Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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野球の裏金について、ファイナンス理論+α的に考える。
 野球選手引き抜きにおける裏金問題について、bewaadさんのブログで、面白いエントリがあったので、便乗して書いてみます。

 といっても、僕のマクロ・ミクロ経済学の知識は、マンキューだとかスティグリッツや吉川洋の教科書をぱらぱらと読んで(眺めて)身につけた程度のものなので、金融経済学やファイナンス理論でよく使われるロジックを中心に考えていきます。 


 
 (問題文)


 プロ野球の裏金問題に個人的に興味があります。契約金の上限をオーナー会議で決めたにも関わらず、裏をかいて裏金を作ってまで学生にお金を渡して、選手獲得に励もうとしている球団があります。

1.契約金の上限をオーナー会で決める事で、選手の厚生的損得、チームの利益面での損得を経済学的に分析してください。

2.裏金を払ってでも有力選手を囲い込もうとするチームが、それを合理的と考える理由を経済学的に説明してください。

3.裏金問題をなくすためには、どのような賞罰設計をすればよいのか経済学的視点から制度設計を試みてください。

4.そのような制度がオーナー会で採択されるのか、されないのかについて論ぜよ

5.今回の裏金騒動であなたが「おかしい」と感じた言論を列挙し、その理由を述べよ








1.契約金の上限をオーナー会で決める事で、選手の厚生的損得、チームの利益面での損得を経済学的に分析してください。

 このような状況においては、パレート最適が満たされておらず、パレート最適な状態に比べると、双方ともに期待効用が損なわれていると考えられます。 各人の効用は、より高い水準に出来る余地が残っているのにされておらず、また、価格付メカニズムも正常に作用しなくなっていまいます。 

 財の配分方法を通じて、お互いにとってより良いものにしうる余地が残っているのなら、それは、現在の状態がパレート非効率であるということに他なりません。 上限規制がない状態においては、競りによる異様な価格の高騰等が無いのであれば、裏金を含めた、球団から選手へ支払われる金額は変わらないまま、裏金発覚リスクを下げることが出来ます。 結果、お互いにとってよりよい状態を実現できます。 



2.裏金を払ってでも有力選手を囲い込もうとするチームが、それを合理的と考える理由を経済学的に説明してください。
 
 裏金発覚リスクを織り込んだ割引率を用いて算定したNPVが正であれば、チームが裏金を用いてでも有力選手を獲得することに、合理性を見出すことが出来ます。


 (上限規制がある状況を所与とします。) 
 この問題は、リスキーなプロジェクトへの投資のアナロジーとして考えることが可能です。 なので、選手獲得とその後に生じるキャッシュフローの割引現在価値を、裏金発覚リスクを加味した割引率を用いて算出することにより、判断することができます。 このキャッシュフローの割引現在価値、NPV、が正であれば、投資(裏金をつかってでも行う選手引き抜き)に合理性が見出されます。

  
 

3.裏金問題をなくすためには、どのような賞罰設計をすればよいのか経済学的視点から制度設計を試みてください。

 1と2の答えから、二つが考えられます。

①適切な資産配分の障害となっている上限規制を無くす(って賞罰じゃないですね。。)

②裏金を用いた選手囲い込みによるNPVがマイナスになるように(裏金発覚リスクが相当高くなるように)罰則の厳格化する。 ※裏金を使わないでいい選手を雇うことに賞を与える制度はありえそうにないですしね。


 また、ゲーム理論的に、「二人がパイをわけるときに、片方が切りわけ、他方が先に選ぶ」という考え方を用いれば、裏金問題を経済全体の効用を増大させる方向で回避できそうですね。



4.そのような制度がオーナー会で採択されるのか、されないのかについて論ぜよ


 2は、採択しても、他の条件は変わらず、裏金オプションプレミアムが高まるのみなので、オーナーが採択するインセンティヴは低いと考えられます。
 
 反面、1は、合理的な意思決定者を想定するのなら、採択される可能性が高そうです。 (この想定が命ですが)



5.今回の裏金騒動であなたが「おかしい」と感じた言論を列挙し、その理由を述べよ

 ニュースにあまり興味が無かったのであまり見ていません。。 問題が生じたときに、ワイドショー的なネタを提供するのもいいのですが、もうすこし制度的・構造的な問題点をえぐりだす報道がされてもいいと思うのですけれどね。

 理由は、経済全体の効用を向上させるために、ワイドショー的なネタはあまり貢献しないのに対し(人々の野次馬根性と言う名の効用は満足させるかもしれませんが)、問題追究はその後の制度改革につながれば、適切な富の配分と無駄なコスト(罰コストなど)を減らすことを可能とし、経済全体の効用を増大させることができるから。
 





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