Taejunomics

            政治、経済、社会、哲学、芸術、文学、スポーツ、マイクロファイナンス、教育などなど、徒然なるままに書き綴ります。 ※お初の方はカテゴリー欄の「Taejunomicsについて」、をご覧ください。
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企業の多角化の良し悪し。
 このブログ、どの会社・組織から見に来ているのかが、大体分かるようにしています。 顧客層(?)を見ると、学生4分の1、金融機関3分の1、事業会社5分の1、その他、という感じなのですが、最近ある機関からやけに多いアクセスがあり、ちょっとびっくりしているTaejunです(見ての通り大した事は書いていないので、どうぞよろしくです)。

 マイクロファイナンスのことも書くと、二回連続開発ネタになってしまうので、次回に書くこととして。 今日は、最近意見交換することがあった、事業の多角化について覚書を。




 ファイナンス理論を学んでいる人は、絶対に学ぶことの一つに、

 「企業は多角化すべきではない」

 というのがあります。

 なぜかというと、企業がわざわざ多角化しなくたって、投資家は自分の投資活動によりリスク分散をすることができるからです。 理論的に言うと、経営者は自分が得意とする事業だけに集中していてくれればよいという事だったりします。

 そんなことあるかい!、と怒る方もいらっしゃるかもしれないのですが、株式の世界の厳然たる事実として、「多角化ディスカウント」なるものが実証的に示されています。 簡単に言うと、多角化している企業の株価は、ほかの条件が一定なら、そうでない企業に比べ低いことが示されているのです。

 といっても、多角化が常に悪いというわけではないのかもしれません。 ちょっと、多角化が株価に与える悪影響と好影響についてまとめておこうと思います。


1.悪影響

 ・事業に対するリソース配分の不足
 大男総身に知恵が回りかね(「今日から俺は」という漫画でしか見たことが無い諺)、なんていう言葉があるみたいに、事業が多いと、どうしても経営者はそれら事業について意識を回すことが出来なくなります。 コントロールもうまくいかないかもしれません。 そうすると事業のクオリティが下がり、結果として株価の下落を招くと考えることができます。

 ・Socialization
 色々な事業が同じ会社の中にあるために、事業単位に対する市場の規律が働かず、「なれあい」が生じてしまう可能性があります。 たとえば、単独の会社としていたのなら必ずつぶれているだろうダメダメ部門も、同じ会社、ということで、何とか存続していたりします。 このダメダメ部門の存続は、会社全体のパフォーマンスにとってはマイナスのわけです。
 
 ・事業多角化時のミスプライシング
 事業を多角化するときには、M&Aなどを通じて行う場合があります。 このM&Aにはプレミアムがつき市場価格より高くなることが少なくなく、これは、ある意味余計なコストと考えられます。 M&Aを通じて時間を買う、ということも言えるのですが、それとこれとはまた別の次元のお話でしょう。

 
 と、様々な経路を通じて、事業の多角化は経営の効率性を下げるため、結果として会社の価値が落ちる、という事が考えられます。



2.好影響

 ・資金調達における有利
 複数の他の事業が走っていて、それらについて会社単位でファイナンスをつける場合には、より多くの借り入れが可能になるというのが理論的な帰結です。 ここで重要なポイントは、複数の事業を行うことにより、非効率な形であれリスクが分散されることにあります。 貸し手は株主と違い、金利&元本返済さえちゃんとされれば問題がないと考えるので、多角化をしている会社は選択&集中をしている会社よりも良いお客さんなのかもしれません。


 ・範囲の経済&イノベーションの可能性
 多角化の方向性にもよるのですが、事業の拡大の方向性が周辺産業である場合、それが企業の業績にかえって好影響を与える可能性は存在します。 

 
 
 と、まあ、こんなところなのでしょうか。 
 ただ、前述のとおり、概ねのところ、多角化は株価に対しては良い影響を与えにくいようです。
 


 ですが、考慮すべき点はいくつかあるのかもしれません。

 ・企業はリスクをヘッジしないといけない
 市場が完全で、人々が失業してもすぐに能力に応じた仕事を見つけることが出来るのならよいのですが、実際にはそうでもありません。 そういった従業員を守るために、企業は、そう簡単に倒産できない。 だったら、多少の非効率があろうとも、事業範囲を拡散しリスクを分散することにより倒産は避けられるのが望ましいわけです。 
 もちろん、倒産を避けることというのには、従業員の保護のみならず、経営者の保身もあるかもしれないので、注意が必要なのですが。



 ・企業はどう化けるか分からない
 これは友達から聞いた話で、面白かったお話。 
 
 皆さん、ハム太郎ってご存知ですか?
 僕はあまり知らなかったのですが、かなり人気のあるキャラクターだそうです。 

 これです。20071128012348.jpg

 
 (最初ハム太郎と聞いた時、僕はボンレスハムに手足がついた不気味な物体を想像し子供たちの将来を憂えていたので、ホッとしました。)


 このハム太郎。 遺伝子は旭一という会社にまでさかのぼるそうです。
 この旭一、もともとは編織会社だったのですがなぜかミンク事業に手を出します。 その後、ほかの会社に買収され、いきなりゲーム部門に。 その後さらに、セガに買収され、その時に、「おたくなんかありませんか?」ということになり、過去のミンク事業の知恵が活かされ生まれたのがハム太郎なのだそうです(本当かいな)。 
 
 一応、旭一の歴史はこちらに。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%86%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88

 
 こういったケミカルが起こり得るというのは、もちろん確率は低いにせよ面白いところですよね。 

 
 
 企業は多角化は避けるべきだ、というのが大筋で正しいと思いますが、それが絶対命題ではないという事は、忘れてはいけないのでしょうね。

 ところでこのブログは、なかなかの多角化ブログなのですが、それはブログの競争戦略として正しいのかどうか、これもまたわからないところです。 

 
 
Comment
≪この記事へのコメント≫
昔の「財閥」とはかはどうなのでしょうか?アメリカ・インド・韓国とかのそれは強いと聞きます。

ブログに競争戦略なんてあるのですか…(汗)多角化は三浦も試みるつもりですが…
2007/11/28(水) 04:34:45 | URL | 三浦介 #OGPSQbQg[ 編集]
財閥は、それそのものでは非効率だったのだと思います。
ただし、財閥は、独占価格を市場において付与することができるので、それはそれで、企業の生産性を上げる事にはなっていたのではないのかな、と思います。

競争戦略、ありそうであったりなかったり。(笑)
2007/11/29(木) 01:55:09 | URL | Taejun #-[ 編集]
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