、上方の直線しか引いていませんが、実は、危険資産を空売りして安全資産を購入することにより、上方の線と対称の線を実現することが出来るのです(まあこんな投資も、だれもやりませんが)。

 


 なので、安全利子率が最小分散ポートフォリオよりも高い場合、次のような線を、実現可能なのです。 作り方は、危険資産の空売りと、安全資産の買いです。

MV4.jpg


 
 さて、このような状況は続くでしょうか? 
 続きません。 なんでかって? 現時点での安全利子率では、市場が均衡しないからです。

 上の図の様な状態にある場合、みんなが安全資産を買って、危険資産を空売りしようとします。 結果、どうなるか。 (複雑を避けるため危険資産の収益率は変わらないとしましょう。)
 みんなが安全資産、すなわち国債だとかを買おうとすると、その価格は上昇します。 収益率と言うのは、収益/価格なので、価格が上昇すると収益率は低下します。 みんなが安全資産を需要する結果、安全利子率も低下することになるのです。

 そして、最後には、こういう風に落ち着くことでしょう。 
 
MV5.jpg


 
 これで少し垣間見ることが出来たかもしれませんが、ファイナンス理論、特にこのあたりは、かなり強固な理論となっています。 というのも、二基金分離定理などは、置かれている仮定が正しければ、結論は数学的に導かれるものだからです。 

 さらにすごいことは、この理論からの帰結、すなわち、市場ポートフォリオが最高のポートフォリオである(だから、とにかくインデックス、日本ならTOPIXを買うべきだ)が、実証的に認められていることなんですよね。
 ああ、美しい。 だから、僕はこの理論体系に魅力を感じているのでしょうね。 だからこそ、この話題をより多くの人と、とくに独学で勉強をされている方々とシェアしたいのです。

 不明な点、おかしい点などあれば、コメントくだされば幸いです^^
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