Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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不動産のキャップレート評価は正しいのか?
 バブルなのかそうでないのかとも関係したお話。
 
 キャップレートのことが川口先生の授業で話題となったので、その考察を。

 1.キャップレートとは
 2.価格は無限?
 3.考えられる理由
 
 
 
1.キャップレートとは

 ちょっと前に配当割引モデルについて書いたと思うのですが、

 価格=資産のもたらすキャッシュフロー÷(割引率―成長率)

 でしたね。 このロジックで不動産を評価するときには、


 不動産価格=不動産のもたらすキャッシュフロー÷(割引率-成長率)

 となります。 この、「割引率―成長率」を、キャップレートと呼びます。 キャップレートとは、capialization rateの略で、資本化率とでも訳すのでしょうか。 なぜこう呼ぶのかというと、

 キャッシュフロー÷キャップレート=資産価格
 
 というように、キャッシュフローを資本資産(Capital)へと変換する役割を果たしているからなのでしょうね。



 2.価格は無限? 

 現在、このキャップレートがものすごく低くなっていています。 言い換えると、不動産の価格がぐんぐんと上がっています。
 
 さっき見たように、キャップレートは割引率-成長率なので、割引率がさほど高くない場合、成長率が割引率を上回ったり、ものすごく低いキャップレートが推定されたりしうるわけです。

 たとえば、年間1億円をもたらす不動産について、要求されている収益率が5%で、成長が4%と見込まれているとします。

 このとき、価格は、


 1億÷(5%-4%)=100億円

 です。 キャップレートは1%ですね。

 
 さて、ここでさらに、成長率に対する期待が高まって、成長率が4.9%と市場で認識されるようになったとしましょう。

 すると、

 価格=1億÷(5%-4.9%)=1000億円

 なんてことになってしまうのです。 そういえば、同様の問題が今回の証券アナリスト試験に出てましたね。
 
 
 不動産投資法人であるREITの財務分析を前に公表しましたが(リンク復活させました)、これを見るとわかるように、

https://www.webfile.jp/dl.php?i=199229&s=bcfa1e8ea9f60de09146

 
 過去5年の数字だけで、期待収益率と成長率を取ると、不動産価格は説明不可能なものになってしまいます。

  

 3.考えられる理由

 キャップレートがマイナスになってしまいうるような現在の状況をバブルと呼ぶことはとても簡単なのですが、ちょっと考えてみると、このマイナスのキャップレートにはいくつかの理由がありそうです。 ちょっと前の授業で僕が発言した内容は以下の通り:

 簡単に言うと;
 ・成長率がおかしいんじゃないの?
 ・期待収益率がおかしいのじゃないの?
 ・モデルがおかしいのではないの?

 の3点です。



 ・不動産の10年前の価格水準は低すぎ、現在それがようやく適正に戻ってきた事を踏まえると、過去10年間程度のデータを基にした成長率を使うことは適切でない。


 ・期待収益率を算定する際に用いるベータの値が適切でない。 
 ベータとは、市場ポートフォリオに関連したリスクの尺度であるが、現在ベータの推定の際には、市場ポートフォリオの代理としてTOPIXなどを用いている。 しかし、市場ポートフォリオとは、原理的には、世の中にあるすべての資産を、その時価総額でウェイト付けをして集めたものなので、TOPIXは近似でしかありえない。 ことに不動産においては、その世の中全体における資産の規模に比べ、市場ポートフォリオに組み入れられている割合があまりにも少ない。 このため、REITの株式のベータは、低くなっている(市場ポートフォリオに不動産が少ししか含まれていないので、市場ポートフォリオと不動産との相関が下がりうる)。 実際には、リスクはもっと高く、より高い期待収益率を求めるべきである。

 (ベータについて復習したい方はこちらへどうぞ
  http://stjofonekorea.blog6.fc2.com/blog-entry-748.html )


 ・(言い損ねたこと) 配当割引モデルは、もともと一定割合(定義難しいです)の収益率や成長率を想定したモデル。 よって、このような場合に用いることは適切でないかもしれない。 しかも、この単純なモデルの前提は相当に制約的であることを理解しておく必要がある。
  
 
 
 、、、、特にオチも考えていないのですが、今の現状だけでは、これがバブルかどうかはわからないということですね。 難しいものです。 
 
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